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4億年前と変わらぬ姿をとどめ「生きた化石」と呼ばれるシーラカンスの寿命は、約100年と推定できると、フランスやオーストリアの研究チームが発表した。これまで20年前後とする研究もあったが、うろこの模様の分析から、はるかに長生きであることがわかったという。17日付の米科学誌「カレント・バイオロジー」に掲載された。
魚のうろこには樹木の年輪と同様に、輪状のしま模様が年々重なっていく。チームはシーラカンス27匹のうろこを、特殊な顕微鏡で観察。オスやメスとして成熟していくまでの期間は40~70年で、寿命は約100年と推定した。
メスの体内で卵からかえって成長中の子供のうろこを分析したところ、妊娠期間が少なくとも5年に及ぶことも推定された。チームは「寿命や妊娠期間は魚種の中で最長クラスだ」と指摘している。
シーラカンスは、1938年に南アフリカで発見され、その後インドネシアなどでも捕獲された。生態に謎が多く、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。
シーラカンスの生態調査を行うアクアマリンふくしま(福島県)の岩田雅光統括学芸員は「保護していく上で必要な情報が得られた」と話している。