■生活変えたケータイ革命、絵文字・小説ブーム 海外普及できず
NTTドコモが従来型携帯電話(ガラケー)向けのインターネット接続サービス「iモード」に対応した端末の出荷を年内をめどに終了し、在庫販売だけにとどめることになった。平成11年の販売開始から18年間での幕引きは、スマートフォン(スマホ)時代を象徴する出来事といえる。一方で、手のひらで気軽にネットを楽しむ環境をつくったiモードは人々の生活スタイルを劇的に変えてきた。
サービス開始以来、普及の原動力になったのがiモードメールだ。従来のショートメールより安価に長文を送ることができる上、笑顔や泣き顔などを表現した独自の絵文字にも対応しメールを視覚的に楽しめるものにした。
絵文字はその後、競合他社や米アップル「iPhone(アイフォーン)」も追随。無料通話アプリ「LINE」のスタンプ機能などスマホ時代のコミュニケーションの先駆けになった。NTTドコモの絵文字176種類は今年10月、「携帯電話でコミュニケーションする上での革命的な変化に寄与した」として、米ニューヨーク近代美術館(MoMA)のコレクションにも加わった。
また、ネット接続が可能になったことで、携帯電話でニュースや天気などの情報を得ることが定着。一般人が簡易サイトを開設したり、文章を投稿したりする動きも広がり、「ケータイ小説」として発表された「恋空」は書籍化、映像化もされて大ヒットした。