全3438文字

 この講座では「2進数(にしんすう)」を取り上げます。コンピューターの内部で使われている2進数を学んで、コンピューターへの理解と愛着を深めることが目的です。

 「いまさら2進数なんて……」――そんな声が聞こえてきそうです。確かに2進数を知らなくても、コンピューターを使う上で困ることはありません。でも、2進数を知ることで、コンピューターにより親しみを感じることができるでしょう。

 「0と1だけで数値を表す方法だろ、知ってるよ」――そうおっしゃる人もいるでしょう。それでは質問です。なぜコンピューターは2進数を使うのでしょうか。2進数でマイナスの数を表すにはどうしたらよいでしょうか。小数点数(小数点がある数)についてはどうでしょう。コンピューターはこれらの値を、2進数でどのように表現しているのか、演算しているのかをすぐに答えられますか?

 10進数(じゅっしんすう)を日ごろ意識することなく使っている私たちにとって、2進数はなかなか奥が深いものです。コンピューターへの理解を深めるだけではなく、“数”というものを改めて考える良い題材でもあります。2進数をある程度理解している人にも、連載中一度は「なるほど」と思ってもらえるはずです。

 もちろん、「2進数という言葉は知っているが、よく分からない」という人にも理解してもらえるように、"ゼロ"から説明していきますので、ご心配なく。分からない人も、分かったつもりでいる人も、この機会に2進数をマスターしちゃいましょう!