メモリー規格のポイント
増設や交換するためにメモリーを購入する際には、自分のパソコンに搭載されているものと同じ規格、同じ仕様のメモリーを買えばよい。
ただし、カタログスペックのメモリーの項目にはメモリー規格が記載されているわけだが、その表記はかなりバラバラだ。「DDR」で始まる「DDR3L-1600」や「DDR4-2133」などの場合もあれば、「PC」で始まる「PC3L-12800S」の場合もある。さらには「1600MHz」「1866MHz」など周波数で記載されているケースもある。これらの表記はいずれも、メモリーの種類と速度を表している。
DDR3L、DDR4、LPDDRなどはメモリーチップの種類だ。内容を下の表にまとめた。現在の主流はDDR4だが、少し前まではDDR3Lだった。DDR3LとDDR3は別物なので気を付けよう。DDR3Lの「L」は、DDR3の低電圧版であることを示している。
DDR3LやDDR4の後に続く数字は、速度の目安である。メモリーのデータ転送レートをクロック周波数(MHz)として示している。数字が大きいほど速いが、自分のパソコンに搭載されているメモリーより速いものを選んでも、速く動作するわけではない。同じ周波数のものが手に入らずどうしてもという場合以外は同じ周波数のものを選んだ方がよい。
種類 | 概要 |
---|---|
DDR3 | DDR3Lの前に2009年くらいから使われていた |
DDR3L | DDR3の低電圧版。2012年頃からDDR3に代わり、2016年頃まで主流に |
DDR4 | DDR3を改良し高速低電力化したもの。現在のパソコンでは主流 |
LPDDR3 | スマートフォンや超薄型パソコンに使われている。基本的に基板直付け |
LPDDR4 | LPDDR3を改良し高速化したもの。基本的に基板直付け |
「DDR」と「PC」の違い
「PC3L」などで始まるのは、メモリーモジュールの規格である。「DDR3Lチップ」を搭載したモジュールが「PC3L」モジュールという関係だ。ハイフンの後に続く数字は速度を帯域(Mビット/秒)で表している。ただし、この用法が正確に守られているとは限らず、一般的に両者は実質同じ意味で使われている。同じ意味だということだけ分かっていればよいだろう。以下に対応表を示した。なお、モジュール規格の末尾「S」はSO-DIMMのことを指しているが、省略されて使われている場合もある。
ちなみに「DDR」の数字に8を掛けると、「PC」で始まる数字になる。メモリーモジュールのバス幅(1回で転送できるデータ量)は64ビット(=8バイト)であるため、1600(MHz)×8(バイト)=12800(Mビット/秒)になるわけだ。
メモリーチップの規格 | メモリーモジュールの規格 |
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DDR3-1066 | PC3-8500S |
DDR3-1333 | PC3-10600S |
DDR3-1600 | PC3-12800S |
DDR3L-1600 | PC3L-12800S |
DDR4-2133 | PC4-17000S |
DDR4-2400 | PC4-19200S |