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 春の入学・進級シーズンに向けて、携帯電話事業者各社が若年層向けの割引キャンペーンを展開することが恒例となっている。学生だけを対象としているわけではないが、「学割」と呼んで差し支えないだろう。これから子供にスマートフォンを持たせるとき、どの携帯電話会社の学割を利用するのが得なのか。各社の施策を比べてみた。

 2024年シーズンに各社が発表した学割は下記の4つだ。

  • ワイモバイル「ワイモバ親子割」 2023年11月15日~2024年5月31日
  • au「スマホスタート応援割」 2023年11月22日~終了日未定
  • ソフトバンク「ソフトバンクデビュー割」 2023年12月1日~終了日未定
  • UQモバイル「UQ親子応援割」 2023年12月1日~終了日未定

1年間割り引くau、割引は6カ月だが1万2000円のポイントが付くソフトバンク

 まずはauの「スマホスタート応援割」とソフトバンクの「ソフトバンクデビュー割」を比べてみよう。どちらも22歳までを対象とする。

 スマホスタート応援割は22歳以下の利用者が料金プラン「スマホスタートプラン 5G/4G」に加入した際に、月額料金を翌月から1年間にわたり1650円割り引く学割だ。年齢に関係なく適用される「スマホスタート1年割」や、au PAYカードで料金を支払った際の割引メニューを併用できる。

「スマホスタート応援割」は月額料金を1年間1650円割り引く
「スマホスタート応援割」は月額料金を1年間1650円割り引く
(出所:KDDI)
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  • ■au「スマホスタート応援割」
  • ・対象プラン名:スマホスタートプラン 5G/4G
  • ・データ量:20GB
  • ・基本料金(割引前):4103円
  • ・割引額:-1650円(加入翌月から1年間)
  • ●併用できる割引メニュー
  • ・au PAYカードお支払い割 :-187円
  • ・スマホスタート1年割:-1188円(加入翌月から1年間)

 これらの割引がフルに適用された場合、1年目は1078円(税込み、以下同)となる。2年目以降は3916円となる。また、「Amazon.co.jp」の学生向け優遇サービス「Prime Student」(月額300円または年額2950円)が1年無料になる特典も付与される。

 ソフトバンクデビュー割は、5~22歳の利用者が「スマホデビュープラン+」のベーシックに加入した際に、月額料金を6カ月間にわたり1650円割り引く。時期に関係なく適用される既存の割引である1年おトク割+を併用できる。各種の割引制度を適用した後の月額料金は、加入翌月から6カ月間(2~7カ月)が1078円。8~13カ月は2728円、14カ月目以降は3916円となる。

「ソフトバンクデビュー割」は利用者の月額料金を6カ月間割り引く。さらに、条件を満たせば家族割グループのメンバーにPayPayポイントを付与する
「ソフトバンクデビュー割」は利用者の月額料金を6カ月間割り引く。さらに、条件を満たせば家族割グループのメンバーにPayPayポイントを付与する
(出所:ソフトバンク)
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  • ■ソフトバンク「ソフトバンクデビュー割」
  • ・対象プラン名:スマホデビュープラン+ ベーシック
  • ・データ量:20GB
  • ・基本料金(割引前):3916円
  • ・割引額:-1650円(加入翌月から6カ月間)
  • ●併用できる割引メニュー
  • ・1年おトク割+:-1188円(加入翌月から1年間)

 さらに「ペイトク」「メリハリ無制限+」などの大容量のデータ通信が可能なプランに加入している家族(1回線のみ)に対し、1000円相当のPayPayポイントを最大12カ月付与する。これは約1万2000円の割引とも捉えられる。

 では、2社の割引額を比較しよう。auのスマホスタート応援割が1650円×12カ月=1万9800円であるのに対し、ソフトバンクデビュー割は1650円×6カ月=9900円と少なめだ。ただし、家族に付与される年額1万2000円相当のPayPayポイントも割引とみなせば、割引額は2万1900円となる。

 一方で、auのスマホスタート応援割にはPrime Studentの1年分が付く。これらを踏まえると2社の割引メリットはほぼ互角といえる。最大限の割引を受けられる1年間だけ利用し、その後は他のプランやキャリアへの乗り換えを検討する手も考えられる。