米マイクロソフトのWebブラウザー「Edge」で、一時的に「Internet Explorer(IE)」のMSHTMLエンジンを使って表示する機能。IE専用に作られた多くのWebサイトやWebアプリをEdgeでも利用できる。
米マイクロソフトのWebブラウザー「Edge」で、これまでWindowsの標準Webブラウザーとして使われてきた「Internet Explorer(IE)」向けに作られたWebサイトを正しく表示・利用するための機能。有効にすると、Edgeのレンダリングエンジンを、IEのMSHTMLエンジンに切り替えてWebサイトを読み込む。そのため、IE専用に作成されたWebサイトをEdgeで利用できる。
マイクロソフトは、2021年10月5日に提供予定の「Windows 11」でIEを無効にする方針だ。また、現在利用中のIEのサポートも2022年6月に終了する予定で、後継となるEdgeへの切り替えを呼びかけている。しかし、Webサイトの一部にIEでしか利用できないものがあり、Edgeへの切り替えが進まない理由の一つとなっている。
IEでしか利用できないWebサイトの多くは、WindowsのActiveXなどの機能を使っており、Webアプリなどのリッチコンテンツに対応する標準規格「HTML5」が普及する前に作られた企業向けシステムなどで目立つ。特に、ユーザー認証部分にActiveXを利用している場合は、IE以外のWebブラウザーではサービスへのログインすらできないこともあり、企業ユーザーのEdgeへの移行を妨げる大きな原因となっている。
しかし、Edgeの「IEモード」を利用すれば、そうしたIE専用サイトを閲覧できる。Webサイトに合わせてIEとEdgeを使い分ける必要がなくなり、IEからEdgeへ標準Webブラウザーの切り替えも進むだろう。またIEのサポート終了後も、IE専用に作られたWebサイトをEdgeから利用し続けられる。なお、IEモードに対応するのはWindows版のEdgeだけで、macOSやAndroid向けのEdgeは非対応だ。