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Linuxサーバーを構築することで、Linuxサーバーに保存してある文書や動画、音楽などのファイルを、家の中のさまざまな機器と共有できるようになります。ここでは、文書ファイルなどを共有する「Samba」、動画や音楽を共有する「DLNA」、音楽を共有する「DAAP」の三つのLinuxサーバーを構築します。SambaとDLNAはコマンドを一切使わないで構築できます。

 自宅のネットワークにつながったPCやスマホ、テレビなどとファイルを共有できると、それぞれの機器で同じファイルを編集したり再生したりすることができます。また、ストレージ容量の少ないスマホのような機器では、大量のファイルでストレージの容量不足になってしまうことを防げます。

 ここでは、共有するファイルの種類や用途に応じて使い分けられる、3パターンのLinuxサーバーを紹介します。一つめは、Windows PCのファイル共有サービスに対応したLinuxサーバーです。あらゆる形式のファイルを共有できます。二つめは、動画や音楽、画像といったマルチメディアのファイルを共有できるサーバーで、「動画配信サーバー」とも呼ばれています。三つめは音楽ファイルに特化したサーバーで、プレイリストの共有も可能です。

 サーバー構築と聞くと煩雑な作業をイメージするかもしれませんが、ここで紹介するサーバーのうち一つめと二つめは、コマンドを一切使いません。Ubuntuが標準で備えているGUIのツールだけで簡単に構築できます。三つめのLinuxサーバーはコマンドを使いますが、さほど難しい作業ではありません。気楽に挑戦してください。