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 Kali Linuxのインストールは完了したら、今度はキャプチャーに使う無線LANアダプターが正しく動作するかをチェックしよう。Kali Linuxのカーネルに含まれるデバイスドライバー(インカーネルドライバー)が、モニターモードに対応する無線LANアダプターを認識するかどうかを確認するのだ。

 USBドライブで起動した場合や、パソコンのOSに組み込んでいれば問題なく認識するはずだ。一方、仮想マシンで動かしたときは認識しない場面がある。

インカーネルドライバーでも設定が必要な場合もある
インカーネルドライバーでも設定が必要な場合もある
カーネルに含まれるドライバー(インカーネルドライバー)であれば自動で認識されるはずである。しかし仮想マシン環境では、USBの設定変更が必要な場合がある。
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 これは仮想マシンのUSBの設定が異なっているからだと考えられる。例えば米NETGEAR(ネットギア)の「Nighthawk A8000」のインターフェースはバージョンがUSB 3.0になっている。一方仮想マシン側の設定が「USB 2.1」になっていたため認識できなかった。設定を「USB 3.1」変更したら認識できた。

 無線LANアダプターのデバイスドライバーがインカーネルドライバーに含まれない場合は、別途デバイスドライバーを組み込む必要がある。例えば中国TP-Link(ティーピーリンク)の「Archer T2U Nano」の無線LANチップは米Realtek(リアルテック)の「RTL8821au」なので、利用者がソースコードからビルドして組み込むことになる。

ドライバーを組み込む
ドライバーを組み込む
TP-Linkの「Archer T2U Nano」のチップセットはRealtek RTL8821auで、ドライバーはカーネルに含まれていない。このためユーザーがビルドして組み込む必要がある。詳細な手順はドライバーの公開ページ(https://github.com/morrownr/8812au-20210629)に記されている。
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 ただ最近ではRealtekの無線LANチップも多くがインカーネルドライバーになっており、実際にビルドが必要になることはほとんどないだろう。Archer T2U Nanoは2019年2月販売開始と少々古いものである。