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Windowsユーザーだと、Linuxが気になっているものの触ったことがない人は多いだろう。この特集では、LinuxとはどんなOSなのかを説明し、端末アプリを使ったCUIコマンドの基本的な実行方法を説明する。今こそLinuxを始めよう。

 最近のLinuxではGUIの操作も可能ですが、詳細な設定や開発を行うにはCUIコマンドを欠かすことはできません。今回は「端末」アプリを使用した、Linuxのコマンドの実行方法について説明していきましょう。

スーパーユーザと一般ユーザについて

 CUIコマンドの説明の前に、Linuxにおけるユーザの分類について説明しておきましょう。WindowsやmacOSと同じように、Linuxには複数のユーザを登録しておくことができます。ユーザの中で、システムに関するあらゆる権限が与えられたユーザを「スーパーユーザ」と呼びます。スーパーユーザはそのマシン内では神に等しい存在で、ありとあらゆる操作が可能です。また、スーパーユーザのユーザ名は歴史的な経緯から「root」と決められていて、変更することはできません。

 スーパーユーザ以外のユーザは「一般ユーザ」に分類され、基本的に操作できるのは、そのユーザに割り当てられた「ホームディレクトリ」と呼ばれるディレクトリ以下だけです。

図 Linuxのユーザ
図 Linuxのユーザ
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Note

ディレクトリとフォルダは、いずれもファイルをまとめて管理する仕組みです。CUI環境ではディレクトリ、GUI環境ではフォルダと呼ばれることが多いでしょう。

端末エミュレータ

 初期のUNIXマシンは高価だったこともあり、1台のコンピュータに複数台の端末を接続して、数人で共有するといった使い方が主流でした。当時の端末は、文字のみが表示可能な、いわゆる「キャラクタ端末」と呼ばれるものでした。端末では、キーボードからコマンドをタイプすることで、その応答がテキストで表示されます。デスクトップ環境を使用してマウスで操作可能なGUI(Graphical User Interface)に対して、CUI(Character User Interface)と呼ばれます。

図 初期のUNIXマシンの利用形態
図 初期のUNIXマシンの利用形態
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 物理的なキャラクタ端末をGUI環境のウィンドウ上で再現したソフトウエアを、「端末エミュレータ」(ターミナルエミュレータもしくは単にターミナル)などと呼びます。複数の端末エミュレータを立ち上げることで、初期のUNIXマシンのような動作を再現することができます。