米Microsoftは2009年3月11日(米国時間),新たに開始するモバイル・アプリケーション販売サービス「Windows Marketplace for Mobile」の詳細を発表した。同サービスの計画自体は,すでに2月の時点で次期モバイル機器用OS「Windows Mobile 6.5」や同OS搭載デバイス向けのデータ同期サービス「My Phone」とともに公表していた(関連記事:Microsoft,モバイル・アプリ・ストア「Windows Marketplace for Mobile」の詳細発表Microsoft,新モバイルOS「Windows Mobile 6.5」やデータ同期サービスを発表)。

 大成功を収めたApp Storeに対抗しようとしているのは,Microsoftだけでない。携帯電話機向けソフトウエア基盤「Android」を手がける米Googleと,スマートフォン「BlackBerry」のメーカーであるカナダResearch in Motion(RIM)も,それぞれの対応デバイス向けアプリケーション販売サイトを開始/発表している。フィンランドNokiaも先日,人気の同社製デバイス向けにオンライン・ストア「Ovi Store」の計画を発表した(関連記事:Android向けアプリ配布サービスで有料アプリの取り扱いを開始RIM,BlackBerry用アプリのオンライン・ストアを開設,売り上げの8割を開発者へNokia,モバイル・アプリのオンライン・ストア「Ovi Store」を5月開設へ)。

 Microsoft上級副社長のAndy Lees氏は「当社は数十年にわたる開発者との関係をいかし,IT業界に前代未聞の素晴らしい革新をもたらしてきた。幅広いユーザーへのアピールが可能なWindows Marketplace for Mobileサービスでも,開発者との良好な関係を維持していく。この新サービスと当社の優れた開発ツールを組み合わせることで,Windows Mobileデバイスはあらゆる開発者に計り知れないほど大きな機会をもたらす」と述べた。

 Windows Marketplace for Mobileの利用条件は,米Appleがスマートフォン「iPhone」向けに運営している「App Store」とほぼ変わらない(関連記事:アップルがiPhone向けアプリ配布サイト「App Store」をオープン,500タイトル以上を用意)。開発者はアプリケーション売上高の70%を報酬として受け取り,販売対象地域ごとに自分で価格を設定できる(アプリケーションの無料配布も可能だ)。年額99ドルの料金で登録できるアプリケーションは5本。学生は登録料を免除される。

 Windows Mobileデバイス用アプリケーションの開発には,おなじみのツール「Visual Studio」とプログラミング言語C#やVisual Basicを使う。「Windows Mobile 6 SDK」や「.NET Compact Framework 3.5」などのツールも必要だ。

 Microsoftは,現在2万本以上のWindows Mobile用アプリケーションが存在し,2008年におけるWindows Mobileデバイスの販売台数は2000万台以上としている。次版のWindows Mobile 6.5はマイナー・アップデート版で,搭載デバイスは2009年後半に登場するだろう。