米Microsoftは7月17日(米国時間),Windows Vistaの「Beta 2」を5月にリリースしてから数えて2度目の新規ビルドを公開した。このビルドは「5472」で,ベータ・プログラムの参加者,Technology Adoption Program(TAP)顧客の一部,MSDNの購読者だけが入手できる。新ビルドでは,管理者権限が必要なプログラムなどを起動した際に警告を表示するUser Account Protection(UAP)の仕様が大きく変更されている。

 Microsoftの広報担当者は「Microsoftは,テスターに最新のビルドを提供すると同時に,Windows Vista用のアプリケーションやデバイス・ドライバの開発者を励ますために,このビルドをリリースしました。このビルドには,Beta 2リリース以降にMicrosoftに届いたフィードバックに基づく改善が加えられています」と語っている。

 筆者がこのビルド5472を少し使ってみたところ,変更点があることに気づいた。User Account Protection(UAP)の警告がタスク・バーに表示されるようになり,そこでユーザーの応答を待つようになったのだ。従来のビルドでは,UAPの警告はポップアップでスクリーンの中心に表示され,ユーザーはそのポップアップに迅速に対処するよう迫られていた。ビルド5472にはまた,新しい「Windows Vista Basic UI(ユーザー・インターフェース)」が追加されている。Basic UIとは,Windows Vistaの新しいリッチなUIである「Aero UI」の要求仕様に達しないグラフィックス・ハードウエアしか搭載しないコンピュータ向けのUIである。このほか,Aeroの新しいマウス・カーソルが標準で有効になった。

 Microsoftの広報担当者は「新しいビルドには,製品を微調整するような,小さなアップデートしか含まれていません。また,これ以上主要な機能が追加されることはありません」と述べている。このビルドは,Customer Preview Program(CPP)の参加者には提供されない。すべての人が入手できる評価版は,将来リリースされる「Release Candidate 1(RC1)」になるだろう。