米Microsoftは10月27日(米国時間),「Microsoft Office」用の海賊版チェック・ツール「Office Genuine Advantage(OGA)」の“スイッチ”を切り替え,ほぼ全ユーザーを検査対象にし始めた。これからはMicrosoftのWebサイトでOffice用アドオンをダウンロードしようとする際に,Windows向け海賊版対策ツール「Windows Genuine Advantage(WGA)」と同様のソフトウエア正当性テストに合格しなければならなくなった。今までOGAは,使うかどうかをほとんどの地域でユーザーに任せていた。

 OGAの技術はWGAがベースになっている。WGAはときおり正規版Windowsを海賊版であると報告し,物議を醸している。Windows VistaでWGAは強化され,さらに問題を抱えることになる。一方のOGAは,MicrosoftがWindows XP用に作ったWGAの旧版から開発した

 OGAは,「Office 2003」または「Office XP」のユーザーがMicrosoftのWebサイトにアクセスし,テンプレートなどの無料アップデートをダウンロードしようとすると動き出す。Microsoftは2007年1月に,緊急でないソフトウエア・アップデートのダウンロードもOGAの起動対象に含める。WGAの場合と同様,緊急のソフトウエア・アップデートはOGAのチェックを受けなくても入手できる。

 OGAには,興味深いメリットが1つある。OGAは,WGAが海賊版Windowsユーザーに行うとの同じく,それと知らずに海賊版Officeを使っているユーザーに正規版Officeの購入情報を提供する。ただし海賊版Officeのユーザーは,特定の条件で正規版Officeを無料で受け取れる。Microsoftはこの制度を「Genuine Office Complimentary Offer」と呼び,「精巧な偽造Officeを使っていて,販売業者にだまされた可能性のあるユーザーだけを対象とする」と述べる。この制度を利用するには,偽造報告書に記入したうえで,購入を証明できるものの提供と偽造CDの送付を行う必要があるという。

 こうした情報などをMicrosoftに提供できないユーザーは,正規版Officeをオンラインで購入できる。この場合の価格は139~359ドルで,Officeのバージョンによって異なる。