最近、「Windows Live for Mobile」が手放せない。これは、マイクロソフトのオンラインサービス「Windows Live」を、毎日持ち歩く携帯電話から使えるようにしたサービス。Windows Liveが提供する電子メール機能とインスタントメッセンジャー機能を手のひらで使えるのだ。

 終日出かけている場合でも、外出先から自分あてに届いたインターネットメールを手軽にチェックできるのはありがたい。移動の途中、暇つぶしに知人とチャットするのもなかなか楽しい。とにかく重宝している。

 「パソコンで読み書きするインターネットメールを携帯電話でもチェックするなんて、特段珍しくないじゃないか」。こんな意見もあるだろう。確かに、インターネットメールを携帯メールあてに転送したり、携帯版のWebメールサービスを使えば同じようなことはできる。

 肝心なのは、使い勝手が“快適”だという点。Windows Live for Mobileでは、専用ソフト(NTTドコモならiアプリ、KDDIならEZアプリ)を携帯電話でダウンロードし、これを用いる。専用ソフトだから、さくさく動く。操作感は、iモードメールなど携帯電話会社が提供する携帯メールサービスと大差ないレベル。転送したメールで携帯電話のメモリーがあふれる心配もなければ、Webページの画面表示が遅くていらつくこともない。

 リアルタイム性を要求されるインスタントメッセンジャー機能も、十分実用に耐える。携帯電話ではオフラインになる機会が多いが、メッセージを受信した際にメールで知らせてくれるのは、ありがたい気配りだ。

 インスタントメッセンジャー機能を携帯電話で使えるようにしたものとして、ソフトバンクモバイルが自社の一部の携帯に搭載した「Yahoo! mocoa」もある。確かにYahoo!メールやYahoo!メッセンジャーが携帯電話でも使えるのだが、試した範囲では、Windows Live for Mobileほど快適だとは思えなかった。「使える」と「快適に使える」では、雲泥の差がある。

 ケータイとインターネットの融合というと、とかくモバイル好きな人々は、Windows Mobileを搭載したウィルコム「W-ZERO3」やソフトバンクモバイル「X01HT」を取り上げて、バラ色の未来を語りたがる。しかし、いつも持ち歩く小さくて軽い携帯電話の小さな画面で、必要な機能だけ快適にインターネット上のサービスを使えればそれでいいというユーザーも多いはずだ。

 大きい端末にパソコンと同じ機能をフル装備するなんてナンセンスではないか。Windows Live for Mobileは、本来の携帯電話の身の丈にちょうど合ったサービスではないだろうか。米国ではグーグルが、つい最近、電子メールサービス「Gmail」を読み書きするための携帯電話向けソフトを提供を開始したばかり。こっちの未来の方が、私は何倍も楽しみである。