記録型DVDドライブに、外部からの入力インターフェースは3つしかない。1つはメディアの挿入口、1つは前面パネルにあるイジェクトボタン、そして最後の1つはドライブ背面にあるIDEインターフェースだ。PCとはIDEインターフェースを通じてデータを送受信する。

 記録ソフトなどPC上で動くアプリケーションは、メディア上のある位置からデータを読み出す場合には「読み出し(READ)」コマンドを、ある位置にデータを書き込む場合には「記録(WRITE)」コマンドを発行して、ドライブに作業をさせる。ここで言う「コマンド」とは、ドライブに特定の動作をさせる命令信号のことだ。

 アプリケーションがドライブに対して指示するコマンドをATAPI (ATA Packet Interface)コマンドと呼ぶ。今回は、ドライブとアプリケーションを結ぶ共通の言葉、ATAPIコマンドについて解説する。

 ATAPIは、IDEインターフェースにつないだ光学ドライブなどの機器をコントロールするために作られたインターフェース規格で、ハードディスクで使われているATA(AT Attachment)規格を拡張したものだ。

記録データは小分けに
命令はソフトが発行

 図1はPC上の記録ソフト(アプリケーション)が記録型DVDドライブに送る記録データを示したもの。データを記録するには、記録(WRITE)コマンドを使う。

 一続きのデータを記録する場合、1つの記録コマンドで丸ごと記録するわけではない。記録ソフトは、必ず2K~64KBの細かいデータに記録データを分割し、「記録コマンド」という単位にしてドライブに送る。大きな記録データを一度に送信すると、記録コマンドが終わるまで、IDEケーブルで接続しているほかの機器にコマンドを送れなくなってしまうためだ。