みなさん、モバイルしていますか? モバイルと言えばスマートフォンですよね! スマートフォンという言葉も段々と市民権を得てきたようで嬉しく感じています。

 さて、そのスマートフォンのソフトバンクモバイルの新機種を先日紹介しましたが、2007年6月7日に、ウィルコムよりW-ZER03シリーズの後継機種である「Advanced/W-ZERO3[es]」(WS011SH)がついに発表になりました! これまた非常に期待の機種です。

写真1 スライド式キーボードを搭載しているが、きょう体はコンパクト。シャープらしい液晶(3型横長VGA)で視認性は抜群

写真2 従来のW-ZERO3[es](右)と比較してスリムで薄い。“携帯電話”として使いやすくなった。ジョグ機能内蔵カーソルキー「Xcrawl」(赤枠部)が印象的

写真3 付属のスタイラスペンでタッチオペレーションができる

 W-ZERO3シリーズになぜ期待をかけているのかを説明させていただきましょう!

  W-ZERO3シリーズを出しているウィルコムは、ご存知の通りPHS事業者です。早くから通信&通話料金を定額にするプランでユーザーをどんどん増やしています。

 W-ZERO3シリーズが登場するまでのウィルコムの超人気の端末に「京ぽん」(京セラのウィルコム向けPHS端末の愛称)があります。Operaブラウザーをいち早く搭載し、パソコン向けのホームページを閲覧することも可能な端末です。今で言うところの「フルブラウザー機能」の先駆けです。定額プランとセットで使えば、パソコン用ホームページを見ても、メールをどんなにやり取りしても、何時間通話をしても使いたい放題という夢のような端末でした。アクティブなモバイルユーザーにとって必需品だったのです。

 ウィルコムは次いでWindows MobileをOSに搭載するスマートフォン市場に進出。2005年12月14日に「W-ZERO3」を発売しました。それは、京ぽんでモバイルユーザーの心を鷲づかみにしたウィルコムらしい仕様だと言えるスマートフォンでした。コラムの第2回でも説明しましたが、W-ZERO3はスマートフォンにとって重要だと私が考えている「自分の好きなアプリケーションを入れてカスタマイズが自由であること」を備えた端末でした。定額プランはもちろん使えるので利用時間は「自由」です。また、携帯メールなど携帯電話としての機能を十分に備えている上に、Windows MobileをOSに使っていることからパソコン用のOffice系データの扱いも容易です(携帯ユーザーにはピンとこないかもしれませんが、携帯メールなどの携帯電話の機能をスマートフォンでも当たり前に使えるとは言いがたいのが現状なのです)。携帯電話とパソコンの長所を備えた新しいデバイスとしてW-ZERO3は登場したのです。

 余談ですが、「W-SIM」という新しいシステムにより、端末開発スピードを画期的に早くするという裏技を開発したのです。W-SIMは、携帯電話のSIMとは異なり、電話番号情報だけでなくアンテナも内蔵することで電話機能の全てを集約します。このW-SIMにより、端末を開発するメーカーの電話機能部分の開発負担が軽減され、短期間での端末開発を実現しました。また、携帯電話を開発したことのないメーカーに参入チャンスを与えたのです。

 PDA市場の衰退を体験したメディアやPDAユーザーは、当初W-ZERO3に懐疑的でした。携帯電話と比べると比較的大きいこと、ストレード型キーボードなどを好む従来のPDAユーザーに不評だったスライド式キーボードを採用したことなど、あらゆる側面から粗探しをし、W-ZERO3が失敗することを期待していたと思います。しかしながら、W-ZERO3は予想に反して大成功しました。その一番の要因は、スマートフォンに機能的な制限をかけずに自由にカスタマイズできるようにし、データ定額通信カードで実績のあるウィルコムが通信機能内蔵のモバイル端末を出すことにより、思いっきりモバイルを利用できる環境を提供したことにあると思います。それにユーザーは非常に魅力を感じたのだと思います。

 そのウィルコムから、ついにWindows Mobile 6を搭載したスマートフォンであるAdvanced/W-ZERO3[es]が発表されたわけです。期待しない訳にはいきません。京ぽんやW-ZERO3などの端末や定額制サービスなど、モバイルユーザーにとって使い勝手の良い製品やサービスを提供しているウィルコムが出す端末だからこそ、大きな意味のあることなのです。しかも、Advanced/W-ZERO3[es]はW-ZERO3[es]から随分進化しており、ウィルコムが出した端末だという点を差し引いたとしても魅力的な端末です。WVGA(800×480ドット)液晶、きょう体の小型化、軽量化、メモリー倍増、無線LANと赤外線の搭載、ジョグ機能内蔵カーソルキー「Xcrawl」の搭載、アプリケーションの追加、オンラインサービスの提供、などなどの機能を強化しています。

 私は、2005年にW-ZERO3が発売されたときは期待感と不安感で一杯でした。夢のような端末である半面、ほかのユーザーが端末の魅力を理解できるかどうか不安だったのです。しかし、今回のAdvanced/W-ZERO3[es]に関しては全く心配をしていません。必ず売れるはず、いや、売れなければいけません。通話・通信が定額で利用料金もリーズナブル、PHSとして当然使えるべき携帯メールを利用可能、アプリケーションの追加によるカスタマイズが自由自在。W-ZERO3[es]から大幅に機能強化し、小型化も施しています。新サービスも登場します。これだけの環境を用意したウィルコムの新端末です。あとはユーザーがいかに活用するかだけなのです。

 当然のごとくAdvanced/W-ZERO3[es]をこのコラムでは応援していきます。実機入手後は活用方法もご紹介していく予定です(って、すっかり買う気になっています)。こんな私に免じて、皆さんもAdvanced/W-ZERO3[es]のユーザーになりませんか? 一緒に活用しませんか? Advanced/W-ZERO3[es]は日本のモバイルの未来を背負う端末なんです。一緒に夢を見ましょう!