みなさん、モバイルしていますか? HTCのSIMフリー端末も発売になり、ソフトバンクモバイルの「X01T」の発売もウワサされ、スマートフォン市場も活気が出てきます。

 新機種が出るのは結構なことなのですが、従来のWindows Mobileユーザー、特に、旧OSであるWindows Mobile 5を使っているユーザーにとっては、現在使っている機種を使い続けるべきか、それとも、買い換えるべきか、悩むところだったりします。

 海外製のPDAやスマートフォンの中には、OSのアップグレードサービスを行っている端末もあります。しかし、日本のWindows Mobileスマートフォンでは、残念ながら、OSアップグレードサービスが発表されていません。

 しかし、その中でも、イー・モバイルのWindows Mobile端末「EM・ONE」のアップグレードサービスが実施されています。通話ができない端末なため、厳密に言うとスマートフォンではありませんが、Windows Mobile 6へのアップグレードを発表している端末としては日本国内で唯一になります。アップグレードを提供するのは、ユーザーに買い替え以外の広い選択肢を与えることになりますので、歓迎すべきサービスだと感じられます。

 早速、Windows Mobile 6へのアップグレードを実施しましたので、レポートします。

図1 アップグレードによりアプリケーションが追加、修正された

図2 IP電話ソフトの「JAJAH Phone」。Today上の「JAJAH Phone」アイコンをタップすることで、インストールが開始される。通話機能のない「EM・ONE」で普通に通話ができる。ただし着信機能はない

図3 遠隔地のパソコンを操作するリモートコントロールソフト「リモートデスクトップ」。パソコンの画面が、EM・ONEのWVGA液晶に表示されるのは不思議な感覚だ。EM・ONEが、Windowsパソコンになったかのような錯覚をしてしまう

図4 バックアップソフト「Sprite Backup」。ダウンロードで提供していたが、内蔵された

図5 Advanced/W-ZERO3[es]にも搭載されている「名刺リーダ」。認識率はなかなか良い

 その他にも、修正されたアプリケーションがあります。ワンセグアプリケーション「StationMobile」(地域ごとのチャンネルがプリセットになった)、Office Mobile(Word、ExcelがOffice 2007フォーマット対応になった)、メールアプリケーション「SHメール」、「Windows Live for Windows Mobile」実装など、多岐に渡っています。

 アプリケーションの追加や修正以外にも、端末の操作スピードが、ちょっと上がったような感覚があります。これは、先般開催された展示会(CEATEC)でシャープの方にお聞きしたところ、スピードの変化はない、というお話だったのですが、私としては、少し快適になったような気がします。また、従来使っていたアプリケーションの互換性もほぼ問題なく、Windows Mobile 6にアップグレートしても利用できています。PIMデータにしても、ActiveSync経由で、パソコンのOutlookにバックアップをとったり、それを戻せました。

 有料アップグレードサービスのため、すべてのユーザーにお薦めできるものではありませんが、アプリケーションの追加や修正、新しいOSの機能、端末の安定性を考えると、アップグレードは、なかなか良いものだなあ、と感じました。他の端末でも、是非、実施していただきたいサービスです。OSのアップグレードができることも、スマートフォンの魅力の一つだと思いますので。

<アップグレードについて>
費用:9980円
方法:カスタマーセンターに電話
期間:2週間程度
内容:Windows Mobile 6 Classic日本語版へのアップグレード(EM・ONE αと同等になる)
リリースURL:http://www.emobile.jp/cgi-bin/press.cgi?id=494