AHCIモードでは、Serial ATAのHDDが備えている本来のパフォーマンスや機能(NCQやホットプラグなど)を発揮できる。設定手順を確認しよう。

 Serial ATAのHDDは、AHCI(Advanced Host Controller Interface)モードで動作させることにより、NCQ(Native Command Queuing)などのSerial ATAならではの機能が使えるようになる。NCQとは、HDDコントローラーが一度に複数のコマンドを受け付け、最も効率の良い順番に並べ替えてから実行する技術。ヘッドの移動やディスクの回転待ち時間が最小になるため、ランダムアクセスの性能が向上する(図1)。ベンチマークテスト「PCMark05」(Futuremark)の結果では、IDE(Ultra ATA)互換モードに比べ10%程度の向上が見られた。Windows XPの起動時間は7秒ほど短縮した。

図1 NCQが有効になることで、データを効率良く読み出せる(上図)。「PCMark05」(Futuremark)の「HDD Test Suite」を実行したところ、約11%スコアが向上し、Windows XPの起動時間は7秒ほど速くなった。
図1 NCQが有効になることで、データを効率良く読み出せる(上図)。「PCMark05」(Futuremark)の「HDD Test Suite」を実行したところ、約11%スコアが向上し、Windows XPの起動時間は7秒ほど速くなった。
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 HDDをAHCIモードで使えるかどうかは、マザーボードが搭載しているチップセットで決まる。サウスブリッジのチップセットが、図2に挙げたものなら、正しく設定することで有効になる。初期状態ではほとんどの場合が無効。設定方法は、チップセットのメーカーによって大きく異なるので、メーカーごとに手順を確認しよう。

図2 AHCIに対応しているかはサウスブリッジの種類でほぼ決まる。IntelはRAID対応のチップセットでAHCIに設定できる。NVIDIAはIntelプラットフォーム、AMDプラットフォームともに現行製品でほぼ対応している。
図2 AHCIに対応しているかはサウスブリッジの種類でほぼ決まる。IntelはRAID対応のチップセットでAHCIに設定できる。NVIDIAはIntelプラットフォーム、AMDプラットフォームともに現行製品でほぼ対応している。
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