シャープは2009年8月27日、小型軽量な携帯情報端末「PC-Z1」(愛称はNetWalker)を発表した。A6判に近い大きさで、重さは約409g。英ARMが設計し米フリースケール・セミコンダクタが開発したCPUを搭載する。OSはLinuxベースのUbuntu。特徴は約3秒で起動でき、約10時間の連続バッテリー駆動が可能なこと。Webブラウザーやオフィスソフトもあらかじめ組み込む。色は白、黒、赤の3色展開。価格はオープン(実勢約4万5000円)。白と黒は9月25日、赤は10月下旬に発売する。

 同社はPC-Z1を、携帯電話機とセットで使ってもらう新しいコンセプトの製品と位置付けている。「“ケータイ・プラス・ワン”で持ち歩けるのがポイント。スマートフォンを2台目の携帯電話機として買う需要だけでなく、ネットブックや電子辞書を新規購入するユーザーの代替需要も見込める」(松本雅史代表取締役副社長執行役員)。

 液晶ディスプレイはタッチパネル式の5型で、キーピッチが14mmのキーボードを備える。メモリーは512MB、データ保存用として4GBのフラッシュメモリーを搭載する。IEEE802.11b/gの無線LANにも対応する。主なインタフェースは、USB端子、miniUSB端子、microSDメモリーカードスロット。

 プリインストールされるアプリケーションは、Webブラウザー(Firefox)、メールソフト(Thunderbird)、オフィスソフト(OpenOffice.org)など。Ubuntu向けに開発されたフリーソフトも追加インストール可能だ。将来的には、語学や専門分野向けの各種辞書や、文庫、漫画などを電子データとして提供したい考え。SDメモリーカードに収録するか、インターネット経由でのダウンロード提供を検討している。

 現在、各周辺機器メーカーとUSB対応製品に関して相互接続性を検証中。「通信アダプターについては、イー・モバイルやNTTドコモなど携帯電話会社が発売するUSBタイプのHSDPA対応機器は、大多数対応させられる見込み」(同社)という。無線LANが使えない外出先でも、モバイルブロードバンドを経由してWebを閲覧するなどできる。