歌手 増田恵子(ますだけいこ)さん 53
一病息災
[歌手 増田恵子さん]バセドー病(3)ツアー中、甲状腺腫れ上がる
バセドー病と診断がつき、薬による治療が始まった。
バセドー病は体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、常に走っている時と同じぐらいのエネルギーを使っている状態になる病気だ。重症になると心臓に負担がかかり、心不全を起こすこともある。
甲状腺ホルモンの分泌を抑える「抗甲状腺剤」を飲み始めた。1か月もたたずに体が楽になり、手の震えも治まった。薬を1年近く飲み、ホルモンの数値も安定したため服用をやめた。だが数か月で再発した。
飲んだり、やめたりを繰り返しながら病気と付き合っていた2003年、ピンク・レディーを再結成し、全国100か所を回る公演が始まった。
2時間15分間を歌って踊るステージが1日2回。疲れが積み重なったせいか、公演ツアーの途中、甲状腺が大きく腫れた。
「卵2個をのみ込んだぐらいの大きさで、とうとうファンにも気付かれて。でもありのままの自分でいたいから、服などで首を隠すことはしませんでした」
コンサートやテレビで人前に出る度に「大丈夫なの?」と心配される。「あんなに腫れていて気持ち悪い」「見る人の気持ちも考えたらいいのに」という批判の声も届くようになった。
「自分でも首が気になるようになって、どんどん落ち込んでいきました」
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