英国のEU離脱と中国の思惑 日本人が見落としがちな視点 (1/2ページ)

2016.07.13

昨年10月に渡英し、エリザベス女王(右)と杯を交わす習氏。英国のEU離脱の両国関係への影響は(AP)
昨年10月に渡英し、エリザベス女王(右)と杯を交わす習氏。英国のEU離脱の両国関係への影響は(AP)【拡大】

 英国のEU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票の結果、離脱派が勝利したことは世界のマーケットに激震をもたらした。「ブレグジット」と呼ばれる英国の選択が欧州各国に飛び火すれば大きな混乱は避けられないだけに、当然の反応かもしれない。今後の注目は、安全保障を含めた国際関係がどう変化するかであろう。

 そんななか、「ブレグジット」の中国への影響が各所で騒がれるようになってきている。

 いわく「英国を取り込んでいた中国の思惑は失敗し、中国は慌てている」「EU瓦解の裏側で中露が接近し、米国とNATO(北大西洋条約機構)を脅かし始めている」−。

 いずれももっともらしく聞こえるが、どうしても違和感が拭えない。

 その理由は、日本人が国際関係を分析するときに必ずといってよいほど見落としてしまう視点がここにもみられるからだ。

 それは利害の計算だ。

 逆に日本人は価値観による対立軸を重視するあまり、「米欧VS中露」という対立構造を検証もなく受け入れてしまうのだ。もちろんこの視点も間違いではない。

 ただし、全ての事象をまるで紅白歌合戦のような単純な対立構造に落とし込もうとするあまり、複雑な変化に対応できなくなってしまうのである。

 例えば、過激組織「イスラム国(IS)」への空爆を始めてから、EUの主要国とロシアが急速に距離を縮めたことを思い出してほしい。

 さらに、南シナ海をめぐって対立していたベトナムが中国に急接近をしている。国際情勢の変化はかくも急激なものだ。

 

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