Google ディスプレイ ネットワークのターゲティング [後編]~成果を上げる運用のポイント

2017年6月2日

前回は Google ディスプレイ ネットワーク(GDN)の基本的な 2 つのターゲティング機能について解説しました。オーディエンス ターゲティング、コンテンツ ターゲティングによって広告を表示させるターゲットを決めた上で、どのように運用すると広告の成果が上がるのでしょうか。今回は GDN のターゲティング機能の活かし方についてご説明します。

Google ディスプレイ ネットワークでユーザーニーズに合ったメッセージ作りを

GDN は様々なセグメントを作ってターゲティングすることができますが、重要なのは各セグメントに合わせて最適なメッセージを届けることです。たとえば、同じ調味料でも 20 代の独身男性と子供を持つ主婦では響くメッセージは異なるはずです。

実際に、セグメント毎に訴求メッセージを変えて成功した事例として、日本全国に小売チェーンを展開する西友の事例があります。西友はまず特定の商圏内に地域ターゲティングを行った上で、ユーザーを性別・年代別にセグメントし、表示させる広告バナーを出し分けました。さらに、クリック率の高い広告を自動選定できる機能(広告ローテーション)を活用することで、ユーザーニーズに適した広告配信を実現し、高い成果を得ました。

「広告メッセージとユーザーの関連性を高めることで、ユーザーが広告メッセージを自分ゴト化しやすくなり、効果の向上に結び付きます」とプログラマティック プロダクト スペシャリスト 岩田は話します。ターゲティングと広告メッセージを連動させることが重要で、ターゲティング毎に広告メッセージを最適化する必要があると考えられます。

さまざまな「自動化」が進む Google ディスプレイ ネットワーク

ターゲットに合わせて広告メッセージを最適化していくことは重要ですが、その作業はターゲティングが複雑になるにつれて煩雑になっていきます。そのため、Google は運用のさまざまな局面で「自動化」を可能にする機能を推進しています。たとえば、「動的リマーケティング」という機能があります。これは自社サイトに訪問したユーザーに広告を表示する「リマーケティング」をさらに一歩進めた機能です。

自社サイトで特定の情報を見たユーザーに対して、その人が関心を持った情報と同じカテゴリの広告を自動的に生成して配信できます。例えばアパレルの EC サイトなら、 あるT シャツのページに訪問したユーザーに対して、閲覧した T シャツだけでなく、そのサイトで販売している他の T シャツも広告するといったことが可能です。フィードと呼ばれる商品情報と画像のリストを準備しておけば、ユーザーの興味関心に対して最適なバナークリエイティブを自動的に生成できる機能で、この動的リマーケティング機能を活用した成功事例はさまざまな業種で増えてきています。

GDNの動的リマーケティングの仕組み

コンバージョンしそうなユーザーセグメントを自動で特定し、ターゲットする機能や、目標設定に応じた入札金額の自動調整も進んでいます。これまで運用担当者が工数を割いて最適化してきた多くの作業が自動化されることによって、よりプロモーション戦略や改善などに注力することができるようになります。また、これから運用を始める、もしくは始めたばかりの運用担当者にとっては、自動化機能を使って経験・知見に頼らず効率的に運用できるため、GDN の導入ハードルは以前に比べて低くなっていると言えるでしょう。

ターゲティング機能の活用でありがちな誤りとは

GDNのターゲティングでありがちな誤りとは

「ターゲティングの活用で残念な例もよくうかがいます」と岩田は指摘します。「いくつものターゲティング機能を掛け合わせすぎてリーチを狭めすぎてしまうことがあります。これは GDN を利用する上で得策ではありません」

GDN の自動化には分析・学習できるだけの十分なデータ量が必要です。機械学習では蓄積されたデータを分析し、もっともコンバージョン効率が高いのはどの年代か、PC とモバイルではどちらがクリックされているかなど複雑なパターンを学習して自動化を行います。初めからターゲットを絞りすぎず、できるだけ幅広くリーチした上で、自動化機能を活用して最適化することがコンバージョン最大化の秘訣です。

「ターゲットユーザーに広告を表示できる機会を増やすべく、リーチを狭めすぎずに広告配信の可能性をなるべく高くしておくのが上手な活用法です。Google AdWords ではオークションによって掲載する広告が選択されるため、入札単価の設定も非常に重要です。オークションの調節には、さまざまなシグナルを加味し、目的に対して最適な単価で入札する自動入札機能をご活用いただきたいです」と同じくプログラマティック プロダクト スペシャリスト 宇佐美は言います。

GDN のターゲティングは「誰に」と「どんなメッセージを届けるか」を最適化できる、しかもその自動化を実現しているソリューションです。ユーザーが自分ゴト化できる関連性の高いメッセージで、高い広告効果が期待できるため、認知拡大から購入まで、さまざまなビジネスのあらゆるフェーズでぜひ戦略的にご活用ください。

 

この記事のまとめ

  • ターゲティング毎に適切な広告メッセージを配信することで、広告効果は上げることができる。
  • Google の自動化機能によって可能になった「動的リマーケティング」を活用することでユーザーの興味関心に対して最適なバナークリエイティブを自動的に生成できる。
  • ターゲティング機能を掛け合わせすぎてリーチを狭めてしまうと、Google ディスプレイ ネットワーク本来の効果を得られなくなるので注意。

 

GDN の活用ポイントについて解説した担当者

岩田 悠 Haruka Iwata
岩田 悠 Haruka Iwata
グーグル プログラマティック プロダクト スペシャリスト

新卒でグーグルに入社し、広告代理店のサポート業務や、新たなプロダクトの国内リリースのサポートなどを担当。その後現在のチームで企業のマーケティング課題に対するコンサルティングやプロダクト改善業務を行っている。

 

宇佐美 暁子 Akiko Usami
宇佐美 暁子 Akiko Usami
グーグル プログラマティック プロダクト スペシャリスト

消費財メーカー勤務を経てグーグルに入社。広告代理店チーム担当を経て、現在のチームに異動。前職の経験を活かして広告出稿企業のニーズを吸い上げ、広告商品へのフィードバックを行っている。


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