[Google セミナーレポート] 欲しい人材に直接訴求し、自社の「ファン」をつくる。先入観で企業を選ぶ求職者の行動を変える、新しい採用手法とは?

2017年11月7日

経営資源である人材の採用はすべての企業にとっての最優先課題のひとつです。欲しい人材に企業の存在と魅力を効率的に伝え、応募を獲得し、採用に結びつけるために必要なこととは。
Google は、2017 年 7 月に行われた HR EXPO に出展し、デジタルを活用した最新の人材採用ソリューションに関するセミナーを行いました。セミナーでは、YouTube 動画広告を使った、欲しい人材に効率的にアプローチするソリューションと事例を紹介しました。その内容をダイジェストでお届けします。

求職者は、自分の"先入観"で企業を選ぶ

今回のセミナーでは、Google が蓄積した求職関連の検索動向から導き出された、新卒者と転職者の求職に対する行動の違いが紹介されました。

新卒者が企業を選ぶケースでは、一般的には「自己分析」→「業界研究」→「企業研究」の順で就職活動が行われると考えられていました。ところが、Google の検索動向からは、いきなり「企業の検索」を行うことが明らかになっています。具体的には企業名の検索による「企業研究」からスタートし、その後に少しだけ「自己分析」を行います。そして、「業界研究」はほとんどされなていないという現実が浮かび上がってきているのです。

2016 年卒就活生の検索動向

新卒者の場合、就職活動を始める時点で各人がなんとなく抱いている企業イメージがそのまま就職活動のベースとなります。「先入観」を持って就職活動をスタートさせ、先入観を持ったまま就職活動を継続するという行動特性があるのです。企業側の意図とは異なる企業イメージが醸成されてしまっている場合、または知名度が低い企業には、新卒の応募が少ないことが考えられます。

中途採用市場でも特徴的な行動特性があります。それは転職者が「業種・職種」「条件」「場所」で企業を絞り込んでいることです。自分の今の仕事に近い「業種・職種」のうち、給料や勤務時間などの「条件」および勤務地の「場所」が希望に合う企業を探しているのです。

HR EXPO 2017 Googleセミナー 転職系キーワード内訳

「これまでのキャリアを活かせて」「給料が今より上がり」「通勤に便利な場所」というように企業を絞り込んでいることがわかります。今の仕事とまったく別の業種・職種への転職は最初から考えていないのです。これが、転職希望者が抱いている「先入観」です。

新卒者・転職希望者ともに、自分の先入観で企業を選んでいることになります。Google の検索動向からは、新卒者は「その企業と今までに接点があったか否か」、転職希望者では「今までの経歴にリンクしているか否か」で企業を選んでいることが推測できます。

自社の"ファン"をつくり出す、「ファン企業化」戦略

新卒者や転職者が「先入観による企業選択」をしているのなら、先入観に影響を与えられるような情報を発信していくべきではないでしょうか。

希望する人材がもつ先入観のなかにある「就職したい企業のリスト」に入るためには、まず企業のファンになってもらうことが必要です。言い換えれば、企業は就職活動が始まるまでに"検索される企業"になっておかなければなりません。今までの採用戦略の最初に、企業のファンになってもらうフェーズを置くことで、はじめて本質的な採用ができるようになると考えます。

HR EXPO 2017 Googleセミナー

YouTube 動画広告を使って、ターゲット人材にダイレクトにアプローチ

現在、スマートフォンは求職者が最も活用しているツールです。若者にアプローチしたい場合、まっ先に手を付けるべきことは、スマートフォンに最適化した情報発信であることは明らかです。

調査データ*1によると、スマートフォンは 1 日に 150 回も起動されていますが、1 回あたりの利用時間はわずか 1 分 11 秒です。この 1 分強の短い時間の中においては、効率的に情報を伝えることが重要です。

スマートフォンで効率的に情報を伝えるという目的を達成するためには、動画の活用が有効です。別の調査では、1 分間の動画は「ウェブページ 3,600 枚分*2」の情報を伝えるとされています。動画は動きや色、感情、音などの情報密度が高く、文字では伝えられない情報を強くアピールできます。この動画の配信で非常に多くのユーザーに利用されているのが YouTube です。

YouTube は 20 ~ 34 歳の男性では 84%、女性では 78%*3が利用している動画サービスです。また、YouTube 動画広告を活用すれば、性別や年齢、エリア、デバイスの種類、興味・関心などに応じて配信先をターゲティングできます。これによって、企業が求める人材に対し、ダイレクトに企業情報を伝えることが可能になります。

今回のセミナーでは、実際に YouTube 動画広告を人材採用に活用した 3 社の例を紹介しました。感動的な動画で塾講師の仕事の素晴らしさを伝え、講師応募数が増加した株式会社明光ネットワークジャパンと、通常の採用活動では接触するのが難しかった海外の学生にアプローチし、企業名を含む検索数を大幅に伸ばした株式会社光通信、保育施設の日常を身近に想起できる動画により保育士の応募を増やした株式会社グローバルキッズの事例です。

いずれも対前年比で検索量や応募数が大幅に伸びた結果が示されました。また、これまでアプローチが難しかった人材が採用できた例も紹介されました。

経営資源である「人」の確保には、全社を挙げて取り組むことが重要

YouTube 動画広告による企業情報の提供は、企業選択に大きな影響を与える「先入観による企業選択」のフェーズを効率化します。しかし、動画を活用した採用活動は、企業にとって従来の人事部門の「業務範囲を超える」という考え方もあるでしょう。

企業のファンを増やす活動は、ある種ブランディングの考え方に近いものです。そうなると広報部や経営層の協力も必須でしょう。

この点に関して、「企業におけるこれからの採用活動では、人事部門に加えて広報部門や宣伝部門などの部署が協力することが重要」と考えます。人事部門だけでなく、他の部門や経営層をも巻き込み、大切な経営資源である「人」を確保する。会社全体で採用活動に取り組むことが重要です。

HR EXPO 2017 Googleブース

出典:
*1 Kleiner Perkins Caufield&Byers, 2013 Internet Trends report Flurry Analytics, Comsore, Q4 2014
*2 フォレスター・リサーチ
*3 定量調査 : インターネット調査, 2016 年 11 月実施, N = 8,225 調査はニールセン デジタルに委託

 

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