業界別デジタル マーケティングのトレンド 【新卒採用編】

2016年11月25日

人材は企業にとって強さの源泉とも言えるものです。これから企業を支えるべき人材を獲得するための新卒採用は、企業にとって非常に重要であるからこそ難しい課題を孕んでいます。就職活動中の学生に企業の存在とメッセージを正しく伝えて、学生の就職先としての選択肢に入るには、今何が必要なのでしょうか。

今回は人材業界担当である藤澤 潤に、新卒採用におけるデジタル活用のトレンドについて聞きました。

新卒採用の課題解決のカギは「マーケティング思考」

- 人事担当者が新卒採用について抱えている課題はどんなことですか?

やはり就職を希望する学生たちの母集団形成に関する課題です。これには量と質の 2 つの側面がありますが、それぞれ「情報伝達の量・質」の問題に置き換えることができます。「量」についての問題は、企業の認知度が関連することがほとんどです。認知度が低いと情報を取りに来る学生の量が限られます。提供する情報の「質」に問題があると、適切な学生に選ばれないという問題が生じます。質・量どちらか一つでも問題が生じると、採用過程で様々なひずみが生じ、結果として選考途中で学生が他の企業に流れてしまったり、内定辞退につながりやすくなってしまいます。

- それらの課題に対して、人事担当者はどんなことをしているのでしょうか。

これまでは就活サイトに掲載している情報を変更したり、または情報を掲載している就活サイトを増やしたりといった、既存の枠での最適化がほとんどだったのではないでしょうか。でもそれだけでは十分な量の学生に企業の本当の魅力を伝え、適切な質の学生に選ばれるには十分ではないと考えています。たとえば、就活生の Google 検索動向を分析すると、学生は慎重な企業選択をせずに先入観で企業を選んでしまう傾向が高いことがわかりました。母集団形成に影響を与えようとすると、企業認知のためのより積極的な施策が必要です。

- 人事担当者が課題解決のためにすべきことはどんなことだと思いますか?

私は「人材採用もマーケティング思考を取り入れるべき」と提案しています。商品のマーケティングでは、ターゲットに対して適切に認知され、適切な場所に適切なものが置かれて適切に訴求され、購入後の体験までが一貫していて初めて成り立つと考えられます。

たとえばコンビニの棚に並ぶペットボトルの飲料。たくさんの商品の中から自社製品を選んでもらうためには、その商品がプロモーションなどによって消費者に認知され、手に取りやすい場所に商品が置かれており、その商品で期待したとおりの体験が得られる必要があります。

商品のマーケティングにおいてこういった流れを設計することはごく当たり前のことですが、これは採用にとっても当たり前であるべきだと思っています。特に採用では母集団形成が始まる前の「認知」に対しての取り組みが欠けているケースが非常に多く、また決定的な打ち手は存在していませんでした。課題に悩む人事担当の方にまず伺いたいのは「来てほしい学生に対して、適切な場所に適切な情報が置かれていますか?」ということです。

企業のメッセージを学生に届けるために必要なこととは

- 企業の情報が学生に正しく伝わることは、学生にとってもメリットがありますよね。

世の中には何千何万と企業があるのにもかかわらず、学生はそれまでの人生で見知ったごくわずかな企業にしか応募したがりません。そのごくわずかな企業の中から本当に自分に合った企業を選ぼうとしているという状態は、そもそも無理があります。企業が学生に対してきちんとメッセージを届けて認知されることは、学生だけの力では出会えなかった適切な企業と出会う可能性を高めます。学生がより活躍できる適切なポジションに収まる可能性が高まる。企業にとっても学生にとっても非常に意味のあることです。

新卒採用のデジタル マーケティング - 「インターンシップ」の検索ボリュームは年々増加

一方で、学生にも変化が見られます。例えば「インターンシップ」という検索語句が増加傾向(上図)にあることから、学生が就職に関して考える機会が多様化していることがわかります。そういった流れからも、企業は特定の時期だけでなく継続的な情報発信による認知の向上を図る必要が出てきていると言えます。

- 学生に企業の情報を届けるのに最も適した方法は何でしょうか。

新卒採用のデジタル マーケティング - 20 代の YouTube 利用率(2016 年)

YouTube 動画を活用した学生への企業情報の伝達が、目覚ましい成果を挙げています。データによると、若者の 96.4% が週に一度は動画を視聴しています*。そして 20 代の 9 割近くに情報を届けることができる動画メディアが YouTube です。学生に企業のメッセージを届けるプラットフォームという基準で就活サイトと YouTube を比較した場合、リーチのボリュームは YouTube が上回ります。YouTube 動画広告を使えば、広く学生に企業の魅力を認知してもらうことができますし、結果として就活サイトなどの既存メディア上での学生の反応や、検索行動なども変わってくることが想定され、採用施策全体の活性化が期待できます。

学生のモバイルシフトによって 1 回あたりのウェブ接続時間はどんどん短くなり、従来のようなテキストを読み込んでもらうタイプの情報伝達が難しくなってきています。母集団の質に影響をあたえるためには、より短時間で高密度な情報伝達手段が必要となります。伝える、選ばれるという両方に対して、新たな手段が求められています。

その課題に応えるのが動画です。動画は伝えられる情報量がウェブページよりはるかに多いことも特長です。そういった理由から企業の認知度を上げ、対象にメッセージを広く伝えるためには YouTube 動画広告は有効ですし、実際に多くの実績が生まれています。YouTube 動画広告を活用することで、求める層の学生からのエントリー数を大きく伸ばして「量」「質」両方の改善に成功した光通信などは、非常に象徴的な事例だと思います。

YouTube 動画広告を活用したインターンシップ募集の成功事例はこちら >>

* Google Consumer Surveys 2015/11/09~2015/11/13 対象: 全国の男女18 歳~25 歳 (n=506)

- 新卒採用のための動画を作成することにハードルを感じる企業も多いのではないでしょうか。

そうですね。実際、採用動画の作成ノウハウをお持ちの企業はほとんどないと思います。そこは私たちがしっかりサポートさせていただきます。まず企業のご担当者と、「誰に何を伝えたいのか」といった求める人材像や企業メッセージについて話し合い、徹底的に深堀りします。ターゲットやメッセージをしっかり決めたら、それをどう動画で表現するかは、動画制作のプロにお任せすることをお勧めしています。

採用が目的であっても、見てもらえる動画を作るためにはやはりエンターテイメント性が必要です。動画の作成について我々にご相談いただいた場合には、実績ある動画制作のパートナー様をご紹介することも可能です。

新卒採用のデジタル マーケティング - グーグル株式会社 人材業界担当 藤澤 潤

今後の新卒採用に求められる「攻めの採用」

- これからの新卒採用に求められるのはどういうことでしょうか。

これからの新卒採用にあたっては、学生に選ばれるのを待つのではなく、企業側から積極的に情報提供を行う "攻めの採用" を実践することが必要になってきます。

大学生に情報を届ける方法を考えるとき、「スマートフォン」「動画」といったキーワードはすでに当たり前になっています。それらを活用していくには、これからの人事担当者にはクリエイティブやマーケティングの知識が求められるのではないでしょうか。

また、企業の認知拡大段階から採用後まで学生に対して一貫したメッセージを持つことが重要です。YouTube 動画広告などを活用して認知度を上げても、動画のメッセージと選考プロセスでのメッセージにズレがあってはかえって逆効果になってしまいます。

私たちには、デジタルを活用したさまざまなマーケティングの実績、成功例が豊富にあります。このデジタル マーケティングの成功ノウハウやテクノロジーを人材採用の分野にも 100% 活かし、新卒採用の課題解決のサポートをさせていただきたいと考えています。

 

この記事のまとめ

  • 新卒採用を成功させるために重要な「量」「質」双方を成立させるためには、マーケティング思考が必要。
  • 学生に選ばれるのを待つのではなく、企業側から積極的に情報提供を行う "攻めの採用" を実践することが重要。
  • 企業が学生にメッセージを届けるのに、短時間で多くの情報を伝えられる YouTube 動画広告を活用する企業が増えている。

 

本記事の担当者

藤澤 潤 Jun Fujijsawa
藤澤 潤 Jun Fujijsawa
グーグル株式会社 人材業界担当

新卒で Google に入社。Google AdWords 利用者のサポートからキャリアをスタートし、2 年ほど前から Google 初の人材業界担当者として企業の人材採用活動のサポートを担当している。日本全国で採用に関するセミナーを実施し、来場者からの高い評価を得ている。

 

デジタルマーケティングの最新情報がわかるメルマガ

 

[ 関連記事 ]
Google のデータを活用した新しい新卒採用戦略
HR EXPO 「検索データから紐解く、採用課題を解決するデジタル ソリューション」セミナー レポート

業界別デジタル マーケティングのトレンド 【消費財メーカー編】
食品・飲料・家庭用品などのメーカー担当者に聞く、消費財メーカーのマーケティングとは

業界別デジタル マーケティングのトレンド 【官公庁編】
官公庁担当者に聞く、官公庁・地方自治体のインバウンド マーケティングとは

業界別デジタル マーケティングのトレンド 【中途採用編】
企業が今必要とする人材にアプローチするための新たな動きについて、人材業界担当者に聞きました

[ 関連ページ ]
Recruiting with AdWords
Google のテクノロジーを活用した新しい採用ソリューション