TV 広告素材から考える動画広告のインパクト最大化

2017年6月9日

生活者のメディア接触時間におけるオンライン比率が増加する昨今、企業によるオンライン動画広告の活用が重要な課題となってきました。TV 広告素材を活かしながら、オンライン動画視聴時の視聴態度やキャンペーンの目的に合わせて効果を最大化できるクリエイティブについて、 3 つの動画広告を例にとって考察します。

TV 広告素材をもとに動画広告のインパクトを最大化

オンラインメディアの存在感が強まる中、動画の強みを活かして効果的にブランド認知を高めるには、TVCM に加えてオンライン動画広告の活用が決め手となります。しかし、TV と オンライン動画では生活者の視聴態度や視聴環境が異なります。TVCM 映像によるオンライン動画広告で効果を上げることができるのか、またオンライン向けに動画を編集する場合はどのような手法が適切なのか、クラシエホームプロダクツ株式会社の事例から考えてみました。

TVCM 映像を活用し、オンライン動画の視聴態度に合わせた動画広告を複数展開

クラシエホームームプロダクツのヘアケアブランド 「 いち髪 」 は、2016 年 7 月にリニューアルキャンペーンを実施しました。 「 いち髪 」 のメインターゲットである若年女性の TVCM 視聴時間は減少しています。このため YouTube 動画広告を検討する過程で、対象ユーザーにスキップされることなく商品特性を伝えるためには、メッセージやストーリー展開の工夫など、ユーザーの興味を引き付けて離さないクリエイティブを展開することが重要だと考えました。

そこで対象ユーザーの YouTube の視聴態度に合わせ、TVCM を編集した動画広告を新たに2 本制作し、それぞれオリジナルの TVCM と比較して効果を測定してみました。

パターン 1 ) TVCM 映像のオリジナルバージョン 〜 いち髪 「 彼女の疑惑 」 篇

目標:リニューアル キャンペーンの認知獲得

パターン 2 ) トレイラーバージョン 〜 いち髪 「 美髪の謎を追え 」 篇

目標:プレゼントキャンペーンの認知による広告想起率および CTR の向上
動画編集のポイント:

  • 音声ナレーションに加え、プレゼントキャンペーン告知のテキストを動画内に複数回表示。特に冒頭 5 秒以内にテキストを配置し、キャンペーンへの理解を深めクリックを誘発するように工夫
  • Call-to-action の情報を、ナレーションとテキスト双方で表示

パターン 3 )アンスキッパブルバージョン 〜 いち髪 「 予防美髪の女 」 篇

目標:ブランドへの興味関心と検索を促し、比較検討スコア*1とサーチリフトの向上
動画編集のポイント:

  • テンポよく最後まで見たくなるようなストーリー展開
  • 主要キーワード 「 予防美髪 」 「 根元 2cm 」 を大きく表示し、ユーザーの検索を促す
  • テキストだけでなく、ビジュアル / ナレーションでもキーワードを際立たせる

成果をもたらす動画クリエイティブとは

3 つの動画をそれぞれ TrueView 動画広告で配信し、Google 広告 ブランド効果測定で計測したところ、 3 つの動画全体で、広告想起が 48.9% アップ、比較検討が 10.0% アップ、ブランド サーチリフトについては実に 766% もの大幅な上昇を記録しました。

さらに、パターンを変えたクリエイティブの効果についてそれぞれ詳しく検証したところ、興味深い結果が浮かび上がってきました。

TVCMオリジナル とトレイラーの比較結果 ( パターン 1 とパターン 2を比較 )

トレイラーでは、TVCM 動画広告と比べて広告想起率が 12ppt ( パーセンテージポイント ) 高く、CTR も 48ppt 高いという結果になりました。

トレイラー広告クリエイティブにおける動画編集の狙い

  • 広告想起を高める: メッセージ ( プレゼントキャンペーンの告知 ) をナレーションだけでなくテキストで複数回表示。特にスキップされない冒頭 5 秒以内が重要
  • 動画内の Call-to-action を促す: プレゼントキャンペーンサイトの情報をナレーションとテキスト双方で表示する

TVCMオリジナル とアンスキッパブルバージョン の比較結果 ( パターン 1 とパターン 3 を比較 )

ユーザーの検索を促進することを目的としたアンスキッパブルバージョンでは、TVCM 動画広告と比較してブランドサーチリフトが 4ppt 高く、クリエイティブサーチリフトは 8.5ppt 高いという結果になりました。また、VTR ( 視聴率 ) も TVCM に比べ5.4ppt 高くなりました。

アンスキッパブルバージョン のクリエイティブにおける動画編集の狙い

  • 視聴率 ( VTR ) を高める: テンポの良いストーリー展開で視聴者を引き込む
  • 検索を促す: 絞り込んだキーワードをビジュアル、ナレーション、 テキスト表示の全方位で際立たせ、強く印象づける

 

上記 2 つの検証から、TV 広告を前提としたオンライン動画広告のキャンペーンでは、TV 広告素材をベースに目的に応じてクリエイティブを追加 、 編集し、複数動画を展開することで、全体のブランド効果が相乗的に高まることが見えてきました。ターゲットユーザー層および期待するアクションを明確にし、動画内のビジュアル 、ナレーション 、 テキスト表示で届けたいメッセージを統合的に強調することで、目指す成果により着実に近づくことができるはずです。

本資料は、2016 年 9 月時点の情報をもとに構成しています。

出典
*1 比較検討スコア:同一カテゴリー商品 ( ここではシャンプー ) を購入検討する時に、検討しても良いと思うブランドに「 いち髪 」を選択する率が、動画広告を見たグループと見なかったグループでどれだけ違うかを計測

※この記事は Think with Google で 2016 年 12 月に公開された記事の転載です。

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