「AOKI」マーケティング担当者インタビュー:
デジタルが切り開く、店舗集客の新たな可能性

株式会社AOKI

http://www.aoki-hd.co.jp/

スーツをはじめとしたファッション アイテムの企画・製造・販売を行う株式会社AOKI 。全国 570 店舗以上を展開し、テレビ CM や折込チラシなどさまざまなマーケティングを実施してきましたが、2016 年後半からは積極的なデジタル活用に乗り出しました。来店促進を目的とした AOKI の取り組みについて、株式会社AOKI マーケティング・販売促進部 林 亮介 様にお話を伺いました。

既存の手法ではアプローチしきれないユーザー層に情報を届けたい

― 「AOKI」のプロモーションと言えば、テレビ CM から店頭まで、見聞きしたことのない人がいないくらい多岐にわたっていると思いますが、今回、デジタルに注力されようと思ったのはどうしてですか?

これまで、AOKI のマーケティングの柱になっていたのはテレビ CM、折込チラシ、そして CRM としての DM(ダイレクトメール)でした。ですが、既存の手法、たとえば折込チラシを実施したときに、かつてのような “手ごたえ” を感じにくくなってきていました。既存の手法では若年層を中心に広告が届きづらくなってきているといった状態でした。

青木エントリーフライヤー
エリアや店舗ごとに実施される折込チラシ

一方で、電車に乗ってまわりを見回すと、皆さんスマートフォンの画面を見ていますよね。特に若い世代のテレビ、新聞離れがよく言われていますが、自分たちの生活を振り返ってみても、消費者がデジタルシフトしているのは一目瞭然です。若年層を中心とした、既存のマーケティング手法で情報を届けにくくなった消費者にどうアプローチするかを考えたとき、デジタル活用を検討するのは、ある意味自然な流れだったと思います。

― 一般的に、新たにデジタルを活用したマーケティングに取り組むには、決裁者の承認を得たり、社内を調整するのが大変と伺いますが、今回の導入ではいかがでしたか?

確かに社内調整は必要でしたが、好意的に受け止められることが多かったですね。誰もがデジタルの必要性を感じてはいたのだと思います。とは言え、具体的にどのような成果が得られるのかわかりませんでしたので、デジタル活用がこれまでリーチできていなかったユーザーの獲得に力を発揮するということを理解してもらえるように、成果をきちんと共有するようにしました。

― どのように成果を共有したのですか?

成果を定量的に可視化できるのがデジタルの特長ではあるのですが、その成果を社内に共有して納得してもらうためには、既存媒体と比較可能な KPI を設定する必要がありました。

今回、デジタルを活用したマーケティング施策の予算は、既存媒体の予算に比べたらまだまだ少額です。だからこそ、ここでしっかり成果を出して次につなげることが重要と考え、成果を正しく評価し、社内スタッフに説明できる KPI を設定することに時間をかけました。

林
「デジタル活用を検討するのは自然な流れでした」

― KPI の設定はご自身でされたのですか?

Google のご担当者と施策を組み立てる中で、KPI の設定についてもあれこれ話し合いながら決めていった形ですね。どうしたら既存媒体と比較できる基準を設定し、計測を実現できるか、といった部分が鍵でした。

― 実際にどのような施策を行われたのでしょうか。

今回強化したデジタル施策は 3 つです。

  • ・YouTube 動画広告
  • ・検索連動型広告
  • ・バナー広告(GDN)

どの施策も、それぞれに成果を可視化できるよう提案いただきました。

テレビ CM とは違った表現ができる YouTube 動画広告

― まず YouTube 動画広告の実施内容と成果を教えていただけますか?

YouTube 動画広告では、2 種類の動画を配信しました。ひとつがテレビ CM と同じもの、もうひとつが成人式を迎える方にスーツを訴求したウェブ用のオリジナル動画です。テレビ CM 動画は 20~40 代と比較的幅広いターゲットに配信しましたが、オリジナル動画は成人式を迎える世代の親子に絞って配信しました。

林
WEB 限定ムービー「いざ、成人式へ」篇

動画広告の成果は、

  • ・動画視聴が関連キーワードでの検索につながったかどうか
  • ・AOKI に対する好感度が上がったかどうか

2 点を、それぞれブランド効果測定サービスを使って計測しました。

テレビ CM 動画、オリジナル動画、どちらも動画視聴者の検索数が向上しました。例えば「アオキ」の検索数は、動画広告に触れていない人と比較して、テレビ CM の動画視聴者で 1.3 倍、オリジナル動画を見た人はなんと 2.8 倍にもなっていることがわかりました。ブランドリフト調査の結果、動画の視聴が好感度*のアップにつながったこともわかりました。中でもオリジナル動画の効果が高く、若い世代向けだと思っていた動画広告で親世代での反応もよかったのは意外な結果でしたね。
*ブランドリフト調査 測定項目「ブランド好意度」にて計測

― オリジナル動画の制作は大変だったのではないですか?

そうでもないですよ。テレビ CM は 15 秒ときっちり時間が決まっていますが、ウェブ動画は尺(動画の長さ)も表現も自由度が高いので、これまでできなかった表現ができたと思います。テレビ CM に比べて機材もコンパクトでフットワークが軽く、個人的にも楽しかったです。

― テレビ CM との比較ではいかがでしたか?

ターゲットに対するリーチを KPI としたときに、やはり YouTube 動画広告の方が、テレビ CM より格段にコスト効率が高かったです。リーチ単価で言うと、テレビ CM の 1/17 にまでなったものもありました。どんな人が見ているかといったデータが取れることも大きな魅力です。また、リーチボリューム自体も非常に多く、社内のスタッフも驚いていました。

来店コンバージョンで、広告による集客効果を実証

― 検索連動型広告も今回初めてトライされたのでしょうか。

検索連動型広告は以前から実施していました。ただ「AOKI」「アオキ」といったブランド関連キーワードだけで、言うなれば “守り” の施策でした。今回は「スーツ」「礼服」といった一般的なキーワードで広くユーザーにリーチすることを提案いただき、“攻め” に転じた形です。

検索連動型広告で、何より驚いたのは来店コンバージョン計測です。広告をクリックした人が実際に店舗に足を運んでくれたかどうかが計測できる機能ですが、これは私たちのような店舗型ビジネスにとって非常に有効ですね。これまではデジタルを活用する上で、来店につながったかどうかの成果計測が課題でした。そして実際に計測した結果、予想以上に来店につながっていることがわかりました。

来店コンバージョン計測

モバイルオブジェクト
広告をクリックしたユーザーが来店したかを計測できる

これまで実施していたブランド関連キーワードでの成果と、「スーツ」などの一般ワードでの成果を比較すると、集客効率が高いのはやはりブランド関連ワードの方ですが、一般ワードも来店につながっており、広告として十分に継続可能な効果が得られることがわかりました。

バナー広告で広がる訴求商材の可能性

― 併せてバナー広告も実施されたのですね。

はい。これは地域を限定して実施しました。Google のディスプレイネットワーク広告(GDN)を使い、様々なカテゴリの商材ごとにバナーを作成して、広告を配信しました。

その結果、スーツや礼服はもちろん、靴やベルトといった小物も訴求したところ、買い替え需要の高い靴などのクリック率が高いことがわかりました。こういったデータは、折込チラシなど既存媒体の改善にも大きく役立つと思っています。

クリック率が高いバナー TOP 3

高いクリック率(CTR)バナー
訴求商材ごとのデータは既存媒体の改善にも活用

― バナーの成果も計測できましたか?

YouTube 動画広告と同様、バナーもリーチコストを KPI として、折込チラシと比較をしました。その結果、バナーのコストは折込チラシの 1/10 以下となりました。また、実際にアンケート調査を行い、バナー広告の接触者とチラシの接触者の来店数を計測したところ、来店コストは、バナー広告の接触者がチラシ接触者の 1/7 程度であることがわかりました。

また、バナーを掲出した地域での売上、来店数が大きく向上しました。売上が前年比 116% 以上、来店数が 120% 以上となりました。バナーを実施していない地域の伸び率と比較しても明らかに差があり、とても高い成果が得られたと思っています。

デジタル施策を「4 本目の柱」に

― 今回、デジタルを活用された感想はいかがでしたか?

やはり成果が可視化できることが大きいですね。可視化できればそれを社内で共有し、デジタル活用の効果を理解してもらうことができます。チラシやテレビ CM ならスタッフも目にする機会がありますが、デジタルの場合、配信ターゲット外のスタッフ、例えば年代がターゲットとずれているスタッフなどは見る機会がありません。「YouTube を見ていても全然 AOKI の広告が出ないけど、本当に配信されているの?」なんて聞かれたこともありました。そういった時にもきちんとデータを見せられます。

今回は幅広いメニューをトライしましたが、コストやボリュームはスモール スタートでした。スモール スタートだからこそトライすることができたのですが、今後につなげるために何としても成功させるんだという意気込みで取り組みました。ここでしっかり成果を出すことができたので、社内で共有し、上層部から現場スタッフまでデジタル施策の効果を納得してもらい、継続することができました。

― 社内でのデジタルに対する意識や期待は高まりましたか?

テレビ CM と YouTube を組み合わせるといったデジタル施策の実施は自然に広がりました。これまで、テレビ CM、折込チラシ、DM がマーケティングの 3 本柱でしたが、ウェブ マーケティングは 4 本目の柱になりつつありますし、強化していきたいと思っています。

靴
売り場にはスーツ以外の小物も多く並ぶ

デジタル活用で既存の媒体との相乗効果も

― 今後のデジタル施策はどのように展開される予定ですか?

YouTube 動画広告はかなりターゲットを絞った実施だったので、今後はそこを拡大していく予定です。シーズン的にも成人式向けのアイテムの訴求から、一般ビジネス パーソン向けの商品の訴求に変わってくるので、自然にターゲットも広がります。

今、次の動画撮影にとりかかっているのですが、次回の動画制作には テレビ CM の制作チームも参加することになっています。動画制作の知見を活かしつつ、新しい表現にチャレンジできると、チームもとても意欲的です。動画自体のクオリティもさらに上がると思うので楽しみですね。

また、検索連動型広告とその成果計測としての来店コンバージョン、バナー広告も引き続き実施してさらにデータと知見を貯めたいと思っています。今回、広告としてはさまざまなクリエイティブにトライできましたが、受け皿となるサイト側の最適化が追いつきませんでした。広告の効果をより高めるためにも、導線などの改善を図っていきたいです。

林
「デジタルを含めたマーケティング 4 本柱を立てたい」

今後もマーケティング施策をデジタルだけに集約していくというわけではありません。先ほどお話したとおり、既存メディアを活かしながらデジタルも活用し、マーケティング 4 本柱を立てたいと思っています。そしてデジタルの活用によって得られたデータを既存メディアの改善に活かし、相乗効果が生み出せると考えています。

これからも成果にこだわり、かつその成果を可視化しながらデジタルの活用を進めていきます。そのためにも Google には引き続き積極的な提案、アドバイスを期待しています。

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