超特急コーイチ&タカシのソロライブ、8号車を笑顔にした“君と僕のハーモニー”

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超特急のバックボーカル・タカシとコーイチが3月11、12日に東京・NEW PIER HALLにてライブイベント「うたうたい vol.3」を開催した。

コーイチとタカシ。(撮影:米山三郎[SignaL])

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「うたうたい」は、いつもはメインダンサー5人のパフォーマンスを支えるバックボーカル2人の歌にフォーカスを当てた、超特急のファンクラブ「夢の青春8きっぷ」の会員を対象としたライブイベント。3度目の開催となる今回はコーイチ出演の「~Sweet Vox~ Presented by Koichi」とタカシ出演の「TAKASHIヒットパレード ~春に白い雪が降る~Presented by TAKASHI」という2部構成で行われた。このレポートでは3月11日に行われた2つの公演の模様を紹介する。

コーイチ(撮影:米山三郎[SignaL])

第1部に実施されたのは「~Sweet Vox~ Presented by Koichi」。バックバンドのメンバーに続いてステージに姿を見せたコーイチは「楽しんでいきましょう!」と8号車(超特急ファンの呼称)に呼びかけ、アップテンポなラブソング「Sugar&Coffee」でライブをスタートさせた。カラフルな照明を浴びた彼は着ていたコートを曲中に脱ぎ去り、ダンスを交えながらさわやかな歌声を響かせる。2曲目の「Groovin' Love」ではメロウなサウンドにラップを乗せ、ステージを左右に行き来しながらリズミカルに体を弾ませた。

最初のMCでコーイチは「僕は家で作詞作曲をしていて。今日はみんなに、その曲たちを届けたいと思います」と観客に語りかける。小説やドラマから受け取った感情を歌にしていることを説明すると、彼は「普段は見せないコーイチの心を見せたいと思います」と続けた。この言葉ののちに届けられた「TMWL(is)」(Teach me what love is)は叶わない恋と純情な思いを歌ったミドルバラードで、感情を強く言葉に込めた彼の歌声に8号車もじっくりと耳を傾ける。硬質なバンドサウンドが楽曲を彩るロックバラード調の「Don’t stand by me」では、悲しみをまとわせた叫びのようなボーカルが楽曲の世界観を際立たせていた。

コーイチ(撮影:米山三郎[SignaL])

「本当に初めてやる、みんなが知らない曲ばかり今日は聴いていると思うので……」と切り出すと、中盤には超特急の楽曲が披露される。彼がまず用意したのはタカシのモチーフ曲である「Whiteout」で、ファンクアレンジを効かせたこの曲を歌い上げると「今日はタカシがいないぶん、『タカシを感じたいな』と思って」と笑ってみせた。また「Synchronism」は原曲よりもリラックスしたムードで届けられ、彼の楽し気な様子に8号車も手を振ってリズムに乗っていた。

コーイチ(撮影:米山三郎[SignaL])

なじみのある曲で観客を楽しませると、ライブは終盤へ。「my love」は「かなり僕の心を見せるような曲。上京して1人暮らしを始めて5年くらい経つんですけど……1人になる時間は好きだけど、胸が苦しくなるような瞬間もすごくあって。そんな中でできました」という曲紹介からプレイされ、コーイチはアコースティックギターとピアノが紡ぐ温かなサウンドに乗せて、優しく歌声を響かせた。そしてラストナンバーを前に彼は、初めて自作曲をメインに据えて構成したこのライブに懸ける思いを8号車に伝える。「初めてのことにワクワクして、今日が近付くにつれ思いが強くなっていきました。『ステージに立ったらどうなるんだろう? もっと曲を作ってみんなに聴いてほしいって思えるかな?』なんて想像していたんですが……今、本当にそんな気持ちです。自分の思いを全力で歌に込めることができて、よかったなって思います。来てくれてありがとう」とオーディエンスに感謝した彼は「今日がスタートです。超特急のメンバーが役者やバラエティでそれぞれがんばる中、僕は絶対に歌でみんなを笑顔にしたい。超特急にとって、必要な人になりたい。その思いが強くなりました」と前を見据えた。ラストナンバーの「Scene」はそんな彼の前向きな思いを詰め込んだ楽曲で、コーイチは「みんなも“うたうたい”になって!」とシンガロングを巻き起こすパワフルなパフォーマンスを披露。会場をひとつにまとめ上げると、笑顔でステージをあとにした。

タカシとコーイチ。(撮影:米山三郎[SignaL])

アンコールを求めるファンの大きな声援に応えステージに戻ったコーイチは、スペシャルゲストとしてタカシをステージに呼び込む。「タカシ!」という呼びかけに応えて登場したタカシは「はーい! “Sugar&Coffee”のシュガーです!」とコーイチの曲をネタにして漫才師ふうに自己紹介。タカシの天真爛漫な振る舞いに、コーイチは「やめて!(笑)」と表情をほころばせた。2人はこの日のために共作したという楽曲「Harmony」を歌い上げ、コーイチは「一緒に曲を作ってみて、前よりもタカシのことを知れていい時間でした」と振り返る。タカシを見送り再び1人になると、彼は次に披露する曲が初めてスタッフに認められた自作曲であることを明かす。「『自分の作った曲でみんなを喜ばせたい』ってたくさん曲を作ってスタッフさんに送っても返事が全然来なくて。今聴き返すとめちゃくちゃな曲ばかりだったんだけどね」と笑ったコーイチは「あの日々を忘れず、これからもっとちゃんと、音楽でみんなのことを笑顔にしたい。今日はそんな約束をしっかりしたいなと思います。この先いろいろなことを考えているから、その日まで楽しみにしていて」と柔らかな歌声で「missing U」を8号車に贈った。

タカシ(撮影:米山三郎[SignaL])

第2部には、タカシ出演の「TAKASHIヒットパレード ~春に白い雪が降る~Presented by TAKASHI」が行われた。開演時刻を迎えバックバンドが「Whiteout」のイントロを奏でると、客席下手側の前方に立つタカシにスポットライトが当たる。意外な登場方法に8号車の驚きの歓声が上がる中、彼は「ようこそ!」と笑顔を光らせて、客席通路をゆっくりと歩きながら歌声を響かせた。

タカシは舞台に上がると米米CLUB「愛 Know マジック」と布施明「君は薔薇より美しい」のカバーを続けて披露。華やかなバンドサウンドに甘い歌声を乗せ、彼のさわやかなパフォーマンスに8号車も自然と体を揺らす。「君は薔薇より美しい」では力強いロングトーンも決めてみせ、オーディエンスからは大きな喝さいが送られた。この曲を終えるとタカシは「僕は懐かしい曲やJ-POPが大好きで、今日はそんな歌たちをカバーしていきたいと思います」と自身のステージの趣旨を説明し「自分の歌を通して、曲の魅力が伝わったらうれしいです」と客席に語りかけた。

タカシ(撮影:米山三郎[SignaL])

その言葉通り、タカシは斉藤和義「ずっと好きだった」や星野源「恋」など、さまざまなアーティストの楽曲を次々と届けていく。「恋」では“恋ダンス”も披露し、観客の笑顔を誘った。また岡村靖幸「だいすき」では歌詞の一部を「8号車のために今日は歌うよ」と言い換えるなど、サービス精神旺盛な振る舞いで会場を盛り上げる。

中盤にはアコースティックパートが用意され、彼はハイチェアに腰掛けてじっくりと楽曲をパフォーマンスする。ボサノバ調にアレンジされたサザンオールスターズ「LOVE AFFAIR~秘密のデート」ではカホンの刻む柔らかなリズムに乗せて、語りかけるように曲を歌い上げた。続く桑田佳祐「明日晴れるかな」でも豊かな歌唱力を提示したタカシは、最後の曲を前に自身の抱く思いを語る。「僕は、ボーカルもダンスも何もわからないまま超特急に入って。『どうやったら1人のボーカリストとして認めてもらえるんやろうな』ってずっと考えていました。そして今こうして1人で歌わせてもらって、8号車に僕のライブを観てもらえていること、本当にありがたいです」と感謝すると「もっと成長して、いろんな面を見せていきたいです。頼りないところもあるけれど、ずっと超特急に“乗車”していてください」と8号車に伝える。このあとに届けられたのは、彼が出演した映画「一週間フレンズ。」の主題歌として使用されたスキマスイッチの「奏(かなで)」。後奏でタカシは「みんなの笑顔が僕の生きがいです」と客席を見つめ、丁寧なお辞儀をしてステージをあとにした。

タカシ(撮影:米山三郎[SignaL])

鳴りやまない手拍子に応えてアンコールのステージに立ったタカシは「ひとつ思ったんですけど……みんなもっと暴れたいんじゃない?」と不敵な笑みを浮かべ「こんなにドキドキしてるのは……君のせいだっ!」とシャウト。彼の言葉に合わせてスタートしたのは超特急の高速アッパーチューン「超えてアバンチュール」で、タカシの「行くよ! 声出して!」という呼びかけに8号車も大きなコールで盛り上がる。エネルギッシュなこの楽曲を1人で歌い切った彼は「7人ぶんのエネルギーがすべて僕に託された! 消費量がハンパない!(笑)」と爆笑しながら「僕たち超特急はみんなを笑顔にしたいっていう思いでいるから、『笑顔になって帰ってもらうことこそ意味があるのかな』って思って。全力で“超えて”いきました」と続けた。そして、ここで彼はコーイチをステージに呼び込む。コーイチは「ちょっと、1人で“超えて”もらってもいいですか?(笑)」と悪態をつきながらも「観てたよ」とひと言。この言葉にタカシは「緊張したさー」と安どの笑みを浮かべた。そしてタカシは「2人で届けたい曲があります」と1部のアンコールでも披露された「Harmony」のタイトルコールをする。ステージの上で向き合ったタカシとコーイチは、アイコンタクトを交わしながら「君と僕のハーモニーが あなたの笑顔になりますように」と声を重ねた。

「うたうたい vol.3」の様子。(撮影:米山三郎[SignaL])

息の合ったパフォーマンスで観客を魅了し、大きな拍手を浴びた2人。するとここで、年齢もボーカリスト歴も先輩であるコーイチの評価が気になるタカシが「ひとつ聞きたいんやけど、観ていてどうだった?」と尋ねた。タカシの問いかけに、コーイチは「(『Harmony』の)歌詞にも書いたでしょう? “これからは、僕は君を見守っていくよ”って」と返す。タカシはこの言葉に「惚れた……!」と感激し「これからも見守ってな!」と笑顔。うれしそうにするタカシを横目で見たコーイチは「まあ、いつか見放すけどな」と再び悪態をつきながら、優しい微笑みを浮かべていた。

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超特急「うたうたい vol.3」
2017年3月11、12日 NEW PIER HALL セットリスト

~Sweet Vox~ Presented by Koichi

01. Sugar&Coffee
02. Groovin’ Love
03. TMWL(is)
04. Bad boy
05. Don’t stand by me
06. Whiteout / 超特急
07. Synchronism / 超特急
08. my love
09. byebye
10. Scene
<アンコール>
11. Harmony
12. missing U

TAKASHIヒットパレード ~春に白い雪が降る~Presented by TAKASHI

01. Whiteout / 超特急
02. 愛 Know マジック / 米米CLUB
03. 君は薔薇より美しい / 布施明
04. ずっと好きだった / 斉藤和義
05. 恋 / 星野源
06. だいすき / 岡村靖幸
07. メロディー / 玉置浩二
08. LOVE AFFAIR~秘密のデート / サザンオールスターズ
09. 明日晴れるかな / 桑田佳祐
10. 奏(かなで) / スキマスイッチ
<アンコール>
11. 超えてアバンチュール / 超特急
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