arrows似のトーンモバイル新機種「TONE m17」は最強の小学生見守りスマホ

文●ゆうこば

2017年07月25日 18時00分

TONE m17

トーンモバイルは、新型格安スマホとして「TONE m17」および同社製品で利用できる見守り系の新サービスを発表しました。TONE m17の発売日は8月1日、販売価格は3万7692円の予定です。

富士通が製造を担当し、タフネスモデルとなった「TONE m17」

m17の正面

TONE m17は5型HD解像度(720×1280ドット)液晶、CPUはSnapdragon 410(1.2GHz、クアッドコア)、メモリー2GB、ストレージ16GBのローミドルランクと言えるスマートフォン。

端末として注目すべきなのは、m17のメーカーです。いままでのTONEシリーズは中国・深センや台湾のメーカーが製造を担当(ODM)でしたが、今回は国内メーカーである富士通コネクテッド・テクノロジーズが担当しています。

arrowsシリーズで培ったハードウェア技術がそのままTONE m17にも継承されている

すなわち、上記スペックからもわかるとおり、7月10日に発表された「arrows M04」とほぼ同様の筐体および性能を実現。MIL規格23項目、泡タイプのハンドソープでの洗浄、高さ150cmからの自由落下の耐性、おサイフケータイ、ワンセグなどに対応しています。

上側面にはイヤホンジャックとワンセグ用アンテナ
下側面にはキャップレス防水のmicro USB端子とストラップホール
左側面にはmicroSDXC(最大256GB)スロットおよびnano SIMスロット
右側面には電源キーと音量調節キー
背面にはカメラとFeliCa/NFCアンテナ
TONE m17の背面はarrows M04と異なり、シリカ系UVコート層が施されており、サラッとした質感になっている
ワンセグアンテナを伸ばしたところ
最近のarrowsシリーズの特徴でもある画面まわりのフレームがディスプレー面よりやや上がっている。落下時の画面割れをある程度予防できる
TONE m17の制作過程

ソフト面はTONEとarrowsのいいとこ取り仕様

ソフトウェア面を見てみると、いままでTONE端末で利用できたサービスはほぼ対応。なかでも子どもや高齢者の見守りに利用できる「TONE ファミリー」アプリやカンタンに通知を送り合えるエアノック、1日の活動量や運動強度をチェックできるライフログアプリ、フィーチャーフォンから移行してきたユーザーに便利な簡易ホーム画面を搭載しています。

TONE m17で利用できる代表的な機能
富士通のハードウェア技術とTONEのこだわりや特許技術などを融合させている

加えて、ソフトウェア面でもarrows M04と同等と言える機能も搭載。日本語IMEとしていままでarrows端末のみに提供されていた「Super ATOK ULTIAS」や、表示している画面の文字を即検索できる「なぞってコピー」、複数枚の写真を合成することで暗所でも暗所でも明るく撮れるカメラアプリも利用できました。

Super ATOK ULTIASは初めて「arrowsシリーズ」以外の搭載となった
なぞってコピーは右下からスワイプして呼び出す
カメラはハードだけで無く、ソフトもほぼ富士通仕様

しかし、完全に同じ機能が載っているわけと言うわけではなく、お気に入りのアプリをすぐ呼び出せる「スライドランチャー」などは非搭載でした。TONEモバイルの石田宏樹CEOによれば「富士通とも密に連携し、気合いを入れてつくってもらえた」とのことなので、TONEモバイルと富士通との間で機能の取捨選択があったのでしょう。

一応、TONE m17とarrows M04は別の製品

ちなみに、TONE m17はarrows M04とまるっきり同じように見えるわけですが、あくまでも富士通のODM品。通称・技適マークの工事設計認証番号などは異なっています。その影響もあり、おサイフケータイの利用可能サービスは「発売日に向けて現在調整中」(トーンモバイル広報)とのこと。

「親目線で安心」な特徴が強化された新・見守り機能

TONE m17以外にも、同社は現在注力している「6〜12歳」「60〜69歳」の年代に役立つ新機能を発表しています。今回、とくに注力していたのは親目線の子どもに対する見守り機能です。

同社は光文社の女性向けファッション誌「VERY」とのコラボを発表しており、今回はVERY側から要望のあった機能を追加。

最大のものは同社が「TONE×VERY宣言」と呼ぶもので、これはユーザーが12歳以下の場合、「中学生になるまで夜10時から朝6時まで、一部の機能を除き基本機能をロックする」というもの。

もちろん、緊急連絡先への発信や見守り機能自体はロックされません。この機能をオフにすることや、親の判断で適宜ロックを外すことも可能ですが、スマホ絡みのトラブルを抑制するための機能とのこと。

中学生になるまで夜10時から朝6時まで、一部の機能を除き基本機能をロック

従来から搭載されており、事前に設定しておいた場所にTONE端末(ユーザー)が入ると親のスマホに通知が届く「ジオフェンス機能」も強化。いままでは通知のみでしたが、学校や塾などを指定しておけば、その場所でのみ端末をロックできます。「スマホを使うべきではない場所」での利用を制限できるようです。

ジオフェンス機能の強化版「ジオロック機能」

また、ジオフェンス・ジオロック機能は本体のGPSを利用したサービスのため「子ども部屋」「風呂場」などの細かな場所の特定は難しくなっています。そこを解消するためNFCタグが内蔵された「お知らせシール」を用意。特定の部屋などにこのシールを貼っておき、入るたびにシールにTONE端末をかざせば、その場所に応じたアクションが可能になるというわけです。

9月に提供されるNFCシール。たとえば、子ども部屋にシールを貼っておき、子どもが入室時に端末をかざすと、親のスマホに通知が届く

そのほかにも、子どものスマホで利用できるアプリを管理できる「アプリリクエスト」の追加機能である「親子スマホの約束」用紙への対応や「行動サマリーレポート」など多くの子どもに関する見守り機能が追加されています。いずれも8月より開始予定ですが、「お知らせシール」のみ9月1日からの提供開始予定となっています。

行動サマリーは活動量のほかに、アプリの利用時間、ブラウザーの閲覧履歴(ジャンルでの統計情報)、有害サイトへのアクセス(ブロック)回数などが表示される
「親子スマホの約束」用紙に書き込んで撮影するとTONEのアプリ制限設定が可能。書いた紙はそのまま家の掲示物として使える

ハード・ソフトともに「子ども向けスマホ」に特化するトーンモバイル
親子のコミュニケーションがより必要になる

左からトーンモバイルの石田宏樹CEO、VERYの今尾朝子編集長

「子どもにはじめて持たせるスマホ」として親が気になるのは、やはりハードとしての頑丈さ、スマホやネットを利用する上でトラブルなどのリスク回避は鉄板です。今回のTONE m17は新サービスと組み合わせることで、そんな親の目線に立った「安心スマホ」に仕上がっています。

しかし、「子ども自身のプライバシー」への配慮も気になるところではあります。扶養家族のいない筆者個人の実感ではありますが、行動サマリーレポートや「TONE×VERY宣言」はやや過保護すぎるのではという印象を受けました。

実際にTONE端末を使う子ども自身が「夜や学校では自由に使えなくなるスマホ」がどの程度受け入れるかは未知数です。トーンやVERYは、あくまでも親と子どもの間で「約束」をした上で、納得してこれらの機能を使って欲しいと思っているはずですが、実際のところどのように運用されるかは各家庭によるところです。

「TONE端末を買い与えたけれど、子どもがスマホを使わなくなった」「スマホが使えない影響で、友人関係がうまく築けなかった」なんてことにならないよう、設定をする親側もうまく利用する必要があるように感じます。

いずれにせよ、他メーカーでは実現できていない多くの機能が実装されているため、見守り機能を活用したいと思っている方は、ぜひ検討してみてください。

TONE m17
メーカー トーンモバイル
(製造:富士通コネクテッド・テクノロジーズ)
ディスプレー 5型液晶
画面解像度 720×1280ドット
サイズ 約71×144×8mm
重量 約148g
CPU Snapdragon 410
1.2GHz
(クアッドコア)
内蔵メモリー 2GB
内蔵ストレージ 16GB
外部メモリー microSDXC
(最大256GB)
OS Android 7.1
最大通信速度 下り最大150Mbps
(⾼速チケットオプション利用時)
4G対応周波数 1/3/8/19/26
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n
(2.4GHz/5GHz対応)
カメラ画素数 リア:約1310万画素/イン:約500万画素
バッテリー容量 2580mAh
FeliCa
NFC
防水/防塵 ○/○
生体認証 ×
SIM形状 nano SIM

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