日焼け止めの見方と小児の日焼け止め | new-york-dermatologistのブログ

new-york-dermatologistのブログ

ブログの説明を入力します。

日焼け止めは日本、アメリカを問わず本当に多くの種類の製品が売られているのでどれがいいのか迷ってしまう方が多いのではないかと思います。これが絶対にいい、と全員に言えるものはないので、毎日ぬれるような自分にあった使用感のいいものを探すことが大切です。いくら効果の高い日焼け止めであっても、ベトつく、かぶれる、肌が白くなる、など合わないものを選んでしまうと続けて塗る気がなくなってしまいます。特にこれから日差しの強くなってくるので、外出前には欠かさずぬるようにしましょう。

UVAやUVBを防御する指標、ウォータープルーフについてはこの前見たので、今回は細かい成分についてさらに見ていきます。

パッケージにもう一度登場してもらいましょう。この2つは紫外線吸収剤を使っていない製品で、特にお子さんにもオススメできる日焼け止めです。




SPFやPA、Broad spectrumについては前回説明したとおりですが、この紫外線吸収剤不使用、purescreenというのは何を意味しているのでしょうか??ノンケミカル、低刺激性と表記されていたり、英語ではmineral-based, hypoallergenicと表記されることもあります。ぱっとみたところ体によさそうですが、疑問に思った方も多いかと思います。

紫外線をブロックする成分には
①紫外線吸収剤(英語ではchemical sunscreen)
②紫外線散乱剤(英語ではphysical sunscreenまたはmineral sunscreen)
の2つがあります。

紫外線吸収剤は化学合成される物質が使われていて、文字通り紫外線を吸収することでブロックします。

一方、紫外線散乱剤は酸化チタン(titanium dioxide)、酸化亜鉛(zinc oxide)
の2つが使われていて、天然に存在する物質です。写真のNeutrogenaの製品に「100% naturally sourced」と書いてあるのはこのためです。

紫外線散乱剤は体に吸収されないので、かぶれを起こしにくいとされています。 そのため、皮膚が薄く敏感なお子さんには紫外線吸収剤の含まれていない製品をすすめることが多いです。

ただし、紫外線吸収剤が絶対にお子さんにすすめられないかというとそんなことはありません。実際にかぶれが起こる可能性は低いです(数年診療してきましたが、日焼け止めでかぶれたケースにはほとんど出会ったことがないです)。また、わずかに皮膚から吸収された紫外線吸収剤が体の中のホルモンバランスを乱すのではないか、という心配もありましたが、現在のところこれをはっきりと示すデータは見つかっていません。

お子さんにはいつから日焼け止めをぬっていいのですか?という質問を受けたことも多いですが、生後6ヶ月以上であれば問題ない、というのがアメリカの皮膚科学会が出している答えです。アメリカの日焼け止めにはほぼすべてにこの記載がされています。6ヶ月未満のお子さんではできるだけ直射日光を浴びないように、日陰を作ってあげるようにして日焼けを予防しましょう。

まとめになりますが、お子さんであれば紫外線吸収剤(chemical sunscreen)を使っていない、小児用もしくはBaby, Kidsと書かれた製品を普段使いにはおすすめします。

アメリカの製品は紫外線のブロックに有効な成分を「active ingredients」としてわけて表記しているので、ここにzinc oxide, titanium dioxideの2つしかなければ間違いないです。写真のNeutrogenaもそのように表記されています。



日本の製品は配合成分がすべて一緒に記載されているのでラベルは非常に見にくいです。
NOVのように、表に紫外線吸収剤不使用と書かれているものを選んであげれば通常問題ないでしょう。



またまた長くなってきたので、大人用の一般の日焼け止めについては次回書くことにします。