前回まで、消費税に関するお話を続けて来ました。
「クリエーターの場合はどうなるの?」と言う話が残っていますね。
ここまでの記事から、クリエーターに関する部分をまとめていきます。
【1】課税売上高の範囲
事業として行っている著述業や漫画家・イラストレーターの収入は課税売上高になります。
そして、自費出版や同人誌の制作販売についても、内容によっては課税売上高になります。
所得税法で「事業」として認定されず「雑所得」として取り扱われるものでも、
「同種の行為を反復、継続かつ独立して行う」ものは消費税法では「事業」と判断され
消費税の課税売上になります。
同人誌の制作販売を定期的に実施している場合は、課税売上高の対象になるので要注意です。
そしてもう一つ注意が必要になるのは
「課税事業者の判定」や「簡易課税制度の適用の判定」において、
対象となる判定は「本人の課税売上高の総額」です。
たとえば
「事業所得」での課税売上高 900万
「雑所得」 での課税売上高 900万
ですと、課税売上高は1800万円になります。
『それぞれが1000万未満だから免税』ということにはなりませんので注意してください
【2】簡易課税の事業種別
前回の記事で、取引の内容によって「みなし仕入率」が異なる、という話をしました。
クリエーターにも同じことが言えます。
・印税、原稿料等 … 第5種(著述・芸術家業)
・同人誌の制作販売 … 第3種(出版業)
・ゲーム等の制作販売 … 第5種(自社開発ソフトウェア)
もし、簡易課税を選択していて、複数の種類の売上高がある場合、
売上高を種類別に区分集計しておかないと
区分されていない売上高は
「自分の携わっている事業のうち、一番みなし仕入れ率の低い事業」
として取り扱われます。
漫画家として印税収入がある方が、同人誌の制作販売をした場合、
売上高をそれぞれ(「印税分」「同人誌販売分」)に区分集計しておかないと、
総て第5種として扱われてしまう、ということですね。
【3】帳簿
本則課税の場合は特に、
・年月日
・仕入/経費の支払先の名称
・摘要
・金額
等がわかるように帳簿を記載しなければいけません。
確定申告等を考えると、決算書を作るために帳簿を作成する時に
消費税の帳簿条件を満たすように作成してしまうのがベストです。
所得(利益)の大小にかかわらず、課税売上高で判定されます。
売上高が増えてきたら(増えそうなときでも)、消費税は必ず意識してください。
ご相談等は、↓のHPよりお問い合わせください
http://saitou-tax.tkcnf.com
【埼玉県草加市 齊藤会計事務所】