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『世界経済の政治的トリレンマ(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.4.25
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平成29年5月21日 第4回日台親善シンポジウムにて、三橋貴明と田村秀男先生が共演!
http://kokucheese.com/event/index/460716/
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チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651
久々にお相手は浅野さん。(月刊三橋では毎月ご一緒させて頂いておりますが、桜は久々)
政府の国債発行抑制、及び日本銀行の量的緩和継続に、GWが加わり、国債市場が「閑散」としています。
『債券15時 先物は横ばい 現物債は閑散、新発10年債は取引なし
http://www.nikkei.com/article/DGXLASS0IMB04_R00C17A5000000/
1日の債券市場で先物相場は横ばい圏で推移した。前週末と同じ151円02銭で取引を終えた。日銀がきょう実施した国債買い入れオペ(公開市場操作)で、残存期間「3年超5年以下」の買い入れ額を減らした。中期債の需給が緩むとの思惑から先物に一時的な売りが出たが、前週末の時点で既に織り込んでいた向きもあり、持続しなかった。朝方は前週末の米債券市場で米10年物国債の買い戻しが優勢だった流れが波及し、買いが先行した。
現物債市場は大型連休の谷間の平日にあたるうえ、今週後半は海外で複数の重要なイベントを控えるため、閑散としていた。長期金利の指標となる新発10年物国債は15時時点で業者間の取引を仲介する日本相互証券での取引が成立していない。このまま1日を通して取引が成立しなければ、2016年10月19日以来およそ6カ月半ぶりの出来事となる。(後略)』
長期金利の指標となる十年債の国債取引は、5月2日の午後になり、ようやく成立。5月1日から2日の午前中にかけ、取引不成立という事態になっています。
理由は、金融市場に十年債の「売り」が出てこないためです。同時に、金利変動を見込んで国債を売買する投資家も、「やる気なし」の状況になっています。
日本銀行が金融政策の目標を「量」から「金利」に変更し、長期金利「0%程度」という目標を打ち出し、量的緩和を継続しています。
売り物もなければ、金利収入も見込めない。ついでに、GWで市場参加者も少ない。
それはまあ、国債市場が閑散とするわけです。
以前であれば、国債の取引が低調になると、
「すわ! 財政破綻! 銀行が国債を買うことを拒否している!」
といった、丁寧に表現しても「頭がおかしい」ことを主張する人が出てきたものですが(何と、政治家にまで)、さすがに今回は冷静な報道しか見かけません。
【日本国債・財投債の日銀保有分、預金取扱機関保有分(億円)】
http://mtdata.jp/data_55.html#JBBANK
すでにして、国債・財投債(※国庫短期証券は除きます)の保有の割合を見てみると、日銀保有分が、預金取扱機関保有分の二倍に達しようとしています(直近では、達した可能性が高い)。
それはまあ、市場から国債が枯渇し、金利収入を得られる国債を保有する銀行などが、現物を金融市場に出そうとしなくなっても、当たり前でしょう。
2016年12月末時点で、日銀保有の国債・財投債が約371兆円。預金取扱機関保有分が、約204兆円となっています。
このまま政府が国債発行抑制を続けると、日本銀行の量的緩和が強制終了になる(預金取扱機関の国債が尽きるため)「日銀のXデイ」到来は避けられません。
もっとも、国債の発行とは、要するに「プライマリーバランス赤字化」です。
政府がPB黒字化目標を維持する限り、国債増発には踏み切れません。
というわけで、日本銀行の金融政策を継続するためにも、日本政府はPB目標を破棄しなければならない状況に追い込まれているのです。
それにしても、上記「国債の枯渇」を報道した読売新聞(2017/5/3 朝刊「国債市場 閑散」)は、例により、
『市場機能が低下したまま将来、日銀が国債買い入れ量を減らせば、金利が急騰する懸念もある。企業や個人がお金を借りにくくなるほか、国債の利払い費が膨らんで国の財政にも深刻な影響を与えかねない。』
という、テンプレで記事を締めくくっています。
国債の金利が急騰するような事態になれば、単に日本銀行が国債買い入れを増やすだけです。
そもそも、国債は日銀当座預金、我々がお金を借りるのは銀行預金と、違うお金の話であるにも関わらず、ごっちゃにする。
さらに、まるで国債のほとんどが「変動金利」(実際は逆で、ほとんどが固定金利)であるかのごとく書き方をすることで、印象操作を図る。
先日の産経の「32年度プライマリーバランス、黒字化目標の撤回も 政府、財政健全化計画の見直し検討」の締め、
『ただ、PB目標を撤回すれば財政規律の緩みが意識され、国債が売られて金利が急騰するリスクもある。』
もそうですが、まさにテンプレです。
この手のテンプレと化した「財政破綻論」というか、
「何とか、財政破綻に導く印象操作を図りたいレトリック」
を潰さない限り、日本国民が政府の財政出動を支持する日は来ないでしょう。
ともあれ、日本政府は金融政策継続のためにも、PB目標を破棄し、国債を発行しなければなりません。
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