時計修理でよくある内容のひとつが
『留具がうまくかからなくなった』というものです。

ひと口に『留具(バックル、クラスプ)』といっても様々な形状がありますので、それぞれに対応した処置の仕方があります。

今日は先日承ったカルティエ パシャCのクラスプ調整方法をご紹介します。

ご依頼いただいたお客様にブログで紹介する許可を頂きましたので画像付きで説明します音符



時計修理会社の社長のブログ-カルティエ   クラスプ4

左右から折りたたんで留める『観音開き』と呼ばれるタイプの留め具です。

右の赤丸が正常な状態です。
少しカーブが付いているのが分かると思います。

左側が変形した状態です。
カーブが無くなりまっすぐに近い状態になっています。


落としたり、踏んでしまったりした時にこういうことが起きますね。


時計修理会社の社長のブログ-カルティエ   クラスプ5
こちらが修正を終えた画像です。

右側は先ほどと同じです。

左側が修正を加えた方ですが、上の画像と比べカーブが付けられていることが分かると思います。

これできちんと留具はかかるようになっていますので、パーツ交換などしなくても無事に使える状態になっています。



ではこれを自分でできるかどうかについてですが、これはものによると思います。

画像からは分かりにくいかも知れませんが、この留具は意外と厚みがありますので手だけでは修正しようとしてもうまくいきません。

修理工具を使いながら作業をするため、カルティエ パシャCと同様な作りの場合は自分で作業するのは少し難しいと思います。

ロレックスのように薄い板を折りたたむ構造の場合はカーブ具合の調整が工具を使わなくとも手作業でできますのでご自分でも試すことができます。

しかし、厚い、薄いよりも調整作業など普段することが無いでしょうから、かえって具合を悪くする心配の方が大きいかも知れませんね。

やはり大切な時計であれば修理専門の方にお願いする方が安心でしょうねサザエさん

画像で紹介しても良いと言ってくださるお客様が見えましたら、別の事例もどんどん紹介していきたいと思います嬉



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