2013年08月06日 09時00分00秒

人間の脳の活動でわずか1秒間はなんとスーパーコンピュータ「京」の40分に匹敵することが判明

By Wellcome Images

世界で4番目に速いスーパーコンピュータである「」を使い、実際の人の脳1%分に相当する10兆4000億個のシナプスで結合された神経回路のシミュレーションに成功しました。これは小型霊長類であるサルの全脳と同じ規模に達するとのことです。

Simulating 1 second of real brain activity takes 40 minutes and 83K processors — Tech News and Analysis
http://gigaom.com/2013/08/02/simulating-1-second-of-real-brain-activity-takes-40-minutes-83k-processors/

「京(けい)」を使い10兆個の結合の神経回路のシミュレーションに成功 | 理化学研究所
http://www.riken.jp/pr/topics/2013/20130802_2/

日本とドイツの研究者チームが、人間の脳の神経回路シミュレーションとしては史上最大規模のものを、8万2944個のCPUと、1.4ペタバイトのメモリー量を持つスーパーコンピュータ京で行いました。

17億3000万個の神経細胞が10兆4000億個のシナプスで結合された神経回路のシミュレーションを行い、生物学的には1秒間に相当することを、京は40分かけて計算したようです。また、この10兆4000億個のシナプスというのは、ちょうど人の脳の神経回路1%程の規模に相当し、小型霊長類であるサルの全脳の規模に達しているとのこと。
By Brian Scott

シミュレーションを発表したプロジェクトのリーダーであるマーカス・ディースマン氏によると「京のようなペタ規模のスーパーコンピュータは、人間の脳のネットワーク1%に匹敵するようになりました。私たちは次の10年間の内に、ペタ規模コンピュータの1000倍の性能のものを使って脳全体にある個々の神経細胞とそのシナプスのシミュレートが可能になると考えている」と発言しています。

By Neerav Bhatt

さらに重要なことには、この最新の脳シミュレーションは、単に科学者の開発したオープンソースソフトであるNESTのテストだったという点。特異的疾患やHuman Brain Projectなどの他の研究に使用するには、それらに合わせた調整をする必要がありますが、人間の脳の神秘を解き明かすのにより進んだソフトウェアが必要というわけでないということが分かりました。
By Tom Blackwell

スーパーコンピュータとオープンソースソフトであるNEST、あるいはそれに追随したソフトウェアの進歩・発展によって、今後より多くの脳シミュレーションが行われ、今まで分からなかったさまざまなことが次々と判明していくことが期待されており、最終的には人間の脳に匹敵する計算速度のコンピューターが登場する日はそう遠くないはずです。

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