4点ビハインドからの逆転というチャンピオンズ・リーグ(CL)史上初の偉業は、全世界で称賛された。だが、試合前からバルセロナに批判的な姿勢だった元フランス代表監督のレイモン・ドメネクは、リオネル・メッシに対する意見を変えていない。
 
 バルセロナは現地時間3月8日、CL決勝トーナメント1回戦セカンドレグで、パリ・サンジェルマンに6-1と勝利。0-4と大敗したファーストレグからの大逆転劇でベスト8に駒を進めた。4点差をはねのけてのラウンド突破は、CLの歴史上初のことだ。
 
 試合前に、「欧州を支配する影のチーム」、「メッシにはもう20歳のころのようなエネルギーがない」とバルサをこき下ろしていたドメネクにとっては、予想を裏切る結果だったと言えるだろうが、その奇跡を目にしても2006年のワールドカップでフランスを決勝に導いた指揮官の考えは変わらない。
 
 イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、ドメネクはフランス・メディアの『ユーロスポーツ』で「メッシは断続的なプレーすらなかった。まったくプレーできていなかったよ。彼はバルサのワーストプレーヤーだった」とメッシを酷評している。
 
 ドメネクの批判は止まらない。「彼は試合中ずっとピッチの中央にいた。走りたくないときの典型だ。彼が落ち目なのは明らかだよ。彼は止まってプレーし、レジスタ(司令塔)のようにやることを考えているんだ」と、もはやメッシに躍動感あるパフォーマンスを期待することはできないと指摘。ついには、次のように続けた。
 
「私は、もうメッシはキャリアの終わりにあると思う。彼は多くのことをやってきたし、魅力的な選手だった。だが、昨日は断続的なプレーどころじゃなく、彼はピッチから完全にいなくなっていたんだ」
 
 歴史的な快挙にも、「手のひら返し」をしなかったドメネク。メッシは準々決勝以降の戦いでその意見を変えさせることができるだろうか?