ルイ・ヴィトンが、空港で預け入れた旅行用キャリーバッグの現在位置を確認できる追跡タグ「Echo」を発売しました。価格は4万2120円。

今年初めにFCCへの登録でその存在が明らかになっていたデバイスです。
ルイ・ヴィトンが旅行かばん追跡タグEcho開発。IoT無線規格Sigfoxで世界中の空港をカバー


Echoはスティック型のデバイスで、サイズは11 x 1.5 x 2cm。同社のキャリーバッグホライゾン 50/55/70の内装にある専用ポケットにセットして使用します。

紛失・盗難防止のトラッカーではBluetoothを利用したものが広く普及していますが、Echoは最新のIoT機器向け小電力広域無線(LPWA : Low Power Wide Area)規格の1つであるSigfoxを採用。Sigfoxは免許不要の920MHz帯を利用し、通信速度は100Kbps未満と低速ながら、基地局につき数十Kmの広い通信範囲をカバー出来るのが特徴です。

ただこの920MHz帯、国により使用できる周波数が異なるのですが、EchoはSigfox社が2017年9月に発表した新サービス「Monarch」を利用し、各国の無線周波数を自動的に認識・適用するとのことです。また、Sigfoxによると、Monarchを採用する最初のデバイスでもあります。

肝心のEchoの機能としては、対応した空港(現在は日本を含む31ヶ国115空港)であればスマートフォンやルイ・ヴィトンのスマートウォッチ「タンブール ホライゾン」で位置情報を確認可能。また、預け入れする際は自動で機内モードになり、着陸すると位置情報を通知します。

ルイ・ヴィトン初のスマートウォッチ「Tambour Horizo​​n」発売。シティガイド機能で「旅」をサポート


位置情報のみなら、どのようなカバンでも利用可能ですが、専用ポケットを備えるホライゾン 50/55/70の場合、光センサーにより途中でカバンが開けられたかも検知できます。

バッテリーは1回の充電で約6か月利用可能。充電はmicroUSBで行います。

非常に利便性が高く、今後普及していきそうなデバイスですが、ルイ・ヴィトンが先陣を切ってリリースするのは少々意外な気もします。もっとも、旅行かばんやトランクをそのルーツとしているだけに、それらのカバンを使う旅行者の利便性を高める発想は、必然だったのかもしれません。

なお、Echoの位置情報機能について、どの程度の精度で知ることができるか(空港レベルなのか、何番の手荷物引渡場(バゲッジクレーム)に出てきたかまで分かるのかなど)は問い合わせ中。回答あり次第追記します。