シンプルな「ミルクアイス」が最高に好きだ。
そう日々主張していると、よく「こういうのが好きなんだよね?」と言われるのが、バニラアイス。いや、違う。ミルクアイスとバニラアイスは、見た目はともに白っぽく似ているかもしれないが、断じて違う。

どこが違うのか。「ミルクの味がするか、バニラ風味がするかの違い」や、「バニラアイス=目が粗いリッチ感、ミルクアイス=ツルッとしたなめらか食感」というイメージがあるが、成分の違いや製法、何か基準があるのかと問われると、正直、わからない。
そこで、一般社団法人日本アイスクリーム協会に聞いてみた。

「バニラアイスとミルクアイスの違いについては、バニラアイスが『バニラの香料が使われていること』が条件であるのに対し、ミルクアイスは『種類別アイスミルク』以上となっています」

アイスクリームの種類は、以下の4つに分類される。

・アイスクリーム 乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上。ミルクの風味が豊かに感じられる。
・アイスミルク 乳固形分10.0%以上、乳脂肪分3.0%以上。乳固形分と乳脂肪分はアイスクリームに比べて少ないが、牛乳と同じくらいの乳成分を含んでいる。植物油脂が使われることも。
・ラクトアイス 乳固形分3.0%以上 乳固形分はさらに少なく、植物油脂が使われることも。
・氷菓 上記以外のもの 乳固形分はほとんどなく、果汁などを凍らせたアイスキャンディーやかき氷などがある。

つまり、「ミルクアイス」の基準「アイスミルク以上」というのは、乳固形分が多いほうの2つ「アイスクリーム」「アイスミルク」のいずれかだということだ。
「ただ、バニラの香料が入っていても『ミルクアイス』の場合もあるんですよ。ミルクの香料とバニラの香料どちらも入っている商品もあり、その違いは、ミルク感が強ければミルクアイス、バニラ風味が強ければバニラアイスとなります。そこはメーカーの判断によって異なるのですが、名称と中身が合致していることが大切ですね」
ちなみに、バニラ香料は、乳脂肪分のあぶらくささを抑える効果もあるそう。

そして、自分がイメージする「食感の違い」「目の粗さの違い」などは、バニラアイスとミルクアイスの違いには該当せず、あくまで個人的イメージだそうだ。

結局、バニラアイスとミルクアイスは成分の違いによって分類されるが、どちらも該当する場合には最終的に「ミルクっぽい」「バニラっぽい」風味の違いが決め手のよう。
だからこそ言いたい、ミルクアイスとバニラアイスはやっぱり味が全然違うんです。
(田幸和歌子)