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『後悔と反省の狭間で』

映画『ドリーム』

2017.10.09 03:00

ラスベガスで凄惨な銃撃事件が起きました。


ラスベガスで銃乱射事件 50人以上が死亡、400人負傷

(ハフィントンポスト)


本来なら平和の祭典でもあるはずの音楽フェスティバルを襲った悲劇。アメリカ史上最悪の銃撃事件とも言われています。犯行後に自殺した容疑者のスティーブン・パドックについても情報が錯綜していて、なぜこの事件が起きたのか真相は闇の中。

アメリカはあと何回このような悲劇を繰り返すのかと憤りを覚える。


今回の事件では容疑者は「自殺」したとのことですが、これまで銃による悲劇が起きたときアメリカでは犯人を即射殺してきた事実がある。


「アメリカで銃撃が起き、〇〇人が死傷、容疑者は射殺」


この報を見るたびに「またかよ」と思う。度々起こる銃撃や、それで命を落とした方々は間違いなく悲劇ではあるけど、それ以上に容疑者がすぐに「射殺」されることがなにより悲劇だと思う。容疑者を即射殺してしまったら動機や事件の背景もわからず、全容解明もできないから今後同じような悲劇が起きないための対策も講じれない。

容疑者を即射殺することはその場の安全確保ではあるのかもしれないけど、第二、第三の悲劇を生んでしまっているのではないか。


今回の事件はラスベガスの音楽フェスティバルで起きている。こんな夢のある場所で起きた悲劇。防ぎようのないものだったために今後も“絶対的”な安全は保証されないと思う。

それでもアメリカには「夢」があって、世界中からその「夢」を求める人で溢れる国であってほしい。だからこそ、人種や宗教など乗り越える壁は多いだろうけど、もうそろそろ前に進むべきなんじゃないのか??と、今回の事件で改めて思いました。


TOHOシネマズ新宿にて映画『ドリーム』観てきました。

出典:映画『ドリーム』公式サイト

【作品詳細】
1962年に米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた、NASAの3人の黒人系女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いたドラマ。ソ連とアメリカの宇宙開発競争が繰り広げられていた61年、米バージニア州ハンプトンにあるNASAのラングレー研究所に、ロケットの打ち上げに必要不可欠な計算を行う黒人女性グループがいた。なかでも天才的な数学の才能をもつキャサリンは、宇宙特別研究本部の計算係に抜てきされるが、白人男性ばかりのオフィス環境は、キャサリンにとって決して心地よいものではなかった。一方、ドロシーとメアリーもそれぞれ、黒人であるというだけで理不尽な境遇に立たされるが、それでも3人はひたむきに夢を追い続け、やがてNASAの歴史的な偉業に携わることとなる。キャサリン役で「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のタラジ・P・ヘンソンが主演し、ドロシー役を「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のオクタビア・スペンサー、メアリー役を「ムーンライト」などにも出演している歌手のジャネール・モネイが演じた。監督は「ヴィンセントが教えてくれたこと」のセオドア・メルフィ。ミュージシャンのファレル・ウィリアムスが製作と音楽を担当。
(原題/『Hidden Figures』 本編/127分 2016年/アメリカ 配給/20世紀フォックス映画)
引用:映画.com


予告編(reference:YouTube)


邦題改悪問題になった話題作がついに日本上陸です。なんで最初に『ドリーム “私たちのアポロ計画”』なんてタイトルにしたんだろう。そりゃ炎上しますよ。だってこの映画が描いているのは“アポロ計画”じゃなくて“マーキュリー計画”ですもんね。

本作を観れば「月」に向かう映画でないことは一目瞭然なのになぜ“アポロ計画”なんて付けたのか。たぶん担当者さんが「宇宙計画=アポロ計画」と思っていたか、日本の観客のレベルを甘く見てたかどっちかだろう。

とにかく公開前に炎上してくれて余計なタイトルが消えて良かったよ。


映画『ドリーム』素晴らしい名作です。第89回アカデミー賞がいかに混戦だったかがまたわかった。この映画は間違いなく歴史に残る作品だ。


キャサリン、ドロシー、メアリーはNASAに勤務する計算係。ロケットの打ち上げに必要な計算は全て「ヒト」の力に頼っていた、まだコンピューターが発達する前の時代。

彼女たちの仕事や才能は本来なら特別待遇されるべき素晴らしいものであるはずが、ただ「黒人」とゆうだけで冷遇されていた。

1862年の奴隷解放宣言から約100年経っても残り続ける人種差別。現代にも残るその人種差別と戦ったNASAの計算係の黒人女性たち。


この映画ではNASAで戦った黒人女性たちを描いているけど、彼女たちのように理不尽な人種差別と戦った人たちは他にも多くいたはず。その方たちの戦いがあったからこそ“今”があるはずなのだが、決して“今”の世の中から人種差別が完全に消えたわけではない。

映画『ドリーム』が描く、キャサリン、ドロシー、メアリーの「努力」と「戦い」から“今”を生きる私たちが知らなきゃいけない事実がある。色々なものに壁や溝が出来た“今”だからこそ観るべき映画。


ある時、ドロシーは白人である上司に「偏見は持ってないのよ」と言われます。それに対しドロシーは「わかります。あなたに自覚がないことは」と応える。

差別や偏見に対する問題の全てが詰まっているシーンです。


なんでこんなにも素晴らしい映画が作られるアメリカで未だに人種差別が色濃く残ってんだよ。本当に意味がわからん。

ただ、第89回アカデミー賞で最優秀作品賞に選ばれた『ムーンライト』と合わせて観ると、アメリカの映画界は少しずつではあるけど問題提議をして変わろうとしているのかもしれないなと感じました。

映画『ドリーム』本当に名作です。邦題から「私たちのアポロ計画」が消えて本当に良かったよ。


もう一つ、個人的にはチョーク(白い色)を使って黒板に書くとゆうこと、それとマグカップの色にはグッとくるものがあったので注目してもらいたい。