【今月の自作PCレシピ】RTX 3080で快適WQHDゲーミング! アーク寺崎さんが今欲しいPC

文●藤田 忠 編集●北村/ASCII

2020年10月17日 13時00分

 動画や音楽の視聴、ゲーミングといった用途やコスト、筐体サイズを重視するなど、自分好みに組み立てられるPC自作。ただ、その自由度の高さに比例して、パーツ選定にはある程度の知識や時間が必要になる。

※写真はイメージです。実際に使用するパーツとは異なります

 そんなパーツ選定に悩まずに済むよう、秋葉原の主要パーツショップ店員に聞いたオススメパーツ構成を紹介。コスト重視の激安から、最新ゲームをヌルヌル表示でプレイできるゲーミング構成まで、さまざまなPC構成を毎月お届けしよう。

 秋葉原や通販で、“○○○を快適に楽しめるPC自作パーツをサクッと買いたい!!”、“どんな構成が良いのか見当がつかない”といった人は注目してもらいたい。

ショップスタッフがいま組んでみたい
PC自作構成をお届け

 秋葉原の主要パーツショップのスタッフ達に聞いた旬なパーツや定番、鉄板のパーツで構成した自作PCレシピ。普段は最新のパーツ事情や、話題のゲームタイトルなどといったことを元に、ショップスタッフとレシピを相談してお届けしているが、“スタッフ物欲”編では、スタッフのパーツへのこだわり(愛)や物欲を遺憾なく発揮してもらい、“スタッフがいま本当に欲しい、組んでみたいと”と思うPC構成紹介していく。

より快適なWQHDゲーミングが狙い!

 今回のスタッフ物欲編は、WQHD解像度の高リフレッシュレート駆動対応ゲーミング液晶ディスプレーで、「ファイナルファンタジーXIV」をはじめとした、さまざまなゲームのプレイを楽しんでいるというパソコンショップ アークスタッフの寺崎さんだ。

ゲーム好きのスタッフが多いパソコンショップ アーク。秋葉原駅からは最も遠いショップだが、足を運ぶ価値ありだ。逆に末広町駅からはいちばん近いショップとなる

構成を提案してもらった店頭スタッフの寺崎さん。最近は「The Elder Scrolls V:Skyrim Special Edition」をプレイ中とのこと

総額40万円オーバーのハイスペックゲーミングPC

 GeForce RTX 2080 Tiを搭載し、WQHDゲーミングを楽しんでいる寺島さん。4Kゲーミングを可能にするGeForce RTX 3080をメインに、WQHD解像度(2560×1440ドット)&最高画質設定で、より快適なプレイを狙ったのが今回のハイスペックゲーミングPC構成だ。

寺崎さんがいま組みたいと思うハイスペックゲーミングPC構成がコレ

 約10万円のビデオカードなど物欲におもむくままに構成されているだけあって、総額は約42万円に達するが、そのスペックにスキは見当たらない。インテル第10世代Coreの「Core i9-10900K」をはじめ、計3TBのストレージや、冷却性能抜群の360mmラジエーター採用簡易水冷ユニット、そして良好なデザインに加え高い拡張性を持っているミドルタワーと、まさに理想的なパーツで構成されている。

快適なWQHDゲーミングのために寺崎さんがいま組みたいPC構成
CPU Intel「Core i9-10900K」
(10コア/20スレッド、3.7~5.3GHz)
6万5455円
CPUクーラー NZXT「KRAKEN X73(RL-KRX73-01)」
(360mmラジエーター、簡易水冷)
2万5000円
マザーボード ASUS「ROG STRIX Z490-E GAMING」
(Z490チップセット、ATX)
3万3455円
メモリー Kingston「HX436C17FB3AK2/32」
(DDR4-3600、16GB×2枚)
2万3628円
メインSSD Samsung「SSD 970 EVO Plus MZ-V7S1T0B/IT」
(NVMe M.2、1TB)
2万1800円
データ用SSD Samsung「SSD 970 EVO Plus MZ-V7S2T0B/IT」
(NVMe M.2、2TB)
(NVMe M.2、1TB)
4万4073円
ビデオカード ASUS「TUF-RTX3080-10G-GAMING」
(GeForce RTX 3080、GDDR6 10GB)
9万891円
PCケース NZXT「H710i(CA-H710i)」(ATX) 2万円
電源ユニット Corsair「HX1000i」
(80PLUS PLATIUM、1000W)
2万4982円
ケースファン Noctua「NF-F12 industrial PPC-3000 PWM」×3
(120mm、PWM、単価:2740円)
8220円
ケースファン Noctua「NF-A14 industrial PPC-3000 PWM」
(140mm、PWM)
3040円
ケーブル AINEX「CA-864SAPS」
(PWM×4 SATA電源コネクター)
930円
OS Microsoft「Windows 10 Home パッケージ版」
(May 2019 Update適用済み)
1万6530円
小計(税抜)   37万8004円
消費税(10%)   3万7800円
総額(税込)   41万5804円

※価格は10月10日調べ。店頭価格ならびに在庫を保証するものではありません。

Core i9-10900KとGeForce RTX 3080で快適ゲーミング

 LGA1200プラットフォーム最上位CPUとなるCore i9-10900Kと、GeForce RTX 3080搭載のASUS「TUF-RTX3080-10G-GAMING」だけで、カジュアルゲーミングPCが組めてしまう価格の17万円程度になってしまうが、20スレッドによる動画や写真の編集はもちろん、そのパフォーマンスに不安なし。

10コア/20スレッドで、最大5.3GHzのCore i9-10900K。クリエイティブも、ゲーミングも足を引っ張ることないCPUだ

オリジナル基板と大型3連ファンクーラーを採用しつつ、10万円を切っているのが魅力

側面のTUF GAMINGロゴ部が発光。PC内を軽く彩る

 WQHDを超える3440×1440ドットのウルトラワイド解像度&リフレッシュレート144Hz駆動で5万円台のGIGABYE製液晶ディスプレー「G34WQC」などと組み合わせたウルトラワイドゲーミングを快適に行なえる。

3440×1440ドットの曲面ウルトラワイド液晶のGIGABYTE「G34WQC」。実売価格5万8000円前後で、リフレッシュレート144Hzや、HDR400対応と魅力的だ

 実際、細かなスペックは異なるが、8コア/16スレッドの第9世代Core iとGeForce RTX 3080を組み合わせたPCで、レイトレーシング機能を最大限効かせた最高画質設定の3440×1440ドット解像度で、「CONTROL(CONTROL ULTIMATE EDITION)」をフレームレート100fps前後でプレイできている。

レイトレーシング機能を山盛りの「CONTROL(CONTROL ULTIMATE EDITION)」。GeForce RTX 3080なら、3440×1440ドットで快適にゲームをプレイできる

主人公や、背景がガラスに映り込むなど、レイトレ満載のCONTROLも、60fpsオーバーでプレイできる

2.5GbE LANやWi-Fi6など
周辺にもスキのないマザーボード

 マザーボードには、14+2フェーズの堅牢な電源回路に、2基のPCIe 3.0対応M.2スロットや、インテルチップ採用の2.5GbE 有線 LANとWi-Fi6を備えるASUS「ROG STRIX Z490-E GAMING」を選択している。

Z490チップセットを採用するASUS「ROG STRIX Z490-E GAMING」

10コアCPUを安定して動作させる堅牢な電源回路と、回路の発熱をしっかり放熱する大型ヒートシンクを搭載する

 メモリーは、老舗メモリーメーカーKingston製の「HX436C17FB3AK2/32」(16GB×2)を組み合わせている。ヒートスプレッダートップにアドレサブルRGB LEDユニットを搭載する「Fury DDR4 RGB」の3600MHz駆動でレイテンシーもCL17ー21ー21と高速だ。

老舗メモリーメーカーKingstonのLEDメモリー「Fury DDR4 RGB」を組み合わせ。3600MHz駆動のCL17動作と高速だ

ヒートスプレッダーのトップにアドレサブルRGB LEDユニットを装備する

CPUをしっかり冷却しながらPC内を彩る

 CPUクーラーには、高い冷却性を発揮する簡易水冷ユニットを選択。ウォーターブロック部に、インフィニティーミラーを内蔵し、独特なLED演出を楽しめるNZXT「KRAKEN X」シリーズのなかから、360mmラジエーターを採用する「KRAKEN X73」をチョイス。マザーボードのIOポートカバーと、チップセットヒートシンク部に、メモリー「Fury DDR4 RGB」トップのLEDイルミネーションとともに、PC内部をキレイに彩れる。

360mmラジエーターのKRAKEN X73」。20スレッドCPUを、余裕で冷却だ

幻想的なLED演出が楽しめるウォーターブロックが最大の特徴だ

NVMe SSDで合計3TBを搭載!
プレイ録画もたっぷり保存

 ストレージには、1世代前になるがパフォーマンス、信頼性ともに定評のあるSAMSUNG製PCIe Gen3.0×4接続のNVMe SSD「970 EVO Plus」の1TBと2TBモデルを組み合わせている。

 後継モデルで、ピーク7GB/sという驚愕のリード性能を発揮するPCIe Gen4.0×4対応の「SSD 980 PRO」も登場しているが、インテルプラットフォームでの対応は次世代に持ち越し。今回のデフォルト構成では、安定性や、耐久性といった面に不安のない「970 EVO Plus」を選んでいるという。

 もちろん、CPUとマザーボードのリプレースを想定して、システムストレージにはPCIe 4.0×4接続に対応する「980 PRO」を選ぶのもありだ。

PCIe 3.0×4接続のNVMe M.2 SSD「970 EVO Plus」。1TBと2TBモデルの2枚差しに

最大7.1GB/sのリード性能を発揮するPCIe 4.0接続の次世代NVMe SSD「980 PRO」の1TBモデル

PCケース周りも抜かりなし

 PCケースは、フラットなフロントデザインや、自作初心者でもキレイに裏面配線できるケーブルガイド、PC内部を彩るLEDストリップテープといった魅力を備えているNZXTのミドルタワー「H710i」を選んだ寺崎さん。Extended ATXに対応する高い拡張性で長く使えること間違いなしだ。

NZXTのミドルタワーPCケース「H710i」。PC内のノイズを計測、蓄積して、自動でファンの回転数を制御する「Smart Device V2」も搭載する

外観がマットホワイト、内部ブラックなど、カラバリも用意する

 さらにケースフロントには、Noctuaの120mmファンの「NF-F12 industrial PPC-3000 PWM」を3基、リアに140mmの「NF-A14 industrial PPC-3000 PWM」を1基追加。簡易水冷CPUクーラーの360mmラジエーターが備える120mmファン×3基と合わせ、7基のファンを搭載。長時間ゲーミングも安心だ。

Noctuaの産業向けで、防塵・防水仕様(IP52)のファンを吸排気に追加。120mm、140mmモデルともに回転数は800~3000rpmになる

 電源ユニットには、80PLUS PLATIUM認証を取得する容量1000WのCorsair「HX1000i 」になる。Corsairの統合ソフトウェアで、対応する同社製品のファン回転数や、LEDイルミネーションの制御などをOS上から行なえる「iCUE」(Corsair Link)に対応しており、内蔵ファンの制御や、電圧、消費電力の確認が可能だ。

 余裕のある1000Wモデルなので、GeForce RTX 3000シリーズ最上位GPUとなる「GeForce RTX 3090」や、さらにその先の次世代GPUも不安なく搭載できる。

80PLUS PLATIUM 1000Wのハイエンド電源ユニットのCorsair「HX1000i」

【取材協力】

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