千葉県市原市の山倉ダム世界でも突出して多い日本の水上太陽光発電の課題が浮き彫りに Photo:JIJI

急伸する太陽光発電業界で注目されている水上太陽光発電。大手企業が参画し、日本最大となったプロジェクトにおいて、今回の台風15号により設置からわずか1年半で火災事故が発生してしまった。そこから浮き彫りになった問題点とは。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

世界の50%以上が日本に集中
土地がなくなり水上に白羽の矢

 ダムから黒煙が上がっている。9月9日、こんな地元住民の目撃情報が相次いだ。

 場所は千葉県市原市の山倉ダム。原因は、ここに設置された水上太陽光発電設備の火災だった。

 日本の大手メーカーの京セラと伊藤忠商事グループの東京センチュリーが共同出資した京セラTCLソーラーは、昨年3月、日本最大となる水上太陽光発電所の運転を開始した。設計・施工は京セラ関連会社の京セラコミュニケーションシステムが手掛けた。

 出力は1万3700kWでパネルの数は5万枚にも上る。5000世帯分近い電力を供給できる計算だ。

 実は日本では今、この水上太陽光発電所が盛んだ。