諸事情あってまた別の部品を試すことになった。
 
※今回はシマノロードバイクコンポーネンツ、11速モデルの変速機の話です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
{2E8F3239-5EFE-48CC-AFEC-29F9FFA14DBE}
新型アルテグラだッ
 
 
もてぎエンデューロ7時間ソロテスト運用したRD-9000、特に悪いことがあるわけでもなくそのまま継続使用でもいいんだけど。
もともと目当ての品番機種があったのと転売したほうが良さそうなので元に(RD-6800)戻した。
その矢先に新型アルテグラの発送メールがきてしまった。
グレードだけでみたらアルテグラよりデュラエースの方が上だけど R-Typeからはディレーラーの構造が変わったのでちょっと使ってみたいと。
まぁ相場よりも安価だし9000のほうが転売益取れそうなのでR8000に交換します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
{AA853D9A-F992-40DF-A8BC-CD3A7294BDB9}
11速アルテグラ新旧比較
 
右側:旧アルテグラ RD-6800-GS
左側:新アルテグラ RD-R8000-SS
 
勝手にR-Typeって呼んでるけど品番の頭にRが付いてからはリアディレーラーの構造が変更された(11速のみ、SORAなどは違う)ので僕はそう呼んでる。
 
見た目で分かる大きな変更は転倒や接触時のダメージ軽減になるであろう 横方向へのせり出し量が少なくなるシャドーデザインという技術と
ディレーラーの取付方法がダイレクトマウント対応になったこと。
詳しくはリンク先のシマノHPを見てください。
個人的に気になっていたのはトップギア(Hi側)に入れたときのシフトワイヤーの屈曲の減少とキャパシティ増加。
ワイヤー取り回しが改善されてると消耗品のダメージも少なくなるだろうし、ロー側最大対応ギアの拡大は手持ちのスプロケットを有効に確実に使えるものだと思ってたりする。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
{8FE750C4-24ED-4690-B259-96FA74AB7A90}
パンタグラフBアームの肉抜きはハニカム構造
 
菱形のパンタグラフの動きそのものは変わらないけどレバー比や動く向きが変わり、かつフレーム取付が1部品介しているためクイックシャフト(車輪回転軸)から距離が稼げたおかげで車輪の取り外しが容易になった(らしい)。
まぁ僕の場合は転倒時の衝撃防止とディレーラー保護にディレーラーガードを付けているので手間は以前と変わらない(ディレーラーに接触はしなくなった)。
 
パンタグラフのアームを裏側から拝見するとハチの巣のようなハニカム構造の肉抜き加工が成されていた。
それにしてもシマノ新品時のグリス(緑色のやつ)はどうしてこれでもか!ってほどてんこ盛りしてるんだろう。
どうみても関係ないとこまでこってり盛ってある。
意味のない箇所への過剰グリスは砂埃をため込むだけなので綿棒とかで丁寧に取り除く(可動部は当然残す)。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
{4AA3591F-CFCF-45C4-B4C6-F2EF81D71E29}
フレーム取付部(裏側から)
 
 
フレームへの取り付けはディレーラーハンガーに付けることは変わりないけど そこへ「関節」がひとつ増えている。
MTBとかでよく見かける(正式名称はなんだ?)ものでフロントシングル、大口径スプロケットを付ける際に使用するアフターパーツにも似てる。
このパーツがあるおかげで車輪中心軸から変速機が離れ 大きなスプロケットが装着できるようになったんだと思う。
これまではこの個所(B軸)にはスプリングが入っていてプーリーに2重でテンションが掛かるようになっていたけど それが撤廃されシングルテンション化された。
可動部や部品点数が減るのはメンテナンスが楽になるのでいい。
チェーンかける際に手がすっぽ抜けてチェーンが吹っ飛ぶ時の飛距離も飛躍的に伸びたのは、テンションプーリー側のバネの強さが上がっている証拠とみて間違いナイでしょう。
 
ハンガーの爪先は爪の外側に。
締めすぎ注意。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
{85823523-80A1-4065-8835-1EE303504C38}
各所調整ネジ
 
 
先日のRD-9000取付の記事でも書いたけど ディレーラーのキモともいえる各種調整ネジ(アジャスタースクリュー)もフロントディレーラーほどではないけど少し変更になっていた。
可動範囲調整ネジの位置は変わらないけれど B軸調整ネジは下から覗き込むようにしないと見えにくい。
また、これまでプラスドライバーで回していたネジの頭が2mmのアレンキ―で回せるようになってた。
 
シフトワイヤー留めも基本的には同じ。
ただしワイヤーの余りを長くとりすぎるとロー側に入れた際にスポークやプーリーそのものに干渉してしまうかもしれないので注意。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
{BD85862E-1172-4FC9-97AB-78A3D282552D}
ガイドプーリーの見た目が激しくなった
 
変速機の上滑車をガイドプーリー、下滑車をテンションプーリーという。
よくそこらの解説サイトで新型Dura-Ace(R9100系)や新型アルテグラ(R8000系)のガイドプーリーは 刃先が長くなってチェーンをよく噛む反面、リリースが遅くなったって記事を見かける。
 
実際のところはどうなんだろう。
 
しっかりと調整したうえでガチャガチャ変速を派手にやってみたけど遅延を感じることはなかった(鈍感なだけ?)。
チェーンはよく噛んでくれるだろうけどしっかりと注油されていればリリース遅延はないだろうし、そもそも樹脂製のプーリーなので使い込んでくれば使用者の気づかないうちに先端が削れてイイ感じの甘噛み状態になるんじゃないのかな。
 
ガイドプーリーにはプーリー自体が横方向に動くセンタロン機構は無くなり、テンションプーリーの刃先はいつもの矢羽のような方向性があった。
もちろん、上下ともにシールドベアリング。
 
真新しいプーリーだからなのか 新型だからなのか、同じチェーンでたすき掛け(Fアウター&RインナーやFインナー&Rトップなど)状態でのチェーンからのコリコリ(シュルシュル?)音は無くなってとても静かなものだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
{CB31F2BA-1B38-4069-BA03-417FA73DBB3F}
ンハァァァァァン!32T、入っちゃった…!
 
 
新型のRD-R8000-SSのメーカー公表値では
ロー側最大/最小対応ギアが30/25T、
トップ側最大/最小対応ギアは14/11T
となっている。
 
これは新型アルテグラから新たにCS-R8000(11-30T)というスペックがラインナップされたことへの対応だと思う(32Tや34Tは相変わらずGSタイプのみ)。
6800系SSゲージではロー側最大値が28Tまでだったため、32Tのロード用乙女ギアを使うにはこれまでGSゲージというプーリーゲージが長いもの(ロングゲージ)を使ってきた。
ところがR8000系SSゲージのロー側最大値は30Tまで拡大されこれまでの最大対応ギアと乙女32Tとの差が4T→2Tまで詰まってくれた。
ということはメーカー推奨外だけどSSゲージでも11-32Tも入っちゃう??
 
で、さっそくCS-6800(11-32T)を突っ込んでみたら…入っちゃいました。
結構あっさりと。
(以前5800系105のSSゲージでも32T運用できた経験もあり)
 
ということはこのSSゲージのままでこれまで無駄に所有していたスプロケもそれなりに活用できるかも。
RD-6800(GS)のロー側最大/最小対応ギアが32/28Tだったので、手持ちの小さめのスプロケ(11-23Tや12-25T)では若干のレスポンス不足が感じられた。
今度のRD-R8000 -SSは最小25Tまで対応しているので(調整さえしっかりすれば)ワンサイズ小さい11-23Tでもそこそこのレスポンスの良さは期待できそう。
このあと11-23Tでもテストしましたが問題なく稼働できました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
{17138AAC-3272-48A5-85FC-D96DB1EFB12B}
横から見ると2本足歩行のロボットの足みたい
 
 
この見た目が気に入らないという意見もわかるといえばわかる。
けど僕は好きだなぁ。
 
ところで新品のRD-R8000のパッケージにはOT-RS900という専用のアウターケーシングが付属しているらしい。
この部品は新車外しの新古品だったのでそのアウターワイヤーは無かったので 既存の緑のアウターケーシングを使いまわした。
 
で、ちょっと気になる記事を見つけたんだけど どうやらきちんとカーブを描くような設置をすればこのOT-RS900を使わなくても良さそうとのこと。
(じゃぁ何のための…なんて野暮なことは言っちゃダメ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
{B1C20309-D255-4296-9CE1-D39F42924659}
上:RD-R8000SS ローギア
中:RD-R8000SS トップギア
下:RD-6800GS トップギア
 
新旧比較画像。
新型R8000アルテグラの方がディレーラーのせり出し量が格段に少ないのがよくわかる。
半面シフトワイヤー受けの向きが斜めの為 ワイヤーそのものが大きく外にせり出している。
このループを短くしてしまうとディレーラーの反応が鈍くなるし長いとそれなりに干渉してしまいそう。
意味なくはないけど…??
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
{5343E6A7-C276-4C90-8A6B-E7CE3C163866}
というわけで完成
 
 
とまぁメリットもあれば当然デメリットもあるわけで。
新古品で入手したので細かいパーツがなかったりメカニックマニュアルがなかったりとそれなりのリスクはあるけれど、操作感やレスポンスは明らかによくなってるので総じて「買ってよかった」と思う。
値段的には新品のRD-6800SS Amazon価格と同じかより少し安いあたり。
STIレバーやクランクは高いので急いで買うことはないけど あとは新型フロントディレーラーを試してみたいねぇ。
 

交換時積算走行距離 8,216.3km
 
 
2017/12/01    記