感染性胃腸炎とインフルエンザが流行している真冬ですが、ちょっと夏の話を……。
近年は猛暑の夏が続き、暑さで食欲もなくなってしまいがち。
そんな時は、冷やし素麺なんかが宜しいようで…。
ところで何故、夏には「そうめん」なのでしょう? 食欲がない時だからこそ、焼き肉を食べ、鰻丼を食べ、冷たいビールや麦茶を飲んで、スタミナを付けるのが昨今の習慣です。
しかしそれでも脱水症状を起こし、熱中症や熱射病で救急搬送される人が増えています。
脳梗塞も、脱水症状も、体内の水分不足による血液粘度の上昇・・・つまり、ドロドロ血液が原因です。
夏は発汗によって急速に水分が失われ、それに対して補給が追いつかない事が原因。
冬は、気温差で血管が急激に収縮する事で、脳貧血状態に陥る事が原因で、それを繰り返すと、血栓が生じてしまいます。
テレ東の女子アナウンサーが軽い脳梗塞だったとの報道がありましたが、実は、ドロドロ血液かどうかは血液検査で分かります。
人間ドックや健康診断では、脳梗塞は見つけにくいと言われていますが、自分の身体の水分量が多いか少ないかは、簡単に分かるのです。
そしてドロドロ血液を指摘されたら、これまでより多めの水分を摂取し、頻繁に水分を摂るよう心がけるだけで、心臓が体内に血液を送り出す力も、弱くて済むので、血圧の上昇を防ぐ事も出来ます。
ウイルスの侵入による発熱、下痢。暑夏の発汗に抵抗するのは体内に残っている水分です。
水分が不足すると生命の危機に直面します。
日本人は米と小麦とソバ麦を古くから栽培して来ました。
その中で何故、米を主食に選んだのでしょう?
その理由は、上の表のように、白米や玄米を炊く事で多くの水分も一緒に摂取しているのです。
しかし今はパンが主食になった為、水分量は4分の1以下に減ってしまいました。
日本人の身体は、ご飯から効率良く水分を補給出来る仕組みに優れています。そして夏場にはもっとたくさんの水分を摂るために、そうめんを食べる習慣が出来ました。
また蕎麦やうどんも、一緒に水分を摂るので、日本人は「すする」という動作に優れています。
これは一つの知恵です。
欧米人より腸の短い日本人にとって、早く効率的に食事から水分を吸収するには、水分を多く含んだ食物を食べるのが最善だと言う、先人たちの選択なのかもしれません。
子供が発熱した時は、熱を下げる事と水分の補給は欠かせません。
特に重症化しやすい冬のノロウイルスやインフルエンザ、夏のO-157などの食中毒と暑さによる脱水では、時にスポーツドリンクを少しずつの方が良い場合もあります。
しかしお子さんには、砂糖や果糖ブドウ糖は良くありません。
それにドリンクではナトリウムが電荷されていないので、体内への吸収が遅く、果糖由来のブドウ糖は、カロリーが高く脱水症状の時では血糖値が上がるので、お勧め出来ません。
急性期の水分補給は、子ども用の飲みやすい飲料が良いでしょう。
ほとんどの病院で、入院患者の食事時に配膳される、ほうじ茶。
ずぅーっと不思議でした。
病院に入院すると、食事と一緒にほうじ茶が湯飲みに注がれます。
何故、ほうじ茶なのでしょうか??
勿論、白湯でもいい訳ですが、入院した病院全てで、必ずほうじ茶が用意されています。
実は、お茶には殺菌作用がありますが、煎茶ではカフェイン量が多く、
カフェイン量の小さいほうじ茶が選ばれたようです。
カフェインが微量なので、薬を飲むのにも適しています。
子ども用に更に飲みやすい、ほうじ茶もドラッグストアに…
ピジョン ベビーほうじ茶(生後1ヶ月から)
ピジョン happy light りんご味(生後3ヶ月から)
こちらはポカリスエットと同類のイオン飲料。
ナトリウムがイオン化されて素早く塩分を補給出来ます。
しかも、りんご味。
水分をわざわざ意識して補給する人は、俗に言う「汗っかき」の人で、それ以外の人は無理に水分を摂取する必要はないと思われているかもしれません。
しかしそれは食事から十分な水分を得ている場合。
例えばアルコール(ビールなど)と一緒に食事をするのも水分補給の方法ですが、決して身体に良いとは言えません。
しかも朝も昼もとなれば、更に不健康でしょう。
日本人の食事は、長い年月を経て今日に至ったもので、お寿司が健康に良いからと欧米人がお寿司を食べても、ヘルシーに貢献出来るものではありません。
生の鮮魚を食べるために、雑菌の繁殖を抑えるワサビと、消毒作用のある煎茶を一緒に飲んで初めてお寿司が効果を現します。
回転寿司でも必ずお茶が飲み放題なのは、食中毒防止の効果がお茶のカテキンやタンニンにあるので、十分飲んで欲しいという必需品だからです。
だからコーヒーには殺菌効果はありません。
食文化と日本の厳しい気候は、食べ物と健康を堅く結びつけています。
その知恵と工夫を忘れると、感染症が猛威をふるい、私たちはたちまち雑菌にさえ太刀打ち出来なくなるかもしれません・・・。