「音どうしに含まれる、音の振動数の成分が一致するとキレイに聞こえるんです」

 

音楽は、ドレミファソラシドの音階を使って作られますね。

和音が美しく響くと、音楽が豊かに聞こえるようになります。

 

和音というと、ド・ミ・ソ、レ・ファ・ラ、ファ・ラ・ドなど、いくつかの音を同時に鳴らして

豊かな響きを感じさせる、相性の良い音の組合せですね。

ハーモニーともいいますね。

 

たくさんの音階があるなかで、相性のよい音階の組み合わせがあるのは、

どうしてなんでしょうか。

特別な音の組み合わせしか美しい和音の響きにならないのは、

あんまりきにならないけれどなんか不思議~ですね。


ちょっと考えてみます。


私たちは、空気の振動を音として聞いています。

例えばピアノでは、鍵盤をたたくと、ピアノの中にある、細い針金のピアノ線が振動します。

この振動が空気に伝わって、音として聞こえます。


ピアノ線の振動数が高いと、高い音が出て、振動数が低いと低い音が出ます。


音階を最初に作ったのは、なんと数学者のピタゴラスだったと言われています。

ピタゴラスは、ドレミファソラシドの振動数の比を計算によってきめて音階を作りました。

ところが、ピタゴラスの音階は、和音が美しく響きませんでした。


ド・ミ・ソの振動数の比が、整数の比なにならないで、中途半端な比になるせいでした。

 

和音が美しく響くためには、音の振動数の比が整数の比にならないといけないんですね。


たとえば、ド・ミ・ソの振動数の比=4:5:6というようにキレイにい整数の比にならないといけないんですね。

振動数が整数の比にならないで、中途半端な少数がまじると、キレイに響かないで気持ち悪い和音となっていまします。


単純な整数の比だと公倍数がたくさんできて、

音の中に含まれる振動数どうしが一致するところが多くなって和音がキレイに響きます。


音の中に含まれる振動数どうしの比に、中途半端な少数がまじるようだと、

音の中に含まれる振動数どうしが一致するところがなくなって、和音がキレイに響きません。


公倍数とか出てきて、なにやらむずかしい話になってきましたね。

 

例えば、ドの音の基本の振動数を200とすると、

ドの音には、基本の振動数を200の他にも、振動数400、600、800というように、

ドの音の基本の振動数の2倍、3倍、4倍・・といった整数倍の振動数の音が含まれています。


例えば、ソの音の基本の振動数を300とすると、振動数600、900、1200というように、

ソの音の基本の振動数の2倍、3倍、4倍・・といった整数倍の振動数の音が含まれています。


ドとソの音を比べてみると、振動数600の音を両方持っていることになります。

こうやって一致する振動数が多いとキレイな和音になって響きます。

 

一致する振動数を探すのは、算数の公倍数を探すのと同じなのですね。

 

整数どうしの公倍数はたくさん組み合わせができますが、

中途半端は少数がまじると、公倍数の組み合わせがなかなかできません。

 

だから、音どうしの振動数の比が単純な整数の比にならないと

キレイな和音にならないんですね。


ピタゴラスが音階を決めたのは、紀元前のことですが、そのあと音楽が複雑になってくると、

和音をキレイに響かせる音階が必要なってきました。

 

そこで、和音がキレイに響くように音階が修正されました。純正律という名前がついています。

純正律では、
ド・ミ・ソの振動数の比=4:5:6、
ファ・ラ・ドの振動数の比=4:5:6、

というように、音の振動数の比がキレイに整数の比になります。


しかし現在は、純正律音階は使われないで、平均律音階が使われています。

純正律音階では、転調(てんちょう)ができなかったという問題があったのです。

 

転調は、カラオケでキーを変えるというアノ操作です。

ドで始まる音階にしても、レで始まる音階にしても同じメロディーに聞こえます。


平均律音階は、キーを変えるという転調(てんちょう)ができますが、

和音となる音どうしの振動数の比が、正確に単純な整数の比にならないので、

和音の響きの美しさは、純正律のほうが美しく響きます。


音楽と理科、算数は意外にも関連が深いですね。

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蛯原ようすけ minna.no.kagaku@gmail.com
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