皆さんこんばんは。



僕の投稿が地元の八重山毎日新聞に掲載されたので

テンション上がってしまってブログでもUPしておきます。


今年は、非常に沢山のことを考えなくてはいけない年になる予感がしていますが、やっぱり基地問題もこの文章のテーマの一次産業も

全て「安全に暮らす」というのが僕のビックテーマなんですよね。


日本は長年の平和で安全保障についてあまり真剣に

考えてこなかったように思います。


政治家が安全保障を第一に考えて、様々な政策を打つように期待しています。


それではどーーーぞーーーー

(例によって超長いので、途中で飽きてしまったらごめんなさい)




我が国の第一次産業が置かれている状況は
主要先進国の中では最低の39%(平成24年)という

食料自給率の低下,後継者不足就業人口の減少,輸入物の増加による競争力低下,耕作放棄地の増加といった深刻な現状がある。


またそれに伴う高齢化も危惧されている。

例えば、農業就業人口は平成2(1990)年には500万人近くいたのに、平成23(2011)年には260万1千人となり、また、65歳以上の割合が約158万人で6割、75歳以上の割合が82万人と3割を占める。


同様に漁業人口も,漁に出る17万人の男性の5割が

60歳以上の高齢者が占める。


八重山でも農業,漁業,畜産業等の、

第一産業に従事する方の減少・高齢化は解決の糸口の見えない
大きな課題となっている。


日本のGDPで考えると
第一次産業は全体の2パーセント未満に過ぎず
その割合も年々減少傾向にあり、

経済成長への影響もかなり
なくなって来ている。


日本は第一次産業を捨て
得意な製造業等の産業を強化し、より多く稼いだお金で外国から
野菜なり、魚なり肉を買ったほうが

実は経済成長も出来て安上がりで済む

ということも、また事実なのであろう。
(TPPの関税撤廃はこれを目的にしている。)


経済の成長は福祉や地震対策のインフラ整備の充実に直結するので

出来るだけ
GDPは増やしたほうが良いのも事実だ。
 

筆者は政府が掲げる「国家のGDPの成長」

という目的そのものには全く反論は無い。


しかしだ。


筆者はこの第一次産業の衰退の影響を非常に危惧している。

第一次産業は例えるなら国家の「家庭の台所」のようなものなのだ。


家庭の台所が無くても家庭は経済的には全く崩壊しない、
料理に使う時間があるならその分仕事をして、稼いだお金で
安い弁当等を買ったほうが、時間もお金も節約でき家庭も潤うことも
多いだろう。


だが、家庭の台所の消失は
自分の為に一生懸命作った料理が出来るまでの様々な過程
見る機会を失う。

 

 それと同じように
地域の第一次産業の消失は具体的に、
その場所で獲れた食べ物を身近な生産者を意識して食べる
という機会の消失、
自分の生活圏内にある農場漁場を通して食べ物の原点を知る
機会の消失、、
またその「食べ物を育んでいる自然、郷土への畏敬の念」
の消失に繋がる。


それは、食物が無ければ人は一切生きられないという自覚の消失、
すなわち「感謝の心」を失うことになると思うのだ。


目の前の料理には必ず、食料になった生き物やそれを育んだ自然、

そして食べ物を獲る人、
料理を作った人がいなくてはならない。


それぞれへの感謝の気持ちを忘れずに「いただきます」という気持ちで
体内に取り込むことにより、
「自分の命は動植物の命を頂くことにより長らえ、
誰かの力に支えられている

という事実に気づく。


それは他の「命」や他人を
尊重することになり、動植物を育む自然を大切にし
無駄な殺生をしない優しい心を育むことになるだろうし、
自身の生への感謝に、そして周りへの感謝の気持ちになり、

謙虚心を育む

のではないだろうか。


自分の命は弱く、周りの環境に支えらなくては維持できない,
という自覚。


これは子供の教育にもちろん良いが我々大人が
忘れかけている「人や自然のぬくもり
を思い出すにも
とても有意義なものだと思う。


つまり第一次産業が衰退の一途を辿っているということは
「心」を育成する機会、「心」に触れる機会も衰退の一途

を辿っていると
言っても過言ではないだろう。


厄介なことに「心」はGDPの成長率では全く計れない
お金では換算出来ないのだ。


そして、我が国が第一次産業を失う弊害はそれだけではない。


先日、国土強靭化法案が可決された。
日本は世界の0.25パーセントしか国土がないのに、マグニチュード6以上の地震の2割は日本で発生し、しかも台風・火山・豪雨・豪雪・それに伴う土砂災害等、自然災害に翻弄され、常に危険にさらされる
運命を持った島国だ。


しかも発生時期は直前までわからない。


その対案として脆弱な日本国土を建造物の耐震化や

防波堤など適切なインフラ整備で日本を

強靭化させる法案が

国土強靭化法案だ。


しかし政府はもう一つの「安全保障」を早急に確立させなくてはならない。


それこそが第一次産業の復興だ。


日本がこのまま、自国で食料を生産出来ない国になり
外国からの輸入で全てを賄っていくようになるとする。

しかし
万が一、輸入元の国が自然災害や戦争に巻き込まれ、日本に
売る余裕が無くなってしまったり、またその国の外交手段の道具にでもされ食料を一切売ってくれなくなると、日本の食の安全保障は用意に毀損する


もしその時、

自国で生産する技術・基盤自体が既に風化して失われていたら

再興も出来ず人が飢えて減っていくしかない。

第一次産業の衰退は実は国家の脆弱化をも意味するのだ。


海外に頼らざるを得ない食料があって当然だが
供給源の多様化という意味でも

国内の自給率の安定化は絶対に必要だ。

 


八重山でもこのまま数年後には衰退していい産業では絶対にない


まずは政府が後継者不足対策として
地域でのUターン者のバックアップ政策を充実させる等
将来を見据えた政策をして欲しい。


そして国策として八重山の農業・漁業・畜産業を生業とする方は、実は

国境の島で、軍事的基地と同等か、それ以上に
国家の安全を保ち、国民の心をも支えている英雄なのだ」

という事実を
もっと国民全体に認識させて
第一次産業への良いイメージつくりをするべきだ。


つまり八重山では今、英雄達が減ってきているのだ。


第一次産業の復活は

何百年先にも美しい自然や美しい心を持った人がいる八重山を維持する
為にはかかせないのではないだろうか。