OLYMPUS AUTO-EYE  | 華麗なるヲタ族 ~哀と自虐に満ちた独り言の日々~

華麗なるヲタ族 ~哀と自虐に満ちた独り言の日々~

ヲタクで変人、社会のはみ出し者を自称する広島のアウトロー【クズノキワミオヤヂ】が戯言・寝言・妄言・世迷言・虚言・失言・暴言などをグダグダ垂れ流す独り言ブログです。

こんばんわ、南部廣洲です。


先週の日曜日にネトオクで落札したカメラが一昨日のお昼に届き、紹介するにあたり落札したカメラについてネットでいろいろ調べてきましたので、お披露目も兼ねて素人なりに紹介していきます。










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【オリンパス オートアイ】です。


ちなみに落札金額は純正の革ケース付き(スリングは欠品)で2,500円也(※送料、振込手数料は別)。


落札に到ったキッカケですが、ネトオクでお目当てのカメラ(スプリングカメラ)は出品されてないか、ボーっと眺めていた時に何気なく覗いたコンパクトカメラ(オリンパス)のカテゴリーでコレを見つけのがそもそもの出会い。


画像や商品説明を見た限りでは値段に対して状態は驚くほど良好な即決品だったコトと、そのレトロでシンプルなデザインに一目惚れしてしまい、入札するか否かしばらく思案するコト数分…。


お目当てのカメラはまた次の機会に探すコトにし、結局そのまま即決価格で落札。


基本的にセコケチで【安さ】や【お得】にはめっぽうに弱い、節操ナシな人間なんで(苦笑)



まぁ、それはさておき…まず最初に、このオートアイの基本スペックを載せておきます。


スペックに何か間違いがありましたら遠慮なくご指摘をお願いしますm(_ _)m




・製品名:オリンパスオートアイ

・メーカー:オリンパス光学株式会社(発売当時)

・発売:1960(昭和35)年4月

・型式:レンズシャッター式レンジファインダーカメラ

・レンズ:D-Zuiko 45mm F2.8(3群4枚構成)

・シャッター:コパルSV 機械式シャッター/M・X接点

・シャッタースピード:B・1-1/500

・絞り:F2.8~F22

・セルフタイマー:あり

・ファインダー:採光式ブライトフレーム(倍率0.55倍)

・フィルム巻き上げ:レバー式(セルフコッキング、自動巻止、二重露光防止機能付き)

・フィルムカウンター:順算式、自動復元式

・フィルム巻戻し:クランク式、巻戻しボタンセット式

・露出制御:シャッタースピード優先EE

・露出計:セレン光電池式

・電源:不要

・測光範囲:EV7~EV17(ASA100)

・フィルム感度:ASA10~800

・フィルムサイズ:135フィルム(35mm)

・画面サイズ:24mm×36mm

・フォーカス:マニュアル

・ピント調整:前群ヘリコイド式

・距離表示:m(メートル)、ft(フィート)距離目盛り付き

・サイズ:81x134x77mm

・重量:650g

・価格:21500円(革ケース、スリング付)

・備考:前期型、後期型あり



まぁ、こんな感じです。

ちなみネットで仕入れ情報によると、どうやらこのカメラは昭和35年にオリンパスが世界に先駆けて商品化した世界初の実用的なシャッタースピード優先EEカメラ第一号で、今で言うところの“AE(=自動露出)”と呼ばれるカメラのハシリらしく、このカメラの発売をきっかけに35mmカメラは次第に自動化が進み、EEカメラ全盛の時代へと突入するコトとなった歴史的にも記念すべきカメラになる…はずだった。

というのも、オートアイの発売から僅か1年後(昭和36年)、強力なライバル――“悪魔”が突如出現したからです。


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そのライバルとは…後に日本でEEカメラブームを巻き起こし、社会現象となるほどの大ヒットを飛ばすコトとなるキャノンの【キャノネット】が発売され、シャッタースピード優先EEでありながら「マニュアルも使え」、「レンズもF1.9と明るく」、「操作性も良く」、「それでいて価格も大幅に安価(18,800円)」というある意味バケモノじみたその高性能ぶりとコストパフォーマスの高さ、“ダンピング”と非難されるほどの価格破壊を前に「マニュアルが使えず」、「レンズもF2.8と暗く」、「操作性もあまり良くなく」、「そのクセ値段が高い(2,1800円)」オートアイには当然勝ち目はなく、改良・発展型の【オートアイ2】を翌年(昭和37年)に投入するも、発売から僅か2年(オートアイ2にいたっては1年にも満たないまま)でオートアイ・シリーズは生産終了。

本来なら【EEカメラの代名詞】となるはずだったオートアイはキャノネットのインパクトの大きさや陰に隠れる形でほとんど注目されず、業界や人々の記憶から“世界初のEEカメラ”だったコトすらも忘れ去られてしまった悲運のカメラだったようです。

ただ、こう書いてしまってはこれからオートアイを手にしようとされる方、修理される方たちにとって決していい宣伝(?)にはならないし、オリンパス好きの自分としてもこのカメラの名誉のためにも弁護しますが、実際に所有されている方々のレビューなんかを見ると、カメラとしての基本性能や写りに関しては決して悪いモノではなく、ライバルだったキャノネットにも勝るとも劣らない、オートアイにしかない個性や魅力もあります。

確かに、世界初のEEカメラというコトで技術的にはまだまだ未熟で、従来の35mmカメラにそのままEE機構を取って付けたようなズングリとした鏡胴の付け根周りと、EE機構をコンパクトに作れなかった構造的な制約上、ピントリングが鏡胴の根元ではなく、前群レンズを回してピント合わせをするなど、機構的にもレイアウト的にも練り込まれていない部分も多く、試作品の域を出ていないといった印象はあります。



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しかし、機構面や使い勝手こそ後発のキャノネットには劣るものの、キャノネットにはない簡易フラッシュマチック(←ストロボのガイトナンバーと撮影距離に応じてストロボ撮影時の絞り設定をファインダーから目を離すコトなく鏡胴の付け根にあるダイヤルで簡単にセット出来る機能)を装備していたり、ASA800までの高感度フィルムに対応など、キャノネットよりもストロボ撮影が使いやすく、暗いレンズながら薄暗い被写体の撮影も多少はカバー出来、明るいレンズを持つキャノネットにも引けを取らない実力は持っていると思われます。


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↑簡易フラッシュマチック。普段はA(=自動)に合わせておく。フラッシュを使わなくてもAを外してダイヤルを回すコトで適正絞りから任意で数段ほど手動で絞るコトが出来るので、マニュアルカメラ的な使い方も多少は出来る(※ただし、適正絞りから開放値へ絞りを開くコトは不可)



デザインは直線を基調とした精悍なスタイルで、サイズはTRIP35よりも大きくて重たいながらも、カメラの厚みを少しでも無くそうと四隅の角を落とされた先細りのボディー形状も相俟って握った時に妙に手に馴染み、見た目のゴツさに反して意外にも構え易いです。


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↑大きさの比較。後年のオリンパス製コンパクトEEカメラで最大のロングセラー&ミリオンセラーを飛ばす【TRIP35】と比べると一回り大きい。



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↑上から見た図。正面の角を落とした部分と、なだらかな勾配を描く裏蓋周辺の造形が絶妙に調和したデザインがお気に入り。なお、軍艦部に刻印されたシリアルナンバーから個人情報を特定されるのを防ぐため、念のため伏せている…(苦笑)



前述の通り、操作周りは決して使い勝手が良いとは言えませんが、巻上げレバーや巻戻しクランクはとてもスムーズに動き、レリーズボタンはEE機構の小型化が出来なかった都合なのか、軍艦部から異様なまでにボタンが突出し、非常にストロークが長いため、シャッターを押してからいつ切れるのかが掴みにくいですが、シャッターを押した時の感触自体はそう悪くもなく、ストレスを感じないあたりは手抜かりのない丁寧な作りだと思います。


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そしてこのオートアイの一番の面白いところはファインダー内の絞り値の表示。

この頃のEEカメラはまだ電子化が進んでいない、バネとスプリングのオンパレードで、自動露出もセレン光電池から得た起電力によって振れる露出計の指針を機械的に検知して露出が決める極めて原始的なモノで、当然この頃はLEDや液晶モニターなんてモノはなく、絞り値の表示はファインダー内で絞り値がついた円盤状の板が測光で得た露出計の数値と同じ数値になるよう円盤がクルクル回って表示する面白い構造で、手の込んだカラクリ仕掛けのようでコレがなかなか芸が細かい。


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↑絞りの表示。LEDや液晶も使わず、ファインダーに射し込む外光を利用して数字を浮かび上がらせる。



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↑警告マーク。上の画像はシャッターダイヤルを左(低速側)に回せ、下の画像はシャッターダイヤルを右(高速側)に回せの意味。表示が消えるまでダイヤルを回す必要がある。



写真の写りには直接影響しない部分ですが、こういう遊び心のある作りは今のデジカメでは味わえない魅力があります。

なお、備考でも書きましたが、このオートアイには前期型と後期型の2種類が存在し(落札品は後期型)、両者の大きな違いは正面から見て鏡胴左側のプレビューボタンの有無で、これはシャッター半押し状態での測光の際に誤ってそのままシャッターを切ってしまうトラブルを防止するため、後期型からはこのプレビューボタンが装備されるようになったそうでする。


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もちろん、従来通りのシャッター半押しでも測光は出来るので、別になくても困らない部分です。

この他にも鏡胴やシャッターダイヤルの形状の違いや軍艦部のシンクロソケットの有無(後期型は鏡胴に移設)などの細かい部分での差異はあるものの、基本的には同じです。



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(※イヤラシイ話になりますが、オートアイはあまり売れなかったコトから販売期間が短く、生産数も少なかったので、希少性はやや高めで、特に数の少ない前期型は後期型よりもやや高値で売買されているようです)



話がずいぶん長ったらしくなりましたが、肝心の状態はといいますと…各部分、いろいろチェックしてみましたが、外観こそはキレイなものの、ジャンク品というコトなのでレンズに曇りやカビこそありますが、傷らしいモノは見当たらず、本体も経年相応の汚れや手垢、埃っぽさはありますが、目立つような傷や凹み、錆もなく、“AUTO EYE”と文字の入ったプレートに小さな引っ掻きキズ、何かにぶつけたのか、プレートがほんの少し波打って曲がっている(遠目には分からない)以外はまぁまぁのコンディション。

半世紀以上も前の製品だから、多少の見てくれの悪さは仕方がないし、高い金額が付いていたならまだしも、かなり良心的な安い値段で落すコトが出来たモノなので、その点は目をつぶる。


多少くたびれいるくらいがクラシックカメラの味が出ていてちょうどいいと自分の中で納得しているので、撮影に影響しない限りは気にしない(苦笑)




しかし、ここで問題が2つ。

試しにピント合わせをしようとダイヤルを回すも、異様にダイヤルが固く、砂を噛んだようなガリガリっとした抵抗がある…(汗)

それに加え、ファインダー内の二重像が合致せず(動かず)、ピント合わせが出来ない。

ジャンク品と分かった上で落としたとはいえ、いざ調子が悪いとやっぱり萎えてしまうモンですね…(←その分、修理に出して直った時の喜びも大きいけど…)。

ただ、幸いにもEEカメラの心臓部と呼べるセレン光電池や露出計は生きているようで、精度は分かりませんが、設定したシャッタースピードとフィルム感度、光量に応じて絞りが変化し、シャッターも目測や音で判断する限りとりあえず切れている。

まぁ、何度も言いますが、ジャンク品扱いで手に入れたモノですから、五体満足で動いてくれるなんてハナから思っていないので、余裕があればいずれ修理に出します…σ(^^;)

それまではしばらく部屋のオブジェとして飾っておきます。






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↑手持ちのTRIP35(上)とPEN EES2(左)とスリーショット。つくづく持ち主(自分)は電源不要のセレン光電池駆動のカメラが好きらしい…(苦笑)