アベノミクス(≒トリクルダウン)の真の姿


最近こちらの画像がネット上で、すごいスピードで拡散されています。
①アベノミクス.JPG


これはマクロ経済学の観点で見たトリクルダウン(≒ アベノミクス)の構造を可視化して皮肉ったものなのですが、ほぼほぼ正解であると思います。

マクロ経済学はとてもおもしろいです。


経済シロウトのぼくも、経済評論家・天野統康先生(http://ameblo.jp/amanomotoyasu/)とのセッションを重ね、マクロ経済学の理解を深めてきたつもりですので、少しぼくなりの解説をしたく思いました。(*間違ってたらつっこんでください)


先日、今年のGDP成長率見通しは-0.4~-0.9%であるとの経済指標が出ました。
7~9月期の衝撃の数字「GDP-1.6%」の結果を受けてのものです。
これは先進国では、例を見ない「景気後退(リセッション)」となります。


安倍政権と黒田日銀は量的金融緩和によって年間80兆円を増刷すると決定し、すでに数十兆円のマネーが市場に出回っています。
   【参考】ロイター:日銀、マネタリーベースを年間で約80兆円増加するペースで
資産買い入れを行う追加緩和を決定。 2014年 10月 31日
     http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IK0AZ20141031


安倍政権によると、トリクルダウン理論による効果で経済成長できるとしていますが、上の図のように、マネーの流れが下方までにしたたり落ちる間に、どこかで止まってしまっているのです。


(※)トリクルダウン経済理論:「トリクルダウン(trickle down)=したたり落ちる」の意。大企業や富裕層の支援政策を行うことが経済活動を活性化させることになり、富が低所得層に向かって徐々に流れ落ち、ひいては国民全体の利益となる」とする仮説。主に新自由主義政策などのなかで主張される。
そして、そもそも、トリクルダウン理論が成立する背景は、自然なインフレと、設備投資やインフラ整備の増幅(経済発展)が期待できる「発展途上国でのみ」とされています。



GDP成長率がマイナスであるのに、量的金融緩和で増刷されたマネーだけ数十兆円(14年は60~80兆)も増えました。


では、そのお金は、いったいどこに消えてしまったのでしょうか?


①上の図にあるように、金融市場という名の博打場にマネーを回し、富裕層と外国人投資家(外資ハゲ鷹投資機関)に利益を供給
   【参考】日経: アベノミクス「株価は倍に」「生活厳しい」 与野党舌戦
       http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS22H2B_S4A121C1MM8000/

②財政出動による公共投資により市場にマネーを回し、建設業を中心に景気底上げを図るが、実際は大手ゼネコンが中抜きしただけでした
   【参考】日本弁護士連盟 「東電の支払いは1日10万円、現場では8千円。 原発作業員の凄まじいピンハネ実態」
       http://news.livedoor.com/article/detail/5764169/


量的金融緩和によって増刷されたマネーは、金融市場とゼネコンのふところに消えていきました。




マネー(マネタリーベース)の総量が増えるということは、それだけマネーの価値が下がるということで、相対的にモノの価値が上がります。
(我々庶民が物価高で苦しんでいるのには、こういった背景があります。 *しかも3%も消費増税されました)


つまり、金融緩和によってマネーの価値が下がり、我々庶民の有する資産価値が目減りしたということです。



その結果、こうなりました。


   【参考】ブルームバーグ:資産1億以上の富裕層が24%増加。 日本の富裕層がますます裕福に、アジアで最も急速に資産増加
       http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NDS4D36JIJUT01.html


   【参考】赤旗:逆に年収200万円以下の貧困層は1120万人(給与所得者の24%)に急増!!
       http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-30/2014093001_03_1.jpg
②赤旗 写真



   アベノミクスでは、庶民のふところから富裕層に、富の付け替えがなされただけだったのです。





■ホリエモンこと堀江貴文氏が、有料会員用ののメルマガでおもしろいことを言っていました。


ホリエモン: 『アベノミクスの真実。

マスコミは確信犯だけど今が好景気だと騙されてるにわかトレーダーに一言。

アベノミクスとは日本人が溜め込んでる1200兆円の預金の価値を下落させた分のお金を日本の市場に回す政策の事です。

株価が異常に上がってるのはその金を横取りしようと外資が資金を集中してる為です。

小泉政権の時に一時好景気になった現象と同じ。

2年もすればもっと酷い地獄がきます。』

http://blog.livedoor.jp/arrow620-diet55/archives/7895697.html


野党など反安倍政権サイドがアベノミクスを批判するのは当然ですが、堀江氏は新自由主義陣営の人間であり、言わばアベノミクス護送船団の一員であります。

その堀江氏が、メルマガで、仲間に対してだけは真実を伝えていたわけです。

しかもこちらのマルマガの日付は…、13年5月26日 (笑)





また、上記の図の原典はおそらくこちらなのですが、世界中で同じ現象が起こっている状況にあります。

③トリクルダウン

その証拠に、著名人が続々と、トリクルダウン理論を批判しています。


■ポール・クルーグマン (ノーベル経済学賞)
「富裕層を優遇し、貧困層に対しては非情であること(トリクルダウン)が、経済成長の鍵とはならないと明らかになった。
実際はその反対で、経済をより公平にすれば、「豊かになる」ことにつながるのだ
さようなら、トリクルダウン。ようこそ、トリクルアップ。」
   「現代ビジネス ~ポール・クルーグマン―社会の足を引っ張る格差」より
   http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40292



■ジョセフ・E・スティグリッツ (ノーベル経済学賞)
「トリクルダウン効果により、経済成長の利益は自動的に社会の隅々まで行き渡るという前提は、経済理論・歴史経験に反している」
     出典:「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す』 徳間書店、2006年、168頁

「大きな富がトップに集中し、中間階層から最下層はますます悪い状況に立たされた。
“富者が富めば貧者にも富が浸透する”というトリクルダウン経済はうまく機能しなかった。
これで市場経済は、それ単独では効率的でもなく、安定したものでもないということがわかった」
   ビジネス+IT「ノーベル経済学者スティグリッツ氏が語る、米国資本主義の失敗と日本が取り組むべき課題」
   http://www.sbbit.jp/article/cont1/27192



■ローマ法王
「トリクルダウン(おこぼれ)理論」は、事実によって裏付けられたことは一度もない。
格差の広がりをもたらしているのは「市場と金融投機の絶対的な自立を守ろうというイデオロギー」であり、
それが国家主権をも拒絶する「新たな専制支配」を生み出している
   ウォール・ストリート・ジャーナルより
   http://ameblo.jp/study-houkoku/entry-11717004270.html






いったい誰が、こんな妙な経済政策をやらせているのでしょうか?


アダム・スミスやハイエクの言う「神の見えざる手」なのでしょうか?

それとも「誰かさんの見え透いた手」なのでしょうか?



イングランド銀行初代総裁・ スタンプ卿
「近代の銀行システムは無からお金を創造し、不正に地球を所有している。
彼らがお金を創造する事を止めさせれば、より良い幸せな世界になります。
しかし、もしあなたがこのまま銀行の奴隷でいるなら、銀行家達はお金を創造し続けクレジットを支配し続けます」
    http://sabakutani.com/?p=7504


ジョージタウン大・キグリー教授
「世界各国の政治体制を支配下におさめる民間の力によって、世界的な金融管理制度が創設、世界中の中央銀行を封建的な手法で支配した。
この制度の頂点に君臨したのはスイスの国際決済銀行(BIS)であり、民間企業体である世界中の中央銀行がこのBISを協同所有した」
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%A7%A9%E5%BA%8F


ロシア・プーチン大統領
「世界の指導者達が脅迫されている。所謂『ビッグブラザー』が世界中を監視し、言うことを聞かない国には武力を用いたり、経済的圧力を加えたりし始めている」
    http://japanese.ruvr.ru/news/2014_10_24/beikoku-pu-chin/


アムステルダム大名誉教授 カレル・ヴァン・ウォルフレン
「安倍首相は、金融緩和で増えたマネーを実体経済に還流させす、増税という暴挙に出た。
まさに官僚と米国の言いなりだ。逆に鳩山政権は官僚と米国とマスコミに潰されてしまった。」
    http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/610.html