渋谷ユーロスペースにて映画『ハローグッバイ』観てきました。
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【作品詳細】

若手女優の萩原みのりと久保田紗友がダブル主演し、同じクラスでも全く交わることのないタイプの異なる2人の女子高生が、ひとりのおばあさんとの出会いをきっかけに交流を持ち、ぶつかり合いながらも次第に認め合っていく姿を描いた青春映画。クラスの中で目立つ存在だが、元彼との間に子どもができてしまったのではないかと悩むはづきと、「委員長」と呼ばれる優等生だが、仕事で忙しい両親のために孤独を抱え、その寂しさを紛らわすために万引きに走っていた葵。2人は、ある認知症のおばあさんと知り合い、初恋の人にラブレターを渡したいというおばあさんのため、一緒に初恋の相手を探すことになる。ドラマ「表参道高校合唱部!」で注目を集めた萩原がはづき、NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」に出演した久保田が葵を演じ、2人が知り合うおばあさん役でもたいまさこが共演。長年の助監督経験を経て「ディアーディアー」で監督デビューした菊地健雄の第2作。2016年・第29回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門で上映された。

(引用:映画.com 本編/80分)



reference:YouTube

2017年上半期に観た映画で個人的に最も良かった作品は個人的には『空(カラ)の味』でした。
今年も下半期に入り、早くもそれに匹敵する映画に出会いました。
本作『ハローグッバイ』メチャクチャ素晴らしい作品です。

思春期である女子高生ならではの悩みや葛藤と、社会問題でもある認知症を患っているお婆ちゃん。
全てにおいて状況はまったく真逆な女性なのですが、不思議と繋がりを持つことになる。
当たり前だけど、社会は決して同じ人格の人同士だけで成り立っているわけではないし、同じ人格だから分かり合えるわけでもない。
誰もがそれぞれの立場で悩み、葛藤し、そして分かり合おうとするから世界は広くなる。
今いる場所、悩んでることが自分にとっては大きな問題でも、一歩外に出ればこんなにも世界は広いものなのだ。

同じクラスでありながらまったく違うタイプのはづきと葵。
女子高生と悦子さん。
悦子さんと悦子さんの娘。
お婆ちゃんを思う女子高生と施設に入れることを考える娘。

様々な人間模様が、様々な対比として描かれている。
誰もが過ちを犯すけど、新しい「何か」を得た時、その過ちを後悔する。
その後悔は決して間違いなんかではなく、新しい自分に出会うために必要なこと。
様々な対比の中で、唯一悦子さんだけが「認知症」のため純粋な想いのまま存在し、その想いが二人の女子高生の世界を変える。
この映画、本当に素晴らしいです。

現在、ユーロスペースのレイトショーのみでの上映みたいですが、これは本当にもったいない。
少しでも上映館が広がるように多くの人に渋谷に足を運んでもらいたいです。