ホツマツタヱの教え

7.25 林

【目次】

1.生死往来のミチ1~2

2.タマとシイ

3.スズアカのミチ

4.アメナルミチ=陽陰(天地)和る道1~3

5.ヒトワカミ・カミワヒト


1、 生死往来の道


(以下漢字訳文引用)


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時にカル君 進み言ふ 『何ぞ 咎むや 我が宝 人 称ゆるぞ』
この応え 『他人の幸 我が迷ひ 曲り苦しむ』

また曰く『楽しく居らば』
カスガ また 『結を知れるや 天地に生け 天地に還るぞ』
カスガ また 『君にても欲し 民は尚 '涼かの文' を 見ざるかや』

翁 頷き『クシヒコが 諌めの "涼か" 今 解けり 苦しみは何』

カスガ 説く 昔 トヨケの 御言宣
『我 三世を知る 初の世は クニトコタチぞ 天に逝き 周る元明の 守 定め』

『二世 ムスビの 百万寿 逝きて魂の緒 和すを聞く』

『今 タマキネも 八万歳 欲に貪る 心 無く 行き来の道も 覚え知る』

『陰陽を結びて 人心 世に還る時 直ぐなれば また良く生まれ 汚欲は 敢え還らぞ』


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■転生を肯定し、かつ良いものとしている

クニトコタチ→タカミムスビ→トヨウケと三世を転生したことを賛美した記述あり( 13アヤ16頁)

■先祖とのつながりの中で家内安全、子孫繁栄ということがもっとも重視される

【トツギのミチ(結婚)イモヲセのミチ(子孫繁栄)・スズアカのミチ(清明)】を全うすることが天なる道に従った生き方、すなわち大天界に坐す神々と宗を一にする生き方である

「世に還る時 直ぐなれば また良く生まれ」

=正しい転生の仕方

■生死往来の道はスズアカのミチを土台として成り立つ

(常田)聖書において輪廻転生の考え方はあり、イエスは否定していない。死生観は統一されておらず、ユダヤ教においては死後の世界に触れられていない。

聖書の記述例:「ねむってよみがえる」「父のところには家がある」

釈迦は否定もしないし、肯定もしていない。


2.タマとシイ

■魂とは「タマ」と「シイ」からなり「タマ」は天(神=アモト)から与えられ、「シイ」は地球(クニタマ)から来るもの。

■そして二つを結んでいるのは「タマノヲ」という。

■「タマ」=感性=霊=本体 「シイ」=欲求=本能=生命維持機構

■二つにより心が作られ、死に至るとこの二つがそれぞれ元の場所に帰る。そしてまた別な人間の体に転生するのを待つ。

■ヒトとして生活するうちに、タマがシヰに取り込められすぎると、タマノヲをといてもタマはシヰに取りつかれてしまい、アモトに還れずにクニタマの上に漂流することになる(=亡者)。

■タマとシヰのバランスを実感してゆくことがヒトの幸せにとって大切なこと。シヰがあってこそタマが楽しめる。

(常田)タマ(イエス=霊spilit)+シイ(生きている聖人=魂soul)という考え方ができる。釈迦が説く「中道」とはシイとタマのバランスのことではないか。

キリスト教:神を外におく。

聖書:いま生きているのは私ではなく、キリストである。


3.スズアカのミチ

■清か。涼か。進明。

■心が欲を離れて真直ぐなさま。囚われ(傾き)のない心の状態=清浄心(直ぐなる心=正直なまっすぐな心と一体で、天にます神々と霊的一致を図る)

■鈴木のように細く永く生きること=「鈴木が明ける」=「鈴明」、 『生きの内 欲を離るる これは鈴明ぞ』

→不必要なものを所有せずに、必要以上に多くのものを浪費せず、生きるため最小限のものだけを使用し、慎ましやかに細く長く暮らして明るい道を歩いていこう!

■太く短く物欲におぼれて生きること=「鈴暗」 

例)オロチ

(常田)聖書でも相手の女を見てきわどいことを考えたら自分の目をくりぬけというほどに女性問題には厳しい見解がある。


4.アメナルミチ

■本来のヒトの生は何を主体として把握されるものであるのかを教えるミチ。

■トツギノミチ、イモオセ(=陰と陽・女と男・地と天)ノミチ、スズアカノミチ

■ヤマトタケは国が乱れ、戦火が絶えないのは日本人が本来従って生きるべきアメナルミチをおろそかにしたためであるとし、のちの世にその正しい内容を伝えてほしいと遺言した。

■民衆の生活習慣・感覚として、あいうえお48音の中に込められてその神髄は伝えられている。

■美しくシンプルなアメ(宇宙)の調和に従ってヒトが幸せに生きるためのミチ。

(1)自然とヒトとは同格である。

(2)自然とヒトとの調和こそ、ヒトが生きる唯一のミチである=万類共存の思想

(3)自然はウツホ、カゼ、ホ、ミヅ、ハニの五元素から成り立つ。

(4)この五元素からなりたつ万物(ヒトを含めた自然)は、この五元素の循環に還元される。

→美しい調和と命と喜びのミチ

→自然哲学であり信仰であった

→自然からの略奪に走りがちな文明・文化に対し、自然との調和を強調することにより、物質文明の弊害を抑える意味もあったのでは。

■カ(光)ミ(美しい)→カミとは美しい光のこと=粒子(=原子)

ヒトも万物も宇宙全体もカミから作られている。

■48音の日本語は、原子と光の美しい規則性を持った言霊である。

■世界が複雑で巧妙に錯綜していても、全宇宙が美しくシンプルな「イノチの法則」に従い、すべてのイノチは形作られる。

■ノストラダムス博士予言詩集5巻53番の詩4行目より

Par sol tiendra la loy du grand Messie.

→Nipon yo sorade Amenarlumiti o simese.


5.ヒトワカミカミハヒト

「もし、後世に渡り、日本人の心にケモノの心が多くを占めてしまい、ヤマトの精神(=あめなるみちの心)を見失ったときに、どうか『ホツマツタヱ』という教えを後世に残し、これを指針として、まっすぐに自分の意志を貫いて生きて欲しい。『ホツマツタヱ』の「アメナルミチ」という精神を忘れないで欲しい。」(by ヤマトタケ)

ひとわかみ かみわひとなり
なもほまれ みちたつのりの
かみわひと ひとすなほにて
ほつまゆく まことかみなり(40アヤ)

「みちたつのり」とは、「あめなるみち」の精神のこと。人はみな素直であり、『ホツマツタヱ』と共に生きて行くことが、真の神の道なのだということ。

(小川)言語学的な解釈として、ホツマの「ホ」はウツホの「ホ」であり、仏教でいう「空」の概念を示した書という意味にも理解できる可能性がある。