数年前、福岡で筑後リサイクルショップ従業員殺人事件が発覚した。
この事件は、従業員等を監禁し、衰弱させ暴行死させた傷害致死事件である。
今年の4月11日、中尾伸也に対して懲役28年の判決が確定した。
この事件は、関係者等への有罪が全て確定し、終了した事になる。
私は、ひょんなことから、この事件に興味を持った。
鑑定業務には携わらなかったが、関係者でしか知り得ない話も聞いている。
話せることは話しておこうと思う。
【パワハラビジネスモデル】
ところで、この事件は2004年、当時22歳の男性への日常的な暴行がが端緒だった。
2000年前後、九州ではパワハラビジネスモデルが流行している。
従業員を苛め抜いて失踪させ、親類縁者に業務放棄に由来する賠償を請求するものだ。
このほかにも、1999年の殺人が発覚し、建設会社経営者の男性が逮捕されている。
現在刑事裁判中であるが、殺害されたのは20代男性で、日常的に暴行が加えられていた。
おそらく、暴行の目的は失踪させ、親類縁者に対して賠償請求するつもりだったのだろう。
行きすぎた苛めが結果的に死を招いてしまった事例である。
筑後の事件も全く同型で、暴走の末に死に至らしめていた。
【換金システム】
パワハラビジネスモデルに欠かせないものは、換金システムである。
失踪させた後、親類縁者に損害賠償を請求するが、苛め抜いた当事者ば何かとやりにくい。
かといって、弁護士であれば逆に自分らの非が露呈する。
そこで彼らが目を付けたのが行政書士だ。
尤もらしい法律文書まがいを送りつけ、無知な親類縁者から集金する。
現に、筑後の事件では女性の行政書士が暗躍していた。
彼女は、従業員等に対する異常な暴力に気付いていたはずである。
事件に直接の荷担はしていないが、無責ではなかろう。
【行政書士の介在】
私がこのビジネスモデルを知ったのは、知人の甥っ子が精神を病んだ件だった。
幸いにも、死亡には至らなかったが、日常的に苛め抜かれ職場から逃げ出したのである。
知人は就職時に身元保証人になっていた。
彼のもとには行政書士から賠償請求する内容証明が届いたのである。
私の法律知識は、所詮門前で経を覚えた小僧レベルだ。
そんな小僧から見ても、内容証明は赤ペンで訂正したくなるような稚拙なもの。
請求の根拠も情緒的でデタラメ 弁護士法などから見て完全にアウトな内容である。
その行政書士を呼び出して、 締め上げると 丁寧に話を聞くと、聴きもしないことまで喋ってくれた。
筑後の件で暗躍した女性行政書士の話も出てきた。
そこで、私はパワハラビジネスモデルを知ったのである。
パワハラビジネスモデルについては、噂を聞いたことがあった。
しかし、換金などの手間やリスクを考えれば成り立つとは思えない。
噂を聞くには聞いていたが、都市伝説と思っていたのである。
人間を精神的に追い込み換金するノウハウが系統化されていた。
→以下 次回 に続く