1998年のテポドン事件で日本政府から一旦乗り入れ禁止を宣告され、その後再開した
ものの、2002年頃にツポレフ機が騒音や環境規制に引っ掛かって再び日本へ乗り入れが
できなくなった北朝鮮の高麗航空(JS)
当時、名古屋空港(小牧空港)からピョンヤンへ頻繁にチャーター便を飛ばしていました。
連休などは名古屋空港からピョンヤン行きが1日3便なんていう記録も。
さらに秋には北朝鮮産松茸を運ぶためのイリューシン76型貨物機もよく飛来しました。
北朝鮮行きチャーター便を利用したパッケージツアーは中日新聞等でメディア募集
されており、ピョンヤン4日間が最安値で14万円前後と距離の割には少々高めの設定。
さらには統一展望台(板門店)を北朝鮮側から訪問するツアーや国内線で地方都市へ
向かうツアーもあり興味津々でした。
名古屋空港に駐機する高麗航空のツポレフTu-154(一番手前の飛行機) (P-561)
北朝鮮の飛行機と韓国の飛行機が並ぶシーンも見られました。
このツポレフ機は夏場の地上ではエアコンが効かないので高麗航空特製うちわが
シートポケットに入ってます。
操縦席の窓は離陸直前まで開けたままで、コックピットには扇風機がついています。
(1993年 名古屋小牧空港で撮影)
2000年には北朝鮮色を強めて尾翼のロゴが国旗に戻りました。
(名古屋小牧空港 2000年9月29日撮影)
ツアーに参加した知人の話では、案内員が終始同行し、自由行動不可。
北朝鮮がいかに素晴らしい国かを延々と説明される内容で、後半にはさすがに
ウンザリしてきたそうです。地下鉄の試乗もあるそうですが、外国人が乗れるのは何故か
指定された2つの駅間のみ(笑) 一説によれば、外国人に見せる場所だけ豪華に
造っているのだとか。(地下鉄も見学可能な2つの駅だけ豪華にしているのでしょうか?)
ツアーについている食事は焼肉や本場の平壌冷麺などで結構美味しかったそうですが
市内に2か所しかない外国人の指定宿泊ホテルでルームサービスのパスタを
頼んだら美味しくないのに2500円くらいと値が張ったそうです。
ピョンヤンから搭載した機内食は簡素ながら意外と充実していたという話も聞きました。
飲み物も北朝鮮製のビールやサイダーなどを搭載し、機内販売も行われるとのこと。
興味の尽きない航空会社です。
機体の老朽化、周辺諸国との関係悪化、経済情勢の悪化で開店休業状態でしたが、
最近、ロシアの援助で最新鋭のツポレフTu-204を導入。北京線に就航し便数も強化。
スターアライアンスのCA便に対抗しています。
<ピョンヤン発 高麗航空 現在の運航状況>
北京線 週3便 ツポレフTu-204、ツポレフTu-154
瀋陽線 運休中 ツポレフTu-154
ウラジオストク線 週1便 イリューシンIL-18
バンコク線 運休中 イリューシンIL-62
マカオ線 運休中 ツポレフTu-154
※国が閉鎖的な上に経済が困窮していてあまり稼働していないようです。