塗装吹付、ゴミ(ブツ)が付かない、付けないテクニックと隣接パネルボカシのテクニック
塗装時(吹き付け)時に一番多い悩みと言えば
ゴミ(ブツ)の付着であろう。
「ブースがあれば付かないんだけどなぁ」などと
言う人がいる。
実際にその発言をしている人は最高級最新型塗装ブース(圧送式)
で作業した事があるのか?俺が聞きたい。
良い設備はあった方が良いのは当然の事であるが、
圧送式塗装ブースなど最新設備があれば
ゴミが付かない訳ではない。それはそれで
塗装吹き付けまでの準備工程を含めて
設備を使いこなすノウハウ、経験が必要になる。
俺の師匠でもある。自動車塗装の巨匠「ムーンオート・清野師匠」
は、フェンダ一枚程度なら、どこで塗っても大差ないと発言している。
俺自身、テクニックを駆使しれば、工夫すれば
補修、自動車の側面ぐらいの範囲なら
最高級設備なみの仕上がりにもっていく事は可能だ。
それでは実際に作業していこう。
まず、排気ダクトとパネルの位置関係
後方排気など一方向に空気が流れる場合であれば
表面がダクト方向に向けていれば
理論上ゴミは付着しない。(付着が少ない)
塗装吹付時には自分も含めて、なるべく
空気の流れの後ろに行かないように気をつける。
フェンダパネルの表をダクト側に向けてる。↓
今回隣接パネル、フェンダパネルと干渉する
ドアにボカシを入れるが、ダクト側に向けて車両を
前向きにSETしている。↓
これも塗装ミストがダクト側にいくようなレイアウト。
ドア1/3程度前方をボカスから後ろにミスト、塗料が飛散しないような
工夫なのだ。
ボカシのイメージ↓
フェンダ交換、ドアボカシであればこのボカシ方が基本になる。
斜めにカラーが上部の方が少なく下部が多くボカシを入れる。
斜めにボカシを入れる事で目視で確認しずらくなるのと
視界に入りやすい上部にカラーを入れない事で色違いを
防止する。
ゴミの話にもどる。
次にゴミ付着の原因は自分から出るゴミ。
塗装着の着用、袖口や頭などをしっかりと塞ぐ。
車体からの付着。
マスキングをしっかり行う。
穴や隙間などを徹底的にマスキングして
塗装吹付時に車体から出るゴミを遮断する。
静電気やパネルに残ったカスの除去↓
塗装吹付前直前
脱脂後にエアーブローと静電気カットを行う。
写真は静電気カットと微量のホコリを除去するクロス。
吹き付け
フェンダの塗装とドアのボカシを同時に行う。
まずドアへアンダークリアを吹き付けする。
アンダークリアは、パネルの研磨傷、サンディング傷内部に
カラーの混入を防ぐ、ニジ防止と
カラーをボカシやすくする溶剤。
特にボカシ際、エンドが馴染む、ガサガサにならないのが
特徴。
吹き付け時の姿勢
これはベースコート、カラー、ボカシ、トップコート、クリア
全てに共通する。手首を固定して
体全体を動かしてガンがふらつかないように吹き付けを行う。
上手なペインターはほぼ
こういう姿勢。
機械のように均一にガンをコントロールしている。
仕上がり
説明のとおりのボカシ。全くどこまでカラーを塗装したのか?入れたのか?
が分からない、判別出来ない。これがプロのボカシだ。↓
フェンダ、ブロック塗装の仕上がり
ゴミなど1つもない。
メタリックのムラなく、クリアも均一に塗装されている。
これもプロの仕事と言えるだろう。
「弘法筆を選ばず」上手な人は
どのような環境にも適応できるし
言訳などしない。しかも早い。
良い設備はあるに越した事ないけど
設備代が料金に上乗せされる事を
お忘れなく!
品質と価格のバランスが大切だと考えている。
ウチは技術の店だから技術でカバーできて
料金を圧縮できるならそうしたいと考えてる。
http://www.threearrow.ecnet.jp/