糖尿病悪化とフルーツを食べる時間帯 | 糖尿病は飽食時代の栄養失調。糖尿病は栄養をとれば健康に戻る

糖尿病は飽食時代の栄養失調。糖尿病は栄養をとれば健康に戻る

お薬をのんでも、糖尿病は治りません。糖尿病の原因は、生活習慣の中になります。日常の簡単なことから改善。血糖ダイエットで健康を。
まちかど糖尿病指導薬剤師 笠原友子の公式ブログ
 

健康を栄養素から考える薬剤師、健招堂こと笠原友子です

フルーツのおいしい季節です。
スイカ・桃・ブドウ・・・・・

小さい頃、この時期に祖母から毎日言われていたことがあります。

「フルーツのとり方は 朝は金、昼は銀、夜は銅 」

「夜の果物は毒になるから、特に子供は食べちゃダメ!」

私はこの言葉は、子供の寝ている間に大人が美味しいものを食べるためだとずっと思っていました。
ところが最近、心から家族の健康を願って代々言い伝えているんだと言う事が分かりました。

『うちは糖尿病家系だから・・・』と心配する方がよくいます。
糖尿病は生活習慣病ですから、生活習慣が家族間で伝わります。
今回はそういう話です。


果物に多く含まれている糖分の果糖は、血糖値を上げません。

正確に言うと、血糖値はブドウ糖で測定しているので、果糖には反応しません。
また、インシュリンはブドウ糖に反応して出てますから、甘みが果糖ですと膵臓の負担も少なくて済みます。
ですが、大きな問題を抱えています。

問題点!
ブドウ糖も果糖も、同じようにエネルギー源にはなりますが、果糖は、ブドウ糖に比べて、
①中性脂肪値を上げたり、
②脂肪細胞に蓄えられやすいのです。

つまり太りやすい。
食べ過ぎた分は、ブドウ糖以上に蓄えに回るので、脂肪肝にもなりやすい。

また、核酸合成系経路にもスムースに回り込むので、
③高尿酸血漿(痛風)になりやすい。
夏が来ると痛風が増えるのはこのせい???

それも
④満腹中枢に働きにくいので、お腹の皮がのびるまで とめどなくお腹に入ってしまうのです。

さらなる問題点!
⑤コントロール役がいないこと。
ブドウ糖は、インシュリンによって血中濃度がコントロールされていますから、
病気以外で血糖値は必要以上に上がりません。
肝臓の中や脂肪細胞の中に蓄えて、血中濃度はコントロールされます。

ところが、果糖の場合はコントロール役がいません。口から入れた分だけ、血中に存在します。

その上、糖尿病患者での問題と同じように、血管壁にくっついて動脈硬化を起こします。

それも
⑥ブドウ糖の300倍血管壁にくっつきやすいのです。

身体を動かす時間帯ならともかくも、寝る前はフルーツの中の果糖は利用されませんから、若くても一気に血管だけ老化します。その上、血管の老化は皮膚の『しわ』となってあらわれます。

果糖は、低GI値なので体に良いと誤解されがちです。また、体も冷やします。


やはり、おばあちゃんの言うとおり

「フルーツのとり方は 朝は金、昼は銀、夜は銅 」

どうか、健康的な時間帯に、おいしく召し上がって下さいね。
              (参考:「フルクトース・・・知られざるもう一つの糖」山内俊一氏)

それでも夜にフルーツを食べたい方へ  
           次回をお楽しみに